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<春夏秋冬>

発行日2022/10/10
平野いたみのクリニック  平野 勝介
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Web会議
 
 コロナパンデミック以来、学会や講演会などがWeb形式で行われるのが一般化してしまった。私のようなアナログ人間にはメールは出来てもラインやユーチューブなどの操作が分からず、タブレットも買ってはみたがさっぱり使わず妻の怒声を浴びながら1年後に解約した。実際の学会や理事会では、生来無口な私でもその場の雰囲気を汲みながらの発言は何とか可能だったが、Web会議ではその場の空気が読めず自分の考えを上手くまとめて発言できないことが判明した。ハイブリッド開催の会場には、何か発言しにくい雰囲気を感じてしまうし、Web講演会で演者を依頼されたときも渡された書類には進行台本と書いてあった。
 コロナ禍の最中、一大事が起きてしまった。私が理事を務めていた小さな学会での出来事である。40年以上前から参加している学会で初参加の時、遠慮しようとした懇親会を事務局長に「参加しなければダメだ」と言われて参加したが、そのおかげでいろいろな先生方の顔が分かり、以来、私はこの学会に育ててもらった。10年くらい前、理事会で翌年の学会長を決める際、複数の候補者が他学会開催と重なるなど、来年の学会開催が危うくなった時、開業医でありながら会長を引き受け、2度目の秋田で開催したこともあった。元気なうちは理事を務めるのは恩返しとまで考えていた。前年、コロナで学会をWebにするか否かで議論が起き、私は大反対し、幸いにWeb開催には消極的な理事が多数だったので学会は延期され、学会前日の理事会も開催されなかった。その時に理事、理事長の任期を放置したことが最大の問題なのだが、理事、理事長の任期切れと理事長の大学定年退官と重なり4月からの新体制を選ぶべく、3月に急遽Webで臨時の理事会が開かれた。十分な根回しでの理事会と考えて大人しく聞いていたが、次期理事長を決める段になり、一番相応しくない理事から立候補の意思が述べられた。会議の雰囲気が読めず、発言を躊躇っているうち、今度は今年の学会長は論文が少なく、その資格がないとの暴言まで飛び出した。収拾がつかなくなり私は一切の発言を出来ぬまま新理事選挙を郵送で行うとだけ決めて終わってしまった。終了直後にメーリングリストで理事の任期を秋に予定の学会まで延長して理事会のやり直しを主張したが、賛成意見は少なく取り上げられなかった。昨年からの学会延期で多大な労力を要したであろう学会長からメーリングリストで会長辞退の連絡があり、学会長を擁護できなかった私も潮時と考えて理事選挙を棄権し理事を辞職した。理事会がWebでなければ、もっと違った対応が可能だったと思う。
 2019年7月に熊本で開催された学会がコロナパンデミック前の最後に参加した学会である。「楽しかったなあ」との思いが募る学会である。
 
 春夏秋冬 <Web会議> から