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<春夏秋冬>

発行日2013/01/10
お肌のクリニック  豊田 知子
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程よいイクメンのススメ
 

最近は育児に参加するお父さん『イクメン』が小さなお子さんを連れて外来にやってきます。10年ほど前まではフルタイムで共働きの家庭のお父さんが、診療終了時間ぎりぎりに駆け込んで来て、妻から預かったメモ紙を渡し、それに対してこちらが返事を書いてまたお父さんに渡すというパターンでした。最近は平日の普通の時間にスーツ姿のお父さんがおしゃれなマザーズバッグ(ダディーズバッグとでもいうのでしょうか?)を肩にかけお子さんを連れてきます。きっと時間休をとって来てくださっているのでしょう。しかも母親から頼まれた風ではなく、普段の子供の様子や症状の経過などiPhoneやiPadを使い、事細かにプレゼンテーションしてくださる方もいます。病気の原因・今後の経過・治療内容・治療の成功率・リスク・うまくいかなかった場合の代替治療など、なんだかビジネス的な切り口でいらっしゃるのでこちらも理論武装しなければなりません。20~30歳代をターゲットにした女性ファッション誌にもイクメンやイケダン(イケてる旦那)特集があり、さらにはイクメン専門雑誌なるものも発見しました!『世界が誇る最高のイクメン、ブラッドピット!』『超男前なベビーカー』などそういう形容詞がつくのかという驚きの見出しについ手を伸ばしてしまいます。子育てをカッコよく商業化して市場を掘り起こしている感がありますけどね。子育てってもっと泥臭いもののような気がするのですが、きれいにまとまりすぎていてちょっと不思議な感じです。でもどんなきっかけでも男性が育児に参加してくれることはとてもよいことです。妻が働いていても働いていなくでも多少の育児参加をしてもらい、妻の喜びや苦悩を共有してくれるだけでも本当に心強いものです。妻たちの精神衛生上、世の男性方にそうお願いしたいです。
数年前に年下の男性と2度目の結婚をした友人。ある分野の研究職の第一線で働いています。彼女の前夫は育児は女の仕事だからと一切任せきりだったため、彼女は仕事と家庭のことで疲れ果ててしまいそれが理由で破綻をきたしたそうです。今度は仕事と家庭を両立するのに理解のある男性と結婚したと自慢していたので、彼のイクメン話を聞きました。「子供をお風呂に入れるために飲み会にもいかず早く帰ってきたり、離乳食もオーガニックのみを使って手作りしたりして確かにいろいろやってくれるけど…」と暗い顔。「でもね、おむつの替え方とか肌の手入れの仕方とかいろいろ細かすぎてよく喧嘩するのよね。子供にブツブツが出来たとき離乳食の進め方の順番を守らないからだと叱られるし。協力してくれないのも腹立たしいけどあまり言われすぎてもね…。」イクメンの妻にも悩むところがあるようです。うちのpseudoイクメンぐらいがちょうどいいのかもしれません…。
 
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