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<春夏秋冬>

発行日2024/01/10
いちかわ内科クリニック  市川 喜一
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New era
 
 医師会誌をお読みの皆様、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。と、書いている現在は2023年12月、師走の真っただ中。「師」も「走」るくらいですから、何かと心も体も落ち着かない日々であります。そういえば、コロナ禍の3年強、「師(士も含む)」が付くお仕事の皆さんはまず全力疾走だったと思います。医師、看護師、薬剤師、検査技師、保健師、歯科医師、理学療法士、救急救命士、消防士、弁護士、税理士、公認会計士etc.。それだけでなく農業、漁業、飲食業、警察官、公務員、会社員、主婦、子供、ご高齢者など、とにかくすべての人々が「新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)」と戦うために全力を尽くしてきました。そのおかげで2023年5月8日にCOVID-19が感染症法の第5類に移行し、日本国民そして人類はその戦いに一つの区切りをつけることができました。今振り返るとコロナ禍において、感染した人としなかった人、生き延びられた人と亡くなった人の違いはほんのわずかしかありませんでした。お亡くなりになられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、生き残った私たちはその教訓を次の世代に、確実に伝えていく義務があると考えます。しかし、喉元過ぎれば熱さを忘れる、という諺通り2023年の夏以降、感染症に対する備えや心のタガが、ともすれば緩み始めているような気がしてなりません。新型コロナウイルスは「人間が決めた感染症法の第5類になったから活動を自粛しよう」と忖度をすることは全くなく、唯一あるのはひたすら増殖・拡大をしようとする戦略のみです。この編集後記が皆さんの目に触れる頃、年末年始の帰省に伴うCOVID-19の再増加の報道がなされていないことをただただ祈るだけです。
 さて一方、一般的にはコロナ禍では行動を自粛し続けることで抑制されてきた「コミュニケーション」「創造性」「実体験による学び」などの人間が本来持つ欲求の実現が、その収束とともに復活してきました。コロナ禍では辛いことも多くありましたが、ITの急速な進歩によるリモート業務の日常化、それに伴う地方生活の再評価や地方移住、繁華街での飲食からデリバリーによる「中食(ナカショク)」の急速な拡大など、新たなものを人類は得ました。ついに人類は「New era」に突入し、人生観・価値観がどんどん変化し続けている、とそう強く感じています。どうか、みんながそれぞれを助け合い、新時代を明るく前向きに生きていける、そんな2024年でありますように。
 
 春夏秋冬 <New era> から