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<ペンリレー>

発行日2021/02/10
秋田県立循環器・脳脊髄センター  天水 宏和
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鹿児島のことを徒然なるままに
 
 秋田県立循環器・脳脊髄センターの循環器内科の天水宏和(あまみずひろかず)と申します。今回、ペンリレー執筆でご指名をいただきました。さて、何を書こうかと考えておりましたが、私のふるさとである鹿児島のことを書いてみようかと思います。生まれも育ちも鹿児島の、純粋培養の鹿児島県人です。ただ、私は19歳で鹿児島を離れており、数日帰省する以外では、15年以上鹿児島に帰っておりませんので、現在は違うかもしれません。もし現在と違っていたらご容赦の程を。
 鹿児島は薩摩半島と大隅半島、そして種子島や屋久島、奄美大島などの約600の島からできています。冬の平均気温は約8~10℃と、冬でも比較的温暖な気候の地です。秋田県からすれば、信じられないぐらい温暖な気候です。雪は数年に1回ぐらいしか降りません。降っても、午前中に溶けてなくなります。
 鹿児島といって真っ先に思いつくのは、やはり桜島でしょうか。例年数百回から1000回近く噴火しています。なんてはた迷惑な奴だ…噴火すると灰が降ってきますが、どの地域に灰が降るかは風向き次第です。そのため、毎日夜7時ごろに翌日の桜島上空の風の方向が放送されています。(現在も放送されているのかなぁ?) ロシアンルーレットです。運悪くロシアンルーレットに当たって、火山灰が降ると車のフロントガラスに火山灰が積もります。この時にワイパーを動かすと、火山灰がフロントガラスを傷つけますので、ワイパーを動かさない方が良いです。動かしてはいけません。絶対的禁忌です。コイン洗車機も同様の理由でおすすめできません。相対的禁忌です。ホースの水で勢いよく流してください。私が小さい時には、とにかく水で洗い流すのだよと言われていました。しかし調べてみたら、現在はブロワーで可能な限り吹き飛ばしてから洗い流した方が良いそうです。車の洗い方ひとつとってもいろいろと変わっているのですね。
 火山灰が降ると、車だけでなく、当然家にも火山灰は降り積もります。その様な時にはどうすると思いますか?側溝に流す。それも一つの手だとは思いますが、実は火山灰を袋に詰めて、ごみとして捨てます。その袋は克灰袋(こくはいぶくろ)というそうです。名称は今回調べてみて初めて知りました。「灰に打ち克つ!」という意味だそうです。火山灰にやられっぱなしのような気がするのは気のせいでしょうか…街中を見ると、黄色い袋に土のようなものを詰めて積み上げられていますが、あれは土ではなく、火山灰をごみとして集積所(降灰指定置き場)に積んで捨てています。鹿児島にお越しの際には是非道路わきに積まれている黄色い袋を探してみてください。あれは火山灰ですので。(今も袋は黄色いのかな??) 最終的に克灰袋は埋め立て処分されているそうです。
 家、車に積もる火山灰は、当然ながら道路にも積もります。道路に積もった火山灰はロードスイーパーという車が火山灰を取り除いてくれます。秋田でいうところの除雪車をイメージしてもらうとわかりやすいでしょうか。ただ、歩行者としては、火山灰を巻き上げているようにしか見えず、正直なところ、メ〇ワクな車としか思えません。ネットで調べてみたら火山灰を掃きながら吸い込んでいるそうです。掃いて撒き散らしているだけじゃないかという気がしますが…。
 このように鹿児島の生活は、火山灰との戦いです。しかし、火山灰さえ攻略できれば、鹿児島の生活は快適なものかと思います。とにかく食事がおいしいです。例えば、鶏のお刺身;鳥刺しがあります。鹿児島を離れて驚きましたが、鳥刺しは鹿児島だけのもののようです。魚のお刺身とは比較にならないぐらいに、プリプリ・コリコリとした触感です。鶏の刺身を食べる習慣のない東北地方の方々にとっては、鳥刺しを最初に食べるときは、おそらくかなりの勇気が必要かもしれません。しかし!鹿児島にお越しの際には是非召し上がってください。19年間、鹿児島で生活していて、鳥刺しで食中毒を起こしたことは私はありませんでした。運が良いだけなのかもしれませんが、私の周りにも鳥刺しで食中毒になった人は見たことがありません。理由はよくわかりませんが、鶏も芋焼酎とか飲んでアルコール消毒しているのでしょうか?そんなわけないか…とにかく、鹿児島にいらした際には、一度勇気をもって鳥刺しを召し上がってみてください。きっとはまると思います。
 他にもつけあげと呼ばれる揚げ物料理があります。他県の皆様はさつま揚げという呼び方の方が聞き覚えがあるかもしれません。私の地元(志布志という陸の孤島です)では「ちけあげ」と呼んでいました。調べたところ、島津斉彬公が保存性の高い揚げ物料理を考案させたことが起源だそうです。だが、しかし!保存食ではなく、是非揚げたてを召し上がってください。一番おいしいのは揚げたてです。
 他にも黒毛和牛、黒豚、ウナギなど、いろいろあります。ウナギは全国の養殖ウナギの4割を占めており、鹿児島が一番の産地です。令和元年は年間7000トンの生産量だそうです。2位の愛知県は4300トンだそうです。鹿児島こそが一番の産地なのです!K・A・G・O・S・H・I・M・A is No.1!とあるホームページではストレスなく、良い環境で育てられている為に良質なウナギが育つと書かれていました。別のホームページでウナギの養殖の写真を見ましたが、すごい密な環境です。あれだけの密でストレスがないってすごいなぁと思いますが、鹿児島のウナギはストレスなく育っているそうです。私は魚じゃないから、その辺の感覚はわかりませんが、まぁ、ストレスがあってもなくても、おいしいから良いですよね。本当においしいです。ちなみにふるさと納税でもウナギは取り扱っています。もしご興味があれば、是非ふるさと納税で鹿児島のウナギをご賞味ください。節税対策にもなり、舌もご満足いただけるのではないかと思います。鹿児島へのふるさと納税、ウナギを是非頭の片隅に留めおきください。(鹿児島へのふるさと納税をアピールしていますが、当たり前ですが、1円ももらっていません。勝手に宣伝しているだけです。)
(いろいろ書きましたが、私の一番のおすすめは鳥刺しです。)
 学会などで鹿児島にお越しの際には、是非色々な美味しいものをご賞味ください。台風にさえ当たらなければ、きっと楽しめるかと思います。今回はこれぐらいにしまして、次回のペンリレーは秋田県立循環器・脳脊髄センターの山﨑大輔先生にお願いしたいと思います。
 
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