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<春夏秋冬>

発行日2009/09/10
御所野ひかりクリニック  勝田光明
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2009年 夏・・・なし・・・
 
 今年の夏はなく、梅雨→秋となってしまいました。そのため、46年ぶりの皆既日食も見られず(次回は2035年9月2日)。7月終わりから8月の初めにかけて、毎年様々な流星群をボーと眺めて夏を満喫していましたが、今年はだめでした。期待の8月13日のペルセウス座流星群も雨のため見られず、夏生まれの自分にとっては悲しい限りです。
 今年の初め、日経新聞の科学面に「地球の気候当面『寒冷化』」という記事がありました。・最近約10年間に観測された地球の平均気温には上昇傾向が見られず、2008年の平均気温は21世紀に入ってから最低を記録した。・2007年のIPCC第4次評価報告書に掲載されている複数の気候モデルシミュレーション結果を平均したグラフでは、温室効果ガス濃度上昇にともないほぼ一貫して気温が上昇を続けることになっており、実際に観測された変化傾向とは異なっている。・シミュレーション結果と違う傾向が出現した原因としては、太平洋10年規模振動(PDO)と呼ばれる現象に代表されるような、気候システムに内在する自然変動による低温現象が有力視されている。・当面、地球の気温は寒冷化に向かう(あるいは横ばいになる)可能性があるが、その後は、(IPCCの長期的な見通しが正しければ)再び温暖化傾向が現れることになるだろう。IPCCに参加する研究者は、自然変動の発生時期を考慮に入れた近未来予測にも乗り出しているようです。
 IPCCとは気候変動に関する政府間パネル(Intergovemmental Panel on Climate Change)を示しています。
 自然現象と人為的影響の両方を慎重に考慮しなければならないということなのでしょう。このことは気候に関してばかりではなく、人体の疾病においても同様の現象を見ることがあります。慢性関節リウマチの患者さんが、「今年の梅雨は長くて関節が痛くて辛い。」しかし、炎症反応が強く出ているわけでもありません。本人もこの時期は毎年同じだから諦めているとのことです。また心筋梗塞や脳梗塞、脳出血の場合もなぜか、連続して患者さんが搬送して、その後急に来なくなるのを経験します。他の病院の先生に伺っても同様の回答でした。自然現象による気温、湿度、天気も疾患の危険因子の一部なのかもしれません。
 今年は静岡地震、岡山の豪雨など自然災害が多く発生しています。梅雨が終わり(夏がなく)、秋が到来します。いよいよ、新型インフルエンザとの決戦の時期が近づいています。ワクチン不足、タミフル耐性の出現、強毒性への変異、ブタインフルエンザに加えトリインフルエンザの出現の可能性など問題が山積しています。まだまだ準備不足の昨今です。気持ちの面でも長い長い冬がやってきそうです。自然災害が重ならないように願うばかりです。
 
 春夏秋冬 <2009年 夏・・・なし・・・> から