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<春夏秋冬>

発行日2007/03/10
中通総合病院  清澤 美乃
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アロマテラピーのこと
 
 昨年、気管支炎+香水アレルギーによる、せき、セキ…で声もつぶれた時、ティートリー、ユーカリ、ペパーミントのアロマテラピーを試してみました。その香りのおかげでリラックスが得られ、症状は早期に回復しました。それが私にとってアロマテラピーとは?の始まりでした。
 まず、植物ホルモンといわれる精油を花びら、樹皮、果皮、葉の裏などから抽出します。つまり大地や太陽から植物が享受したパワーが精油といえます。
 この精油の歴史は10世紀頃アラブ人が錬金術の課程で偶然に水蒸気蒸留法を発見、十字軍の遠征でヨーロッパに広められました。16世紀には『新完全蒸留読本』が出版され、精油産業は全盛期を迎えました。ペスト流行期には精油の殺菌作用が認められたということです。
 さて、その香りはハーブ系、柑橘系、樹木類、エキゾチック系など7系統に分類され、50種類以上の種類があります。ローズマリー、グレープフルーツ、サンダルウッド(白檀)、モミやヒノキ、イランイランetc.…アロマテラピーではこれらの精油をブレンドすることで香りのイメージを高め、且つ効能に相乗効果をもたらします。そして芳香浴(香りを鼻から吸入して体内に取り入れる方法)、アロマバスやアロママッサージで楽しむのです。結果、ストレスが解消し、熟睡へ。また疲れ目、鼻詰まりや冷え性、むくみの改善、PMS等々の悩みが解決されるという訳です。その他、ダイエット効果やトキメキを感じたい時にもお勧めのようです。
 このアロマテラピーを当院ではこんな風に臨床の場に用いています。外科病棟では手術前日に好みのアロマオイルで足浴をします。柔らかな香りがわき上がってくるフットバスのバブルの中に、10分間ほど足をつけると緊張感がほぐれ、ゆっくり休めるようです。化学療法室では、アロマライト(電気スタンド式のアロマウォーマー)で室内にほのかな香りを漂わせています。空気が清浄化され、薬剤のにおいが緩和されるのではないかと思います。また薬剤によって生じるしびれには、自宅で足浴や半身浴などが出来るようにアロマオイルのサンプルを差し上げています。なかなか好評のようです。
 歴史上ではローマ皇帝ネロがバラに魅せられたとのことです。バラ水のお風呂(公衆浴場まで!)や、バラの香りのワインやバラの料理が作られ、天井からはたっぷりバラの花びらが振りまかれ、一晩で1700万円もかけた宴会を催したそうです。暗殺前までは羨ましい限りのバラ色の人生だったのですね。
 如何ですか?香りと植物の恵みを一杯受け止め、自分の心や体を癒してくれるアロマテラピーに目を向けてみませんか?
 
 春夏秋冬 <アロマテラピーのこと> から