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<春夏秋冬>

発行日2004/03/10
渡辺耳鼻咽喉科医院  渡辺  仁
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宇宙流
 
 26年前、誰がという訳ではなく数人の仲間が集まって囲碁を始めました。新設の医学部(山形大学)でクラブというものもほとんどない中で同好会として発足、この頃最も強かった同期生(おそらく3級くらい)が会長になり、副会長がいて私は幹事(始めたばかりで30級ぐらい)。少しずつ人数が増え、強い後輩を誘い込み、年に何度か大会を開いて楽しんでいた記憶があります。顧問として当時の耳鼻科の教授に教えて頂くことになり、これがきっかけでこのときの同好会のメンバー4人が耳鼻科に入局、しかし入局してからはほとんど碁をうつ暇がない生活となってしまいました。
 当時最も人気のあったプロ棋士が宇宙流の武宮正樹、3連星から繰り出される碁はまさに宇宙そのもので、誰にもまねの出来ないスケールの大きさです。その頃、小学校時代に転校し音信不通だった友人から秋田の実家に電話があり、「医者になった。学会で秋田に行くので会いたいが今どうしている?」とのこと。当日秋田に戻り10年ぶりに再会、同じ職業に就いたことを喜びあい、一ヶ月後の自分の結婚式に参加して欲しい事をお願いしました。四方山話の中で囲碁の話題が持ち上がり「武宮正樹はいとこだよ」とのこと。一月して彼が式場にプレゼントを持ってきてくれました。武宮名人の直筆の扇子、私には「輝」の一文字。名人に話をしたら教授(仲人)と私に1本ずつ書いてくれたとのことで、これは私の宝物です。その後、あこがれの武宮名人が山形にイベントでこられた事があり、直接色々お話することが出来ました。
 昨年になって、学生時代の同好会の仲間2人から別々に、「また囲碁始めたよ、おまえもやらないか」と連絡が来ていました。そのような中でI先生に医師会の囲碁大会の参加を誘われ、久しぶりに石を持ちました。囲碁のおかげで、昔を思い出す事が出来、すぐにしなければならないことに気づきました。先の友人とは又20年音信不通になっていますので居所をつきとめて連絡。大事にしまい込んだ宝の扇子が何処にあるのか家中の家捜し。
 武宮の宇宙流は「自由な気持ちで最も調和のとれた手を打てば、それが最善手で有る。人生においても、自然体で生きることが愛と調和の心を育て、最善手の発見につながる。」ということですが、囲碁だけでなく仕事で、ともすれば無理をしてしまう自分には最も学ばなければいけないことと反省しています。

 
 春夏秋冬 <宇宙流> から