トップ会長挨拶医師会事業計画活動内容医師会報地域包括ケア介護保険について月間行事予定医療を考える集い学校保健関連

<春夏秋冬>

発行日2008/12/10
中通総合病院  清澤 美乃
リストに戻る
信州紀行
 
 久しぶりに旅をしてきました。現状では病棟業務から解放されることは難しいので、学会に行っても会場とホテルの往復で即座に帰秋するという状況でした。ところが今年は実父が亡くなり、納骨などで信州に行く機会が重なりました。
 そうした中で、10月某日松本~穂高・安曇野への旅がかないました。両親とも松本出身なので、特急「あずさ」が松本に入ると幼い頃から休暇ごとに訪れていた懐かしい思いがよみがえってきます。今回は約20年ぶりで、駅前~街中の変貌は想像以上でしたが、その一角の昭和初期風の居酒屋は変わりなく存在していました。秋田市役所近くの食事処に貼ってあるのと同様の懐かしいポスターがあり、さらに焼酎は湯飲み茶碗で300円!また松本城は確かに黒鷺城であることを再確認しました。でも小さい頃感じた圧倒的な大きさはなく、むしろ街の中に静かに馴染んでいるような気がしました。松本人が誇るお城です。初日、美ヶ原温泉内の宿泊地は古民家風、ヒノキ風呂でゆったり。赤身の馬刺、新蕎麦、シャキシャキの野沢菜+地元産の赤ワイン、とても食べきれませんでした。
 翌日も秋晴れのなか穂高へ。ここでの目標は美術館めぐりです。最も、最初は大王わさび農場で、清冽な水からのマイナスイオンを感じながらワサビアイスクリームを楽しみました。そのあとは、碌山美術館、安曇野ちひろ美術館、安曇野アートヒルズミュージアムそして安曇野ジャンセン美術館・・・観光地とはいえ、こんな小さな町にこんなにたくさんの美術館があるのはとても羨ましい。どこも素晴らしい作品であふれていましたが、ずっと以前から憧れていたジャンセンに会えたのは最高でした。彼の描く繊細なライン、それにふさわしい微妙なやわらかさを重ねた色使い。少女も踊り子もピエロも、皆ジャンセン独特の世界の中で息づいていました。いつまでも見つめていたいと思いました。
 この日のホテルでは、穂高流フランス料理でしたが、ここでのサプライズは、Tour Haut-Caussan(オーコーサン)という私の好きなワインが置いてあったこと!数年前もう入手困難と聞き、数本保管しているのですが、ここで会えるとは・・・当然のごとく飲んだあとボトルをいただきました。(実はお気に入りのワインは空ボトルも飾っておくのは私の趣味なのです)翌日の朝の散歩では、出るぞといわれた野猿と対面、彼らは(松本平は松茸山が結構あるので)松茸の美味しいところだけをつまんでいくそうです。
 帰途は「あずさ」の中で当然ながら、おやき。茄子の鉄火と野沢の油妙めのおやきをビールと共に堪能しました。こんなことってなかなかできない。最高ですね。
 今回は全く個人的旅行雑感をつれづれなるままに書きました。でも、結局信州は良いところ、とお伝えします。
 
 春夏秋冬 <信州紀行> から