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<春夏秋冬>

発行日2010/05/10
御所野ひかりクリニック  勝田 光明
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“CHANGE”“ECO” “YES WE CAN”
 
 編集員会の仕事は2年で終了する予定でしたが、今年も一員として参加することになりました。
 昨年は“CHANGE”“ECO”“YESWECAN”という言葉がはやりましたが、変革に関しては政治だけでなく、環境、生態系でも起こってきているのは事実です。
 2009年5月に新型インフルエンザが発生して、メキシコの出来事であんまり関心がなかった時期でした。秋田では梅雨明け宣言がなされないままに、秋が到来し、農家の方々が、蚊にさされ、大きく腫れたため受診しました。「40年農家やっているが、こんな強い蚊は初めてだ」と語っていたのが印象的でした。
 秋になり本格的な新型インフルエンザの日本襲来です。初めてのことで国としての対応も悲惨な感じでした。連日のように保健所、医師会、県からの印刷物が屈き、目を通す暇もなく、資料が積み重なって行きました。ニュース報道で現場の医師が初めて知る事実があったり、1週間もたたないうちに決まっていたことが覆されたり、そのような事が日常的に繰り返されました。しかしなんとか皆で力を合わせ乗り切りました。
 先日、山のような新型インフルエンザの資料を処分しました。国の方でも山のようにあまった輸入インフルエンザワクチンはどこに処分されたのでしょうか?すべて税金で賄われましたが、国民の健康を守るという観点からすると妥当だったのでしょうか?2010年3月末までに9900万人分を輸入する契約を結んでおり、費用は1126億円に上るようです。新型インフルエンザワクチンは有効期限が1年です。しかし、来季用ワクチンは新型と季節性を混合したものに統一される見通しで、在庫分の大半は期限切れとなる可能性があります。(毎日新聞2010年4月7日)新しい事態が生じたときに対応する柔軟な変革も要求されます。
 2010年2月に気温が20度を超える日があり、4月だというのに、41年ぶりに雪が舞っている天候が続いています。最近感じるのは、春なのに風邪の患者が非常に多いことです。10年ぶりに風邪ひいたとおっしゃる方もいるくらいです。
 気候の変化と微生物の生態系変化が関わっているのではないかと思います。一昨年に日本紅斑熱(ダニが原因)の北限が千葉から青森になりました。このように、微生物までが、急な気侯の変化に合わせて、住処や形を変えて変化しているのです。我々人間も“CHANGE”する必要があるのではないかと思います。もちろん全てではありませんが、その微生物の変化に原因を与えたのも人間です。
 インターネットが発達したこの時代に紙(新型インフルエンザ資料)の無駄遣いをしなくてもよい環境を整えていかなければいけません。“ECO”の実践が必須です。様々な変化に対応できる環境を整えることまさに“YES WE CAN”です。
 
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