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<春夏秋冬>

発行日2020/11/10
並木クリニック  並木 龍一
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次期アメリカ大統領は?
 
 今年はアメリカ大統領選挙の年で投開票日が11月3日ですから、この号が皆様のお手元に届く頃には通常ですと次期大統領が決まっています。現時点では民主党バイデン氏が現大統領トランプ氏を大きくリードしており勝利すると予想されています。しかし今回は極めて異例な選挙となり、おそらくまだ決まっていないと思いこのお題目としました。(10/27現在)
 皆様ご存じと思いますが、アメリカでは有権者が直接大統領を選ぶのではなく、選挙人が大統領を選ぶ間接選挙です。総数538人の選挙人の過半数270人を獲得した候補者が大統領に選出されます。前回の大統領選挙ではクリントン氏が一般投票では200万以上も上回っていましたが、選挙人獲得数で上回ったトランプ氏が選出されました。クリントン氏優位の大方の予想を激戦州でことごとく逆転し勝利しました。今回もその激戦州を制するため最後の隠し玉を持っているかもしれません。また期日前投票のひとつに郵便投票があります。郵便投票には署名が必要で、一枚ずつ開票し選挙人登録した際の署名と照合されます。
 今回の選挙は従来の共和党対民主党ではなく、事実上トランプ氏の信任投票という異例な構図です。お二人の演説集会、テレビ討論での論戦を聞いていると、お互いの政策などは全く見えてこずに、ただのお年寄りの罵り合いです。トランプ氏のTwitterでのネガティブキャンペーン、バイデン氏の冷静冷酷な嫌味も酷いです。この罵り合いを制した方が大統領となる構図も過去に例がありません。極めて異例なのはこれだけではなく、言うまでもなくコロナ禍の選挙だからです。投票日当日の混雑を避けるため期日前、郵便投票が急増しています。現時点で前回の全投票者数の2割を超え最終的に5割超に到達する可能性もあります。投票日に一般投票した数は判明しますが、そこから開票作業が開始される郵便投票には数週間が必要と言われています。
 現時点で一般投票ではトランプ氏、郵便投票ではバイデン氏が優勢とされています。開票日に予想される共和党「優勢」の機を捉え、トランプ氏は勝利宣言するのではないかと思います。しかしその後の郵便投票の結果バイデン氏が逆転した場合、トランプ氏が簡単に敗北宣言するとは思えません。郵便投票を不正の温床と決めつけ強権(狂犬?)を発動、最高裁人事を抑え法廷闘争に持ち込むでしょう。世界のリーダーを選ぶ選挙ですが、どちらが任命されても後味が悪く今後の世界情勢にも影響を与える結果となることが危惧されます。特に中国と北朝鮮への関係性が変わり日本に影響する可能性があります。安倍前総理はトランプ氏と蜜月の仲でしたが、おらほ・・・の菅義偉総理にはどちらにしてもソーシャルディスタンスを保って日米関係を構築してもらいたいと思います。
 
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