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<ペンリレー>

発行日2003/01/10
遠山医院  遠山 潤
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いっか、きっと…
 
 最近、当院に来られている患者さんから吹奏楽のコンサートチケットをいただきました。土曜日の昼下がり、ちょうど時間がとれたので、久しぶりにコンサートに行くことにしました。コンサートホールというのは、ステージも客席もどことなく緊張感の漂うところで、私の手には楽器ではなくパンフレットしかないのに、少し汗ばんでいました。コンサートの幕があき、ステージをみると中学時代の後輩がトロンボーンを吹いて、昔と同じようにブラスの響きを聴かせてくれました。私も以前に吹いたことのある曲であったこともあり、一気に昔の思い出がよみがえってきました。「私も吹きたい!」と心から思わされました。私は、子供の頃からピアノをたたいたり、中学では吹奏楽でチューバを抱いたり、大学ではオーケストラでチェロをかかえたり(決して演奏といえるレベルではないため…)と、学生時代は音楽に触れることの多い生活でした。そうはいっても、小学校の頃はピアノを弾くよりは友達と野球をしたり、虫取りをする方が楽しくて30分とピアノの前に座っている子供ではありませんでした。ピアノは今でも自宅の居間にありますが、しっかりオブジェと化しており、ここ何十年埃をかぶったままです。中学生の頃は吹奏楽中心の生活で、楽しい思い出がいっぱいです。当時、秋田の吹奏楽のレベルは大変高く、有名校はすばらしい音楽を聴かせてくれました。私の中学校はそれなりのレベルでしたが、指導して下さった先生が温かい方で本当に楽しく楽器を吹かせて頂きました。吹奏楽では吹奏楽のためのオリジナル曲とクラシックを吹奏楽のためにアレンジした曲があるのですが、オリジナル曲の旋律と和音は最高です。たった12分間に思いをこめるコンクールでの演奏、マーチングという楽器を演奏しながら様々なフォーメーションをつくるドリル、更に「大いなる秋田」という秋田の名曲を年に2、3回は演奏する機会がありました。間違いなく、学業より吹奏楽の毎日でした。大学時代はオーケストラに入ったのですが、チェロに限らず、弦楽器は管楽器より難しかったです。年一回の定期演奏会がメインイベントでしたが、とても全曲弾きこなすなんてことは、できませんでした。ですから、その他大勢として目立たないように、迷惑をかけないように…でした。それでもベートーヴェンやブラームスのシンフォニー、プロのソリストと一緒にヴァイオリンやピアノコンチェルト、ボレロなどの名曲を演奏する輪の中に入れたというのは、今思うと貴重な時間だったと思います。大学卒業後は演奏することはもちろん、コンサートにいくこともほとんどなくなってしまいました。今回、懐かしいメロディーが遠い日の楽しい思い出をよみがえらせてくれたので、また何らかのかたちで音楽とふれあっていきたいと思います。私には、もうすぐ2才になる娘がいます。できることなら、彼女が楽器に興味をもって、家族で合奏できる日がくることを夢みてペンをおきます。
 次回は高校、大学で一緒だった細部泰雄先生に御願いします。
 
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