トップ会長挨拶医師会事業計画活動内容医師会報地域包括ケア介護保険について月間行事予定医療を考える集い学校保健関連

<春夏秋冬>

発行日2007/12/10
秋田組合総合病院  木村 愛彦
リストに戻る
私と吹奏楽
 
 最近、映画「スウィングガールズ」などの影響でしょうか、全国的に吹奏楽がちょっとしたブームになっていてNHK衛星放送でも週に1回くらい特集番組が組まれています。
 先日、全日本吹奏楽コンクールの全日程が終了、秋田県からは中学校、一般の部でそれぞれ一団体ずつが最高賞である金賞を受賞し、ひとまずはオフシーズンになりました。この全国大会は毎年、中学、高校の部は東京都の「普門館」という、日本最大級の音楽ホールで開催されます。普門館は、吹奏楽に係わるものにとってはまさに聖地、野球でいえば甲子園、テニスではウィンブルドン(ちょっとおおげさ)のようなもので、一度は黒い大理石の巨大なステージで演奏することを夢見るはずです。私も中学校、高校時代に吹奏楽部に所属しており、放課後の全てをラッパの練習に捧げていたため、いつかはこの檜舞台で演奏してみたいと願っていたものです。しかし、全国大会には、北海道、東北などの地区大会から3校しか選出されませんから、甲子園よりもはるかに狭き門でついにその夢は叶うことはありませんでした。当時あるいはその以前より、秋田県は「吹奏楽王国」と称され、全国でもトップレヴェルのバンドを数多く有しておりました。今でも当時の秋田吹奏楽少年たちで全国の指導的立場になり華々しく活躍している音楽家がたくさんいます。そのため秋田県大会を突破することが何よりも大変だったのです。
 医学部に入学後は「医者は体力が勝負!」ということで、音楽を捨てて運動部に入部し、以後吹奏楽の世界からは遠ざかっていました。ところが、長女、次女が続けて中学校に入学とともに吹奏楽部に入部しました。二人ともオヤジの影響を受けたわけではなく、入学式で聞いた行進曲が「カッコイイ~!」というのが理由だったようです。演奏を聴きにいくのが楽しみになり、再び昔を思い出してのめり込み出しました。おかげで、今では吹奏楽談義は親子のよきコミュニケーション手段となりました。CDを買い漁り、父母の会の飲み会といえばいそいそと出席、今年は地区大会から東北大会まで全てのコンクールに出かけ、審査結果の発表という超緊張のひとときを久々に経験しました。
 演奏会では時に、自分たちが何十年も昔にやった曲を演奏したりしていて、とても懐かしくジワっときたりしています。自分が果たせなかった夢の普門館での演奏を子供たちにはぜひ実現してほしいものと親バカはまだまだ続きます。
 
 春夏秋冬 <私と吹奏楽> から