ペンリレー
真夏のプチ遭難
ごしょの耳鼻咽喉科 辻 正博

いつも諸先生方には大変お世話になっております。
今年はウクライナ戦争で影が薄くなってしまいましたが、知床遊覧船の沈没事故が私としては記憶に新しいわけであります。私も昨夏、「プチ海上遭難」しかけましたのでここにご報告いたします。
上司木村先生のご厚意で一番下っ端の私がお盆真っ只中に夏休みを頂いた、去る2022年8月16日。能代厚生医療センター時代の職場の友人、先輩とともに、4人で北浦沖に船釣りに出かけました。私は待望の初船釣りだったわけですが、のっけからケチがついておりました。予約した船宿の船長の船が故障したため、知り合いの船で出港するというのです。
この時点で7人乗り→5人乗りへ船がグレードダウン(=揺れも強くなり船酔いレベルアップ必至)ではあったのですが、初めてのことでよくわからず、テンション高めに(私だけ)出航したわけです。
30分流しては鯛釣り仕掛けを投入し、釣れなければ移動。これを4、5回繰り返していくうちに気が付けば能代沖まで船を進めていることに気づきました。この時点で釣果は4人合わせて、ゼロ。快晴の中、我々に暗雲が立ち込めます。
「あの船に付いてもう少し沖までいぐべ」
船長のやや怪しげな提案に拒否する理由もなく全員が同意。更に沖に出ます。
この辺がおそらく今日出ている船の中でも最も沖だろう。と、ゆったり構えていたところ、船中初ヒット!! 友人が小さめですが鯛を釣り上げました。これはッ!!? 時合か!と船上の一同のテンションがにわかに活気づきます。すぐに2人目に外道ではありますがホウボウというきれいな底ものの魚がかかりました。
と、船長が落ち着きません。エンジンの調子が悪いようです。1時間近くゴソゴソ修理っぽいことをしていました。
まぁ正直知ったこっちゃありません。高い金を出して来ているのです。バンバン釣らなければ。と、ここでようやく私にもヒット!40cm程度の鯛をめでたく釣ることができました。1匹釣れたので、船酔いもキツいし、そろそろ昼かな・・・。と思っていたのですが・・・。
「もうしわげね、エンジン壊れだ。助け呼ぶので待ってる間釣ってでけれ」
・・・船長さん?
周りを伺うと、意外と普通に釣りを続けています。船釣りってこんなもんなのか?
初心者は訝しげではありますがしょうがなくまた仕掛けを海底に投入するのみでした。
集中集中。ってできるわけないです。これって遭難ですよね?
昼飯なんか持ってきてない。何ならペットボトル2本しかないですワタクシ。
エンジンがつかない船は波に乗ってどんどん沖に流されます。アハッ、仕掛けがいい感じで流れますね。釣れそう!(死)
と、2時間後、救助船が到着したのでした。
ようやく帰れる・・・!
というときに限って釣れるんですねこれが。本日最大60cmの真鯛が私の竿にヒット! こちらの船中、救助の船中の面々からは「おいおい、空気読め」「早く釣り上げろ」と寒い空気が流れます。何とかその視線に耐えながら釣り上げ、救助船にドナドナされながらトボトボと帰途へ・・・。
結局昼に帰港する予定が実際着いたのは17時。
着いてからこそこそ先輩に聞くと「俺、死んだと思った」とのこと。実はみんな遭難決定と確信していたのでした。そう、皆シャイだったんです。
8月16日、その日は総じて快晴。上肢は完全な火傷を形成してしまったのでした。楽しかったです!
ということで私を釣り沼に陥れた張本人、秋田赤十字病院の整形外科副部長 飯田純平先生に次のお話をお願いしたいと思います。