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<春夏秋冬>

発行日2010/11/10
秋田組合総合病院  木村 愛彦
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テレビ新時代
 
 「まーだまだ先の話でしょ」とたかを括っていた地上・BSデジタル放送への完全移行がとうとう来年に迫ってしまった。自宅の3台のテレビのうち2台がおシャカになってしまうためどうしてくれようかと思案中である。
 思えば自分の中ではテレビ革命は3度ほどあった。
 最初は自宅にカラーテレビがやってきたことである。まだ小学生であったが、今だに記憶に鮮明なのは1972年の『浅間山荘事件』である。子供心にも恐ろしく、緊迫した実況が一日中放送されていた。特に人質救出の最終段階、『鉄球大作戦』のシーンは大人ってスゴイことを考えるものだと感心したものである。
 次はずうっと後になって大学生の頃。VHSビデオデッキの購入である。毎週、深夜にやっていた音楽番組やスキー番組を録画して何度も何度も観た。両親がともに住む実家であったため、あやしいビデオは観ることがで領きなかった。この頃から家にいろいろなリモコンが増え、行方知れずになりがちになってきたような気がする。
 3度目はNHKによるBS放送の開始。これが目下のところ一番大きい。大学を卒業して働き始め、自分の家庭を持つようになってまず行ったのが、大型テレビの購入とBS放送の導入で、お目当てはNBAの視聴である。当時は、マイケル・ジョーダンやマジック・ジョンソンの全盛期で、彼らのプレーを自宅で思う存分見るのが長年の夢であった。大分深夜の放送だったと思うが、帰宅後にビールを飲みながらテレビ観戦、というのが一日の最大の楽しみだった。
 当時は番組のラインナップもあまり多くなかったが、今なら時間のムダとしか思えない世界のどこやも知れぬ絶景がただただ音楽とともに流れていくだけ、といったよく言えばBGM的、本当はタダの時間合わせ的なものも多く、これも結構好きだった。その他、今でも再放送を期待するのが『ボブの絵画教室』である。木曜日の午後2時だったと思う。外来が終わり、売店で弁当買って医局で食っているときに必ずこれを見た。『ボブロス画法』というハケとナイフを巧みに使った油彩技法で、たった30分の間にまるでマジックのように素晴らしい風景画を完成させてしまう。決して絵画に造詣が深いわけではないが、その圧倒的なテクニックと作品の出来栄えには驚嘆させられた。時折見せるボブの優しい人柄も含め実に心温まる名番組だったと思う。
 さて、時代はいよいよ3Dテレビの実現に至った。映画で何度か経験してみたが、確かにその迫力、リアリティーは素晴らしい。しかしあの特殊メガネ、終わる頃にはどーにもこーにも鼻が痛くなってしょうがない。またメガネを2枚通した画像だと、本来の色の美しさがスポイルされる。まだまだ導入は考えていない。

 
 春夏秋冬 <テレビ新時代> から