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<春夏秋冬>

発行日2020/01/10
秋田赤十字病院  下田 直威
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交通事故顛末記
 
  他に書くネタがないと言えばそれまでだが、昨春に体験した交通事故を風化させまいと思っており、この場を借りて記すことにします。
 それは5月4日みどりの日。自転車通勤している私は、その日は病院日直のためロードバイクで出勤中。宮田の交差点が青信号だったので進入したところ、左から脇見運転のため信号無視して交差点に進入した車に側面衝突されたのである。角は高い塀のため、こちらからは事前には見えず、「えっ何で」と思った瞬間に「ドンッ」と衝撃。気がつくと車のフロントの下になり、あわてて降りてきた運転者氏がギアを入れたままだったため、クリープ現象で動く車の前輪に左足を踏まれながら車のバンパーを叩いて「早くエンジン止めろー」と叫んでいた。衝突から停止まで15mほどだった。どうやらうまいことボンネットの上に乗っかり、停止とともに車の前に落ちたようだ。コンビニの前だったので、すぐに5-6人のヒトに取り囲まれ救急車が呼ばれた。強い衝撃後だったが自分としては打撲や擦過傷はあっても大きな外傷はないように思えた。救急車はすぐに来て収容され、希望の病院を問われたので、通勤途中の赤十字病院へ運んでもらった。骨折はなく、両膝、肘、踝等の打撲と擦過傷との診断であった。警察が来て事情聴取ののち、事件扱いとするかと問われた。事件にすれば現場検証に付き合わねばならないらしく、相手側も100%過失を認め謝罪していたので、補償さえしてくれればよしとした。日直をまっとうしようと夕方まで勤務していると、だんだんと内出血や腫れを伴って両足首の痛みが強くなり、歩くのも容易でない状態になった。どうやら両側の腓骨と距骨の間の靭帯が損傷したようであった(自己診断)。楽しみにしていた2週間後のサイクリングイベントはあきらめ、湿布とサポーターで完全に治るまでは結局2か月近く要したのである。
  怪我以外の損害としてはロードバイクのフレームがゆがんで交換が必要であった。これは自転車趣味の私が、通勤用にわざわざ地味な中古フレームをヤフオクで入手し、手持ちのパーツなどで組み上げたものだ。お値段いくらと問われても明確に答えられないが決して安価ではない。だが、相手の保険屋さんによれば自転車は購入2年で価値がなくなるとのことで、あやうくゼロにされそうなところを、何とか交渉して相応のフレームを弁償してもらった。
 さて、教訓は何か。日頃ヘルメットは欠かしたことがなかったことが幸いして頭部外傷は防げた。それなりにスピードの出る自転車なので装備は万全を期したい。青信号だからといって信じてはいけない。やはり前方だけでなく左右に警戒心をもたなければいけない。見渡しの悪い交差点ならなおさらだ。
  トラウマは残る。相手が大型車だったら即死だったかも知れないと思うと、ゾッとする気持ちは抑えきれない。落とし穴はどこにでもある。
 
 春夏秋冬 <交通事故顛末記> から