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<春夏秋冬>

発行日2009/03/10
すずき眼科  鈴木 明子
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己を知る
 
 秋田市医師会でも、遅まきながら自殺対策予防委員会が発足し、昨年4月から活動を始めています。眼科医である私が何の役に立てるのだろうとは思ったものの、心に深く突き刺さる出来事をきっかけに副担当理事として参加させて頂くことにしました。そんなことから最近、うつ病についての講演を聴く機会が多く、人を知るということの、己を知るということの難しさを痛感させられています。また、混乱を極める昨今の社会情勢の中、敵を知り、己を知ることの重要性もひしと感じます。
 もとが単純で、顔を見れば何を考えているかすぐ分かるといわれ、分かりやすいといわれる私ではありますが、他人が分かりやすいという程には、自分で自分を理解していません。そんな私が自分を知る一助にと、つい頼ってしまうのが、ご多分にもれず生年月日だったり、血液型だったりです。時には名前にも頼ったりします。ご存じのように私の名前は本当によくある名前なので患者さんでも結構同姓同名が多いのです。ドキドキして診察室に呼び入れてウキウキしたり、がっかりしたり。そして思うのは、子供に名前を付ける時あれやこれやと迷いに迷うけれど、姓名判断とは如何ほどのものなのか、ということです。子供の名前は愛情をもって付け、愛情を持って呼ぶのが良いようです。名前は自分を知る上で何の助けにもなりませんが、相手に対して親近感が湧くことは確かで他の患者さんよりちょっと力が入ったりします。
 誕生日が一緒というのも何故か同朋意識が生まれます。生年月日が揃うとなおさらです。私は昭和28年12月5日生まれなのですが、これが小林幸子と全く一緒です。彼女がデビューした小学生の頃にそれを知り、美空ひばりの再来といわれながらも中々ブレークしない彼女に蔭ながら頑張れ頑張れと声援を送っていました。そして、彼女との共通点を色々探してみるのです。私は、地味だし(ご意見もおありでしょうが)、歌は下手だし(これは異論のないところ)。そして思ったのです。幸せな結婚運のないところ。これです。彼女がこの先、幸せな結婚をすることがあったら私にもときっと…と、自分を知る一助にするどころか、どこまでも欲張りな私です。
 会報編集員会はいつも月初めなので12月5日が委員会のことも度々ありました。「今日、私の誕生日なの。小林幸子と一緒なんだ!」というと「小林幸子かあ。いいな~。僕は志村けんと同じなんだよ」と平野勝介先生がおっしゃいました。私の頭は平野先生と志村けんとの共通項を見出そうとフル回転。見つけた共通項ですか?内緒です。(もっとも、平野先生ご自身は志村けんを通して自分を見つけようなどとはこれっぽっちも思っていないことと思います)
 自分探しの旅はまだまだ続く私ですが、敵も知らず、己も知らない私は、一戦も大いに危うしです。
 
 春夏秋冬 <己を知る> から