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<春夏秋冬>

発行日2023/09/10
秋田赤十字病院  下田 直威
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猛暑に思う
 
 サイクリングが趣味で週末などに家から往復2-3時間程度の距離をタラタラ走っている(ポタリングともいう)。いつも似たような道では飽きるので、たまに車に自転車を積んで遠征もする。先日、夏らしいことをしたいなと思い立ち、比較的近場だが久々に男鹿半島に行ってみた。男鹿総合運動公園の駐車場に車を止めて自転車で出発。その日はさすがに暑かったので寒風山の山頂アタックはやめておいた。以前トライしたが貧脚の私にはかなりの苦行だった。半島北側の海岸沿いを走って五里合から滝の頭の湧水を目指したら気持ちいいだろうと思って走り出した。ちょうど寒風山を中心にして一周するようなコースになる。40km程度だし、暑くても走り出せば風も切れるし何とかなるだろうと思っていたのだ。もちろんこまめな水分・塩分補給にも気をつけていた。それでも甘かった。現実に風を切れるのは平地や下り坂であって、アップダウンのうちの上り坂では風などない。気温は30度を優に超え、正午に近くカンカン照りで日陰もない。ボトルのドリンクはすでに飲み干してしまい、自販機を探すが、何と北側の海岸沿いには探せども自販機がない! 猛暑のなか人通りはなく、車もめったに通らない。普通なら大した距離でもないが、早く見つけねばと焦ってしまい、頭がクラクラして呼吸が苦しくなり、やばい、こりゃ熱中症だ。やっちまったなと生命危機を感じるくらいだった。五里合の近く、やっとの思いで自販機を見つけ、助かった~と水分補給。そこからはもはや滝の頭で湧水の風景を楽しむなどという余裕はなく、少しでも早く戻ろうと黙々と(トロトロと)走り駐車場の車までたどり着いた。帰りに入道崎の食堂に寄って、「磯ラーメン」を注文しスープまで飲み干した。いい歳をして猛暑の炎天下で活動するのは真に無謀なことと反省した。
 それにしても記録的豪雨に加え、最近の暑さは異常だなと考えてしまう。北半球全体が猛暑で、今年7月は観測史上最も暑い月となったそうだ。地球レベルで温暖化が進行しているのは明らかだ。折しも国連のグテレス事務総長が「地球温暖化」の時代は終わり、「地球灼熱化(沸騰化)」の時代に入ったと警告している。科学者が予測し警告してきたよりも早い変化だという。その原因のすべてが温室効果ガスとは言えないとしても、今まで以上に真剣に実質的な削減に迅速に取り組まなければ、地球は本当にヒトの住めないところになるだろう。いっぽうで、すでにオンセットされてしまっている異常気象は今後さらにヒートアップするに違いない。暑さや災害に強い社会インフラやライフスタイルの構築も急務ではないだろうか。とりあえず私個人としては暑さに強くなるため、エアコンの使用も極力最低限に控えようなどと思っていたが・・・今夏は無理だ。危険です。みなさんも御自愛下さい。
 
 春夏秋冬 <猛暑に思う> から