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<春夏秋冬>

発行日2023/07/10
中通総合病院  大門 葉子
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地図と立体視
 
 今月の会報はコロナ後にしたい事、行きたい場所をテーマにご投稿頂いています。自分ならどうかと考えてみましたが、すぐには思いつきません。待ち時間が長すぎて、何を待っていたのかわからなくなっています。それでも夏に向かって日に日に暑くなる中、マスクをしないで街や山を歩けるだけで割と満足です。
 ご近所の散歩は、よそのお宅の植物や電線の鳥を見ながらぶらぶら歩いたり、隠れ家的カフェを見つけてお茶したりします。更に歴史散策マップ『時を超えた散歩道』などを参考に、史跡ガイドさんの案内を聞いたりするとより楽しめることがここ3年の研究でわかってきたので続けていきたいです。
 山の散策はちょっと敷居が高いですが、地図はやはり地理院地図でしょうか。国土地理院のホームページを覗いてみると親切にも『すべての方向け!地理院地図の使い方』が動画で解説されています。山の起伏が3次元的にさまざまに表示されていて面白いです。
 そんな中に懐かしの赤青眼鏡で見る地図が載っていました。『アナグリフ』という名称だと知りました。角度のついた2つの絵を赤と青で表示して、眼鏡のフィルターを通すことで、一枚の地図上で左右の目に違うものを見させます。『立体テレビ』オズの魔法使いを思い出しました。ちなみになぜ赤と青なのかといえば、波長が離れていて分離がいいからとのことです。
 視差を応用した立体視を裸眼で行う画像では、交差法や平行法と呼ばれる見方があって、眼力?がアップすると時々流行ったり飽きられたりしています。
 この交差法は、X線写真の読影に利用されていたこともありました。血管造影の時に、左右に少しずつ振った2つの管球で交互に撮影し、連続した2枚のフィルムを並べてシャーカステンにかけて、『寄り眼』で見ます。するとびっくり。大角フィルムはその名の通り、35cm角のビッグサイズですから、肺動脈などは四方八方に枝が飛び出して、かなり驚きでした。あの迫力は初めて映画館で『アバター』を見たとき以上だったかも。欠点は、枝を同定しようと視線を一点に集中すると、たちまち2枚の平面の写真に戻ってしまうことです。裸眼で立体視ができない人のためには、箱メガネのような持ち手の付いた大きな専用メガネが読影室に用意されていました。
 …これからのお話のつもりがだんだん昔話になってしまいました。映画館にもご無沙汰していますが、今時の3D映画はどんなスゴイ映像になっているのでしょう。とりあえず行きたい場所は映画館、と思いつきました。
*『立体テレビ』オズの魔法使い:1974年放映。毎週5分間だけ赤青眼鏡をかけると登場人物が飛び出してくる(ことになっていたがそれほどでもなかった)。日本製。かかし役にのっぽさんが出演。
 
 春夏秋冬 <地図と立体視> から