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<ペンリレー>

発行日2022/01/10
土崎レディースクリニック  松浦 亨
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どてら流し
 
 今回はいつも行っている船釣りの方法について書いてみたいと思います。船釣りの方法は大きく分けて船を固定して釣る方法と船を移動させて釣る方法に分かれます。
 船を固定させる方法は主にアンカーを投入し、魚がいるポイント上に長時間留まって釣ります。メリットはいいポイントに当たれば、たくさん釣れることですが、デメリットは釣れない場合は全然ダメで、アンカーの上げ下げに結構時間や労力を要すると言うことです。私も以前電気釣りで行っておりましたが、走錨(アンカーを入れたつもりでも効きが悪く、ゆっくりとアンカーを引きずりながら船が動いてしまうこと)した経験もあり、GPSを厳重に監視する必要があります。最近は夜間の航行に自信がないため、行っておりません。
 船を移動させながら釣る方法は主に2つあります。立て釣りとどてら流しです。船が移動する要因はエンジンなどの動力の影響を除けば、潮の流れと風の影響です。
 立て釣りはスパンカーという三角形の帆を船尾に広げて風を受け、船首を風上に向ける(船を立てると言います)方法です。その状態で微速前進にギヤを入れ、風の影響を打ち消します。そうしますと船は潮流の影響のみでゆっくりと流れることになります。通常この状態では釣り糸は船の直下に落ちていきます。主に深場の釣りに使われております。メリットはピンポイントで漁礁を攻めたい時や船の真下の魚群探知機の反応に対応出来ることです。また糸が直下に落ちる為、両舷に釣り人が居ても糸絡みが少なく、大人数での釣りが可能なことです。デメリットは糸が斜めに出ませんので、広範囲を探る事が出来ないこと、操船に集中しなければならない為、操船者が釣りにくいことです。
 どてら流しとは基本的に何もしない方法です。何もしないと船はその時の風と潮のベクトルの方向に流されていきます。船内機船(通常はジーゼルエンジンで船の真中に設置)では船は風を横に受けて流れます(片舷流しと言います)。船外機船(通常はガソリンエンジンで船尾に設置)では船尾に風を受けて流れますのでほぼ二人までしか釣りができませんが、最近の船外機船は改良されてきており、船内機船と同じく横に流れるように設計されているようです。秋田の遊漁船で多用されている方法です。メリットは糸が斜めに出ていく為、広範囲を探る事ができることと、仕掛けが船から離れる為、魚に警戒されにくいことです。また操船者も釣りができることもメリットです。デメリットはほぼ風上側の片舷でしか釣りができないことです。風下側の釣り人は船底に糸が入りますので、ものすごく釣りにくい状況になってしまいます。したがって大人数の釣りに向きません。
 私は現在主にどてら流しを行っております。風まかせ、潮まかせですので、大変やり易い釣り方なのですが、その時の風や潮の影響をまともに受けるので、釣果にばらつきが出ます。同じポイントで昨日は大漁だったのに、今日は全然ダメということがよくあります。風の向きと潮流の向きが真逆で、なおかつやや風の影響が強いと仕掛けが魚にアピールし易くなりベストだと思うのですが、なかなか条件が揃うことがありません。ただ斜めに糸を引くことが出来る為、魚が居る層を広範囲に釣ること事ができるため、最近行っている鯛ラバやジギングに向いていると思っております。浅場のどてら流しでは魚に警戒されないようにエンジンは切った方がいいという考え方もありますが、私はエンジンを切りません。それほど釣果に影響は無いと思われますし、一度エンジンを切ると掛からないことがないとも言えませんので、一旦出航したら帰港するまでエンジンは切らないようにしています。
 最近はフィッシングサポートリモコン(FSR)という自動でポイントを維持する装置が付いている船も出ておりますが、私の船が超アナログ船であり、また操船する私自身も超アナログ人間のため、未だに古典的な方法で釣りを行っております。
 次回は南々亭骨太師匠こと、すずきクリニックの鈴木裕之先生にお願いしました。
 
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