秋田市医師会報

＜春夏秋冬＞	発行日2003/06/10
渡辺耳鼻咽喉科医院　　渡辺　　仁
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芝桜

　ここ数年花見という国民的な行事に参加した事はなく、『今年こそは花見に行くぞ』と言う女房の言葉を聞き流し、仕事と称する種々のこと(?)に身を任せ、やむを得ないおつきあいである(?)ゴルフのために日々苦しい努力(?)を重ね、先日初めて２桁(99)のスコアを記録、我が人生最大の喜びと舞い上がっていた自分。ふと女房の言葉を思い出し角館に行ったときはすでに葉桜、今年も花見は出来なかったと後ろめたい気持ちになっていた時のことです。格んない『芝桜まつり』が行われている旨wで報道され、芝のように低い木に咲いている桜だろうぐらいの認識で早速出かけることにしました。
　２Kmの渋滞で約1時間40分の行程で会場の大松川ダム公園に到着、そこには桜ではなく、急な斜面に敷き詰められた赤桃色の花の絨毯がありました。池に写し出される花の絨毯、近寄ると一つ一つの可憐な花。絨毯の真ん中には丘を登る細い階段があり、ここを登ると目もくらむような光景(あまりにも急な坂で、下を見ると本当にきれい、しかし恐ろしくて足もすくむ思い)。絨毯には白や藤色の鮮やかな刺繍が施され、眼を楽しませてくれます。
　芝桜は北アメリカ原産で、芝のように広がり、桜のような花が咲くので「芝桜」と呼ばれているとのこと、学名Phlox subulata、別名モス・フロックス、花芝、花爪草と呼ばれ花忍(はなしのぶ)科の植物です。多年草で乾燥に強く、傾斜地のグラウンドカバーとして用いられ、傾斜の強い面を覆って楽しませてくれると同時に土の流出を防ぐ役割を果たしているとのことです。山内村大松川ダム公園の芝桜はまだ歴史が浅く、平成10年から秋田県と山内村が植栽をはじめ約1ヘクタールの広さに約68万株を植え付けたものとのことです。芝桜の名所と言われる所はいくつかあるようですが、例えば北海道滝川町の滝上公園は10万平方mとのことですので大松川ダムの10倍の広さ、是非機会を作って行ってみたいと思います。
　芝桜について少々の情報。誕生日花としては４月20日、その特徴は「変わったもののコレクターだったり、カルトっぽいサークルに所属していたり、一癖ある趣味の人です。年齢よりちょっと幼い所があるので、人の眼を気にせず夢中になるのかも。」、花言葉は一般的には『臆病な心』とのことですが、花言葉というのはいろいろなものがあるようでもう、一つマイナーな花言葉『合意・一蜘』があります。もう少しこのかわいらしい花に似合ったものであればいいのにという思いです。一度足を運んでご覧になって下さい。
　ところで、40代後半以降で体力に自信のない方は決して先述の階段を登らないで下さい。見た目よりきつく、途中で降りるのは怖いし、登り切った時点で両足が痙攣を起こし、その後２日間つらい生活を強いられてしまいました。

春夏秋冬＜芝桜＞から