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<春夏秋冬>

発行日2013/03/10
秋田組合総合病院  木村 愛彦
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ラジオ
 
 通勤の行き帰り、あるいは日々の運転中にほとんどの場合はスピーカーから何らかの音が発せられていることと思う。好きな音楽を再生している人が多いと思うが、音声のテキストを流して勉強しているマジメな方もいるだろう。車内の一人だけの空間、歌を熱唱、カラオケの練習をしているのであろう人も時々見かける。
 自分の場合はほぼ100%ラジオだ。出勤も帰宅も、ニュースを聴いてからクラシック音楽番組に移る時間帯で好みにぴったり。ニュースは早いし、音楽も雑食系で何でも聴くのでチャンネルを途中で替えることも滅多にない。何しろ、新しい知識を吸収する気力がなくなりつつあるこのごろ、知らない情報が常に耳に入ってくることがありがたい。飲み会の帰りのタクシーの車中、質の悪いスピーカーからのどうでもいい内容のネバネバした感じの声も何とも味がある。
 車中はさておき、自宅の勉強部屋に音を発するものが登場したのは中3の頃、これがラジオとの出会いである。技術家庭の授業で作ったラジオ、電波と同調すると発光ダイオードが点灯するという画期的なものだった。完成後持ち帰り、以後オールナイトニッポンを毎日聴きながら寝入る習慣となった。
 愛すべきこのラジオが引退したのは大学生の時。大学祭の企画の「ウルトラクイズ」に友人と出場し優勝、ニューヨークには行けなかったが賞品はラジカセとウォークマンだった。友人はウォークマン、私は当然あこがれのラジカセをいただき、発光ダイオードラジオと代替わりしたのだ。丁度そのころFM秋田が開局し、80年代ポップスは全盛期、幅広くすばらしいステレオサウンドがわが部屋にもたらされた。ラジカセだからカセットテープも聞けたのだが当時のミュージックテープは非常に高価で、安く買えるのは演歌とナツメロだけだったので時々エアチェック(若者のみなさん、ラジオから録音することをエアチェックと言っていたのですよ)したテープを聞くくらいでラジオばかりつけていた。このラジカセも長いこと活躍した。受験勉強も大学での解剖学追試験の勉強もコイツら抜きには成し得なかった。
 最近では、子供も大人も皆、携帯音楽端末を持っていて好きな音だけダウンロードして聴ける便利な世の中になった。インターネットでも無数のチャンネルのラジオが高音質で聴けるが、チューニングダイヤルを少しづつ回し、ダイオードが光り音が流れてきた時の喜びは今も忘れない。
 それにしても、最近のラジオのニュースアナウンサーは全国、地方とを問わず、言い間違いが多く非常に聞きづらい。魅力的なラジオパーソナリティーも少なく残念に思っている。これが一番言いたかった。(木村 愛彦)
 
 春夏秋冬 <ラジオ> から