掲載日:2023/07/14 |
|
氏 名 |
市原 利晃 |
|
職 種 |
医師 |
|
所 属 |
秋田往診クリニック |
|
趣味・特技 |
旅行 |
|
ひとこと |
切磋琢磨 |
|
|
大切にしていること
|
訪問診療ではさまざまなお宅へうかがいます.そんな中,縁側や土間を持つ古くからの建物に接する機会もあります.高い玄関,急な階段,大雪になると開閉にコツを必要とする襖などを見ると,子供の頃に夏休みで遊びに行った田舎の風景が思い出されます.そのため古い建物が懐かしいのだと思っていましたが,修学旅行の時に訪ねたお寺や教会に懐かしさを感じることもあります.横浜の山下公園近くのホテルニューグランドでは昭和2年の建物が現在も使われており,自分の育った時代ではない見る機会が無かった洋風建築ですが,なぜか田舎の風景に似た懐かしさを感じる大切にしたい建築の一つです. 自分が懐かしく思い好きになるキーワードは歴史なのかもしれません.古い物を現在でも使用するためには,それを実現するための基礎があり,維持する努力が必要です.そしてそれを現代社会の中で利用するための進歩がなければ,家,寺,協会,ホテルとして使用することができません.それを可能としている歴史に懐かしさを感じ,好きになるのだと思います.歴史を繋げていくには,それぞれの時代に適応する力とさらに発展させるための進歩が必要です.そのために先輩方は,挑戦し続けてきたはずです.その結果が学問であり,文化になっています.われわれが試行錯誤しながら行っていることすべてに,これからの歴史につながっていく可能性があるわけです.往診クリニックを秋田県初の訪問診療に特化したクリニックとしてスタートする際,「千里の一も一歩から」の言葉が力になりました.訪問診療は特殊な分野ではなく,診療所や病院で行われている医療を在宅で実現できるように工夫をくわえたもので,これまでの医学と医療の積み重ねです.これまでの歴史を大切に,現状に満足することなく自分自身も進化していきたいと思います. 今回は漠然と考えている事を書いてみましたが,そのあいだに「不易流行」という松尾芭蕉の言葉を見つけました.変らないものの中に新しいものを取り入れていくこと,だそうです.大切な言葉が増えました. 在宅ケアで要となる訪問薬剤管理を中心に連携している,いずみメイプル薬局の薬剤師である髙橋隼人さんへトークリレーします.これからの秋田を支えてくれるはずです.
|
|