トークリレー
143-小山 昌平
- 氏 名
- 小山 昌平
- 職 種
- 医師(内科・糖尿病内科)
- 所 属
- やばせ内科クリニック
- 趣味・特技
- イタリア料理、業務改善、ICT活用
- ひとこと
- 「人にしかできないことに、人の時間を使いたい。」
私のルーティン
福田麻実さんからバトンを受け取りました、やばせ内科クリニック院長の小山昌平です。
福田さんには、在宅で療養されるがん患者さんの診療でいつも大変お世話になっています。がん看護専門看護師として患者さんやご家族に寄り添い、多職種をつないでくださる心強い存在です。また、文末では「Chatworkの動く絵文字のような温かい連携」と素敵に表現していただきました。確かに絵文字はよく動かしていますが、その向こうにある皆さんの専門性と温かさが、在宅医療を支えています。これからも、Chatworkの絵文字ともどもよろしくお願いいたします。
さて、私のルーティンは、朝一番にICTへ目を通すことです。Chatworkや電子カルテを開き、夜間の変化や、その日動くべきことを確認する。それが一日の始まりです。そして、もう一つの習慣があります。
「これ、もっと良くできないだろうか。」
電子カルテの入力を短くできないか。人がやらなくてもよい仕事はないか。AIやICTに任せられないか。そんなことを、何度も考えています。 もちろん、効率化そのものが目的ではありません。生まれた時間を、患者さんやご家族、多職種と向き合う時間に充てたい。そのための工夫です。
そんな頭を休める時間に、私がよく見ているのがイタリア料理の動画です。しかも、日本語ではなくイタリア語の動画ばかり。日本生まれ、日本育ちの私ですが、素材の色や香りまで伝わってきそうな料理を眺めていると、郷愁すら覚えます。イタリアで暮らしたことは一度もないのに、「帰ってきたな」と思ってしまうのだから不思議です。
そんな興味は動画を見るだけでは飽き足らず、いつの間にか自分でもつくるようになりました。この秋には、ご縁をいただいた事業所のキッチンカーで、一皿ご提供させていただく機会もいただいています。医師ではなく、一人の料理好きとして厨房に立ちます。患者さんだけではなく、お客さんにも「おいしい」と言っていただけるよう、一皿ずつ心を込めてつくりたいと思っています。
料理を続けるうちに、「素材を生かす」ことの大切さを考えるようになりました。料理に決まった主役がないように、在宅医療にも決まった主役はいません。トマトが主役の一皿もあれば、チーズが主役の一皿もある。名脇役だった素材が、別の料理では主役になることもあります。それぞれが持ち味を発揮し、お互いを引き立て合って、一皿が完成します。
在宅医療も同じです。医師が中心となる場面もあれば、訪問看護師、ケアマネジャー、薬剤師、歯科医師・歯科衛生士が中心となる場面もあります。誰もが、ある場面では主役となり、別の場面では名脇役として支える。自然に役割が入れ替わり、地域の在宅医療という一皿が完成するのだと思っています。だから私にとってICTやAIは、それぞれの専門性を引き出す「下ごしらえ」のような存在です。イタリア語は、今でもほとんど分かりません。それでも、料理動画を見ながら「良い一皿とは何か」を考える時間は、不思議と「良い在宅医療とは何か」を考える時間にもなっています。在宅医療も、一皿の料理も、一人では完成しません。これからも多職種の皆さんと、それぞれの専門性を持ち寄り、地域の在宅医療という一皿を、一緒に仕上げていけたらと思っています。
さて、次回は深川歯科医院院長の東根まりい先生へバトンをお渡しします。
東根先生には、訪問診療で嚥下機能や口腔機能の評価を通して、多くの患者さんの「食べる」を支えていただいています。これからも在宅医療という一皿に欠かせない歯科の専門性で、患者さんを支えてくださることと思います。先生のルーティンを、私も楽しみにしております。