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<春夏秋冬>

発行日2013/07/10
御野場たなかレディースクリニック  田中 秀則
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スープの味
 
先日、秋田でもチェーンを展開しているラーメン店に行きました。お昼時のせいか、店内は、大変混んでいて、人気ぶりを示していました。私と家内が注文したのは、メニューの中でもっともオーソドックスな醤油ラーメンを注文しました。待つこと20分あまり、出てきたラーメンは、白濁していて、茶色の粉を振り掛けている感じでした。一口そのラーメンのスープを啜ってみると、あまりにも不思議な味で、となりの家内と目が合いました。「これって、何味?」と、目で話をしたのです。スープの味は、はじめに、ちょっと焦げた背油の味がして、その後に、魚介のスープの味がします。豚骨のような味もして、このラーメンが、どの種類に属するラーメンなのか、見当もつきませんでした。いわゆる醤油ラーメンでもないし、サッポロラーメンでもないし、博多ラーメンでもありません。いつも私が食べている煮干しだし味のラーメンとは、隔世の感がありました。

最近は、いろんな情報も、紙を媒介としたものとは、大きく異なるようになりました。インターネット、ツイッター、そして、Facebookなど、様々な情報発信手段が出現しました。これらはいかに迅速に、情報発信するのが、目的となっています。例を上げますと、とある研究会とか講演会に行くと、帰宅したころには、Facebookには、記事が出て、写真もアップされていて、さらに、コメントもあって、「いいね!」という賛同を示すフォローの表示も多くの方々から、示されるようになりましたが、それも、珍しいことではなくなりました。

 一方、秋田市医師会の「会報」は、長年続いた老舗のラーメン店のようだと思っています。先祖代々続いたスープを継ぎ足し、継ぎ足して、味を受け継いできました。味を守る人は代わっても、頑固だと言われても、作り続けてきました。味を例えて言うなら、元祖煮干しだし味のラーメンだと思っています。
 
 春夏秋冬 <スープの味> から