ペンリレー
2位が好きな男
ふくおか内科クリニック 福岡 勇樹

「ふくおか内科クリニック」の福岡勇樹です。土崎駅前内科の堀江先生、ペンリレーのバトンをいただきありがとうございます。振り返ると医師会関連のコラムでは「競馬」「麻雀」「ぷよぷよ」など自由奔放に書かせていただきました。
さて今回はどうしようかなと考えましたところ、私の人生を顧みると2位を取ることが好きなようでした。何を言っているのか、というテーマですがどうぞお付き合いください。
【エピソード1】
大学に入って間もなく、社会経験を積もうと思いアルバイトを探していた私の目に「マクドナルド自治医大かましん店、オープニングスタッフ募集! 時給750円」の文字が飛び込んできました。それまでのアルバイト経験は、高校生のときに「竿燈祭りの道案内」と「夏季講習限定の塾講師」の2つがありましたが、以前から外食のアルバイトを一度やってみたいという気持ちがあったことから、すぐに面接に申し込みました。マクドナルドの業務は、誰でもすぐに覚えられるように全てマニュアル化されているにも関わらず、技術介入ができる要素も大きくて、自分にとって楽しい職場でした。技術介入要素が大きい部門としましては、「テリヤキバーガーのレタス12gをひと掴みで毎回正確に取る」「焼きあがったビーフパティを素早く正確に鉄板からトレイに移す」「ケチャップやマヨネーズを真ん中に美しくセットする」などがあり、これらはやればやるほどうまくなります。中でも、最も技術介入要素が強いと思われたのは「Sサイズのポテトをきれいに作ること」でした。ご存知のとおりマックポテトはS/M/Lの3サイズがあります。そして、「ちりとり」のようなアイテムでポテトをきれいにパッケージして、お客様に提供します。Sサイズは小さい紙袋にパッケージ詰めしないといけないため、他のサイズと比較すると圧倒的に難易度が高めです。そうしたこともあり、「ポテトのSサイズ職人」はバイト内でも一目おかれます。そうした中、マクドナルドではバイトクルーの技術を競い合う大会が行われていました。私はそのポテト部門に志願し、トレーニングを重ねて地区予選に出場しました。食べてくださるお客様の喜ぶ顔を想像しながら一生懸命に作りましたが、結果は残念ながら2位で本戦出場はなりませんでした。優勝者のポテトを作るところを見ていましたが、ポテトが全部同じ向きになっていて、溢れず、折れず、素晴らしい仕上がりでした。清々しいほどの完敗でした。こうした経験から今現在も、美しく盛り付けられたポテトに出会うと嬉しい気持ちになります。皆様もぜひ、早く食べたい気持ちを一瞬抑えて、ポテトの仕上がりを見てみることをお勧めします。
【エピソード2】
私が中学校1年生の頃、ストリートファイター2(以下スト2)という格闘ゲームが爆発的に流行っていました。対コンピュータのみならず、プレイヤー同士が対戦できることがとても画期的で、一大ムーブメントを巻き起こしていました。当初は対人戦をする時、横並びに座ってプレイするために非常にハードルが高く、対戦した相手が怖いお兄さんだったりするとリアルに怖い目に合うといったことがあったりしました。それが、向かい合わせの対戦型筐体が導入されたことで、私のような純朴な少年もリアルなストリートファイトに怯えることなく対等に戦えるようになりました。その当時、土崎のジャスコ(通称崎ジャス)の2階にあったゲームセンターに、圧倒的にスト2が上手でカリスマ的人気がある店員さんがいました。そのため、彼に憧れた秋田市内のスト2上級者が集う状態になっていて、私もスト2をするなら崎ジャスと決めていました。崎ジャスでは半年に一度大会が開かれておりましたが、あまりにもハイレベルなプレイヤーが多く、私は周囲と比べて基本的な実力が明らかに劣っていました。まともに練習してもとても敵いませんので、弱者でも勝てる可能性を高める方法はないか、そういった方向性で努力をしていきました。普通は自分の持ちキャラを決めた上で実力を高めていくものですが、私の今回の研究から、対戦相手のキャラクターに応じて自分が最も勝てる可能性が高くて相性の良いキャラクターを選択することが、実力が劣っていても一発勝負なら勝ち上がれるかもしれない、という結論でした。戦い方も、防御重視のカウンター狙いで、我ながら情けない弱者の戦い方でした。そういった研究の甲斐あって、戦った相手の不評を買いながらも(勝った相手に舌打ちされるような戦い方だったのです…)なんとか決勝戦まで勝ち上がりました。しかしながら、決勝の相手はそんな戦法が通用するようなレベルではなく、これまでの健闘がウソのように圧倒的なボロ負けを喫しました。決勝戦なのにパーフェクト負けで、場を白けさせてしまったのではないかと涙が出そうでした。肩を落とした自分に、カリスマ店員さんが話しかけてくれました。「君の戦いは間違ってないと思う。良い戦いだった、感動したよ」と。そういった優しい言葉に、12歳の自分の心はどんなに救われたことでしょうか。
【エピソード3】
プレイステーションで発売されるやいなや爆発的ヒットとなった「みんなのGOLF」、そのシリーズ3作目の「みんGOL3」、大学3年生の私の時間を相当奪ったゲームです。実際のゴルフが未経験だった私にとっても大変楽しく、誰でも楽しめる名作でした。みんGOL3の何が素晴らしいか、それはインターネットを使ってランキング登録ができるといった点でした。週に何度も徹夜をするくらいドハマりした結果、栃木県2位までいきました。
【エピソード4】
そうした中、自分が1位を取れた数少ないもので、仮想株ゲームがあります。株や投資のことは学生のうちに勉強しておくべきだ、という気持ちで始めてみたものです。個別株のクセをつかんで、時間が有り余っていたものなので毎日デイトレードのような取引を繰り返し、全国トップの運用成績を叩き出しました。そして大学卒業後に満を持して、いただいたお給料で現実の株取引を始めてみました。しかしながら、あっという間に種銭は消え去り、何度かの追加入金むなしくプラスになることはありませんでした。現実のトレードの厳しさを知って、これは長く続けては危ないことになる予感がし、早々に退場しました。若いうちにこういう経験ができたことは良かったのか悪かったのかですが、仮想株ゲームで1位なんかとってしまったためにリスクをとることに何も感じなくなり、気持ちの面でも謙虚さが失われて天狗状態になっていたのだろう、と深く反省しました。
ここまで読んでいただいたみなさま、今回もくだらないお話にお付き合いいただきありがとうございました。ふくおか内科クリニックでは、甲状腺や糖尿病診療でみなさまのお役に立てればと考えておりますので、今後ともご指導よろしくお願いいたします。
次回のペンリレーは、出身医局の糖尿病・内分泌内科の大先輩であり、卒業した自治医大の大先輩でもある、あきた東内科クリニックの成田琢磨先生にお願いしました。