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<春夏秋冬>

発行日2016/10/10
市立秋田総合病院  市川 喜一
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前略~夏の終わり~
 
  いつ終わるのかとうんざりするような猛暑でしたが、やはりみちのく、一雨ごとに秋の気配を感じるようになりました。ギラつく炎天下に聳え立っていた入道雲はいつしかうろこ雲に主役を譲り、高く透き通った青空になりつつあります。都会のそちらはヒートアイランド現象などもあるから未だに猛暑でしょうね。そういえば、子供の頃よく見上げていた都会の空は、いつもくすんだ水色でした。福島から上京し、高村光太郎の恋人(後に妻)となった智恵子には「阿多多羅山の山の上に毎日出ている青い空がほんとうの空」でした。私も東北人となり、澄んだ青空が日常になりましたが、あなたの記憶に残る青空はどちらになるのでしょうか?
  ところで、最近あまり体調が優れないと風の便りで聞いています。日々の都合に自分の体をあわせて頑張れる期間は長くありません。無理を続けると心身ともに疲れ果ててしまいます。都会では、時の流れはものすごく早く、追いつくだけでも大変なのですから、余力のあるうちに一休みするのも大切ですよ。私も、若かりし頃は体力に任せて山ほどの「want to do」を実行できました。しかし、不惑の時を迎えた今(実際は惑ってばかりですが)体力は衰え、夜仕事の翌日などは座っているのも辛くなります。職場では中間管理職として専門以外の多彩な仕事・役割が増え続け、今や「have to do」に追い回される日々。時折、メタボな体と裏腹なやや細めの我が心が折れそうになります。そんな時私は、身体的な休息を取りつつ人生の先輩方が残した足跡に思いを馳せるようにしています。私たちの親世代が働き盛りの頃は高度経済成長期であり、今の私が想像できないような厳しい労働環境にありながら、社会を良くしようという強い使命感を持って懸命に仕事をされていた。黙々と働き続ける“大人”の背中を私は子供ながらに尊敬していた。その“大人”になった今、頑張る自らの背中を若者に見せることこそが私の「want to do」だ、と。漂泊していた我が心が、この終着点に到着すると、なぜか心身が燃え滾ってくるのです。先輩たちに出来て俺(ワタシでなく)に出来ぬわけがない!…失礼、少し熱くなってしまいました。これから次の世代の皆さんに自信をもって背中を見せられるよう、そして自らの「have to do」と「want to do」がequalになるように、もう少し頑張ってみます。これが「天命に従う」ということでしょうか。あれ?普通の手紙を書いていたはずなのに決意表明文みたいになってしまいましたね(苦笑)。
  これから秋が深まり寒暖の差が激しくなってくると、色々な感染症にかかりやすくなります。どうか体を大切にしてください。寒くなる頃にまた手紙を書きますね。ではまた。    草々
 
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