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<春夏秋冬>

発行日2013/04/10
並木クリニック  並木 龍一
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少子化時代 ~女の子の名前の変遷~
 
 産婦人科医として、秋田県の少子化率20年連続全国ワースト1を、今更嘆く訳ではありません。今回は、女の子の名前の変遷について書いてみようと思います。
 皆様もお気付きだと思いますが、随分前より「子」の付く女の子が滅多に、いや殆ど見かけなくなりました。某生命保険会社の調査によると、2012年の女の子の名前ベスト100に「子」の付く名前は3通りしかありませんでした。まさに「少子化時代」です。この会社が凄いのは100年以上前からの男女の名前ランキングを公表している事です。そのデータを見て気付いた点を挙げてみます。①大正10年から昭和32年までの37年間、名前ベスト10には全て「子」が付いている。②昭和2年から昭和27年までの25年間、ベスト1は「和子」である。(ちなみに私の母も和子です)③昭和61年よりベスト10から「子」が付く名前が消えた。つまり秋田県のように20年以上前から「少子化時代」は始まっていたのです。
 最近の傾向として、男女通じて字画数が多い事、いわゆる「当て字」が多い事が挙げられます。ふりがなを付けてないと、解らない名前が多いのです。若い夫婦は色々考え、その子に夢を託して名前を付けるのでしょう。賛否両論はあると思いますが、私は良き事だと思います。所がその名付けに対して、真っ向批判した某有名女性評論家がいました。(しかも新聞紙上で)その方は今の子供の名付け方を「暴走族万葉仮名」と評したのです。よく外壁等にスプレーでイタズラ書きされる「夜露死苦」(ヨロシク)と同じという内容でした。又、こうも言いました。有名大学に講義をしに行くと「子」が付く女子学生が多いが、底辺の大学(どこで線引きするの?)では読めない名前の学生が多いと。これには温厚な?私もキレまして、直接掲載をした新聞社の担当者に抗議をしました。一生懸命に考えた名前を、暴走族と同類にするのは如何なものか。昭和一桁生まれの母の学年は半分近くが、「和子」という名前だったのを如何説明するのか。女の子が生まれたら単純に「和子」にする風潮だったと推測する。(お袋ゴメン)
 前述したように賛否両論はあると思います。でも日常赤ちゃんが産れるのに立会い、産後一ヶ月健診にいらしたお母さんの母子手帳に記載されているお子さんの名前を見て、「良く考えたナー」、「読み辛いけど良い名前だナー」といつも私は思います。ご両親のお気持が伝わるからです。暴走族と一緒にするのは「ワイルドだろお」と思います。
 ちなみに私の娘はひらがな名。(女房も同じ)息子には私の「龍」ではなく子供の頃中々書けなかった経験からあえて「竜」にしました。でも最近は「龍」の方がトレンドらしく、少し嬉しく思いました。さて、我が子たちはどんな名前を付けるでしょう。いくら難しく読み辛くても、当然良い名前と思うでしょう。こんな事考える私は歳取った証ですね。
 
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