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<春夏秋冬>

発行日2003/02/10
中通総合病院  松田 淳
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医師の社会活動
 
 今年頂いた年賀状の中に「ただ忙しく働くだけでは、社会のシステムは変わりません。医療従事者はもっと社会にアピールしていかなければなりません。できるところがら実行していきたいと思います。本年もよろしくお願い致します。」というあいさつ文がありました。私も全く同感です。こうした文章が若手医師から発信されたことを特に意義深いものだと思いました。
 1月号の巻頭言に載せられた「準会員制度」に関する大野会長のアピール文は、現在私たち医師が置かれている社会的状況、医師会の意義、現在の主な医師会活動、そしてこれから私たちが何をしなければならないかについて、実に的確な分析と考察が述べられていて、すばらしい一文です。もしまだ読んでおられない方がおいででしたら、ぜひご一読下さい。これを読むと、私たち医師がもっと社会と関わりを持っていかなけばならないことがよく理解できます。
 こうした視点で世の中に目を向けると、例えば女子高生の「デリヘル」事件などが目に留まります。もちろん、注文する大人(特に男性)が悪いのは明らかですが、私が一番悲惨だと思うのは、女子高生たちがあまりにも無防備で無知だということです。遊ぶお金欲しさにゲーム感覚で性行為に走る神経も問題ですが、それよりもまず自分の心と身体がズタズタにされることを全く自覚していない。性感染症、特にエイズの危険性や中絶の悲惨さを全く知らない。はっきり言ってバカです。でも、このかわいそうな子どもたちをなんとか助けなければならない。守ってやらなければならない。医学教育が必要なのです。学校だけでは手に負えないだろうと推測されます。産婦人科医の皆さんはぜひ積極的にこちらから出掛けていって、もしくは請われたら高校生達を教育していただきたいと思います。同様の主旨が新聞記事にも婦人科医のコメンとして掲載されていて、心強く思いました。
 話は変わりますが、私自身今関わっている社会活動は、青少年の喫煙防止教育です。県内各地にある健康福祉センターや保健所は、防煙教育に大変熱心で、なんとか喫煙人口を減らそうと頑張っています。私もその主旨に大賛成なので、時間の都合がつく限り協力しています。中学校の講話が主ですが、指導者の協議会にも出席して意見交換したりしています。なかなか成果が見えない活動ですが、今年も根気よく続けようと思っています。
 社会活動に参加する手だてはいろいろあると思います。学校医などは最も身近な活動のひとつでしょう。あまりむずかしく考える必要はないと思います。別に政治活動や仕事を犠牲にすることはないのです。どんな形でもボランテア活動に参加することで、医師に対する偏見や冷たい視線が少しでも解消されていけば、徐々にでも住みやすい世の中に向かうのではないでしょうか。今年は少し明るい年にしたいものですね。
 
 春夏秋冬 <医師の社会活動> から