掲載日:2022/07/01 |
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氏 名 |
最上希一郎 |
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職 種 |
医師 |
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所 属 |
山王胃腸科 |
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趣味・特技 |
旅、スキー、食器洗い |
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ひとこと |
スタッフ募集中! |
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私の仕事の魅力
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いつも頼りになるパリケアあきた訪問看護ステーションの小栁沙緒里さんからバトンを受けました、山王胃腸科の最上希一郎です。 当院は秋田市役所のすぐ近くの有床診療所です。先代が山王胃腸病院として開院してから今年で50周年を迎えました。平成25年に院長を交代、平成28年からは強化型在宅療養支援診療所として訪問診療を積極的に行っています。また当院は有床診療所として入院病床を維持することで自宅療養が不安なときには入院が可能です。総合病院では入院適応がなくても、家に帰るのは不安。そんなときはご相談ください。 私自身は医師になって最初の10年間を消化器外科、その後外傷手術に興味を持って救急医療を学び、秋田県ドクターヘリの運航開始から6年間フライトドクターをさせていただきました。そうして秋田で救急医療に携わっていると、自然の摂理から避けられない人生の最期に救急車で搬送されてくる高齢の患者さんたちに沢山関わることになります。痩せ衰えた体に何本も針を刺し、メスを入れ必死に救命措置を施しながら「これがこの人を幸せにすることがあるだろうか」という葛藤をいつも感じながら、しかし、その人が昨日まで何を考え、どのように暮らしていたかわからない救急の現場では躊躇なく全力を尽くすことが求められます。 町医者、かかりつけ医となった今、人生の最終段階を迎えたかかりつけの患者さんたちにどうやって最期までその人らしく生き抜いてもらえるかを考え、最期まで救急車に乗らず、できるだけその人の思いに沿った場所で過ごせるようにお手伝いできることは大きなやりがいです。 先日出会ったその女性は生涯独身を貫き、年老いて秋田に帰った後も一人で暮らし、他者の介入を好まず、離れて暮らす家族がその生活の維持が困難と気づいたときには既に認知症がかなり進行した状態でした。自宅を訪ねると、礼節を保ちながらしかし自身の領域に決して踏み込ませない態度は、戦後の東京の、しかも政治の中心で現代の我々からは想像の及ばない経験を沢山されてきたのだろうと感じさせるものでした。そんな彼女の自宅での最後の時を絶妙な距離感と家族サポートで一緒に支えてくれたみらい介護支援センターのケアマネージャー石塚正紀さんに次のバトンを渡します。
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