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<ペンリレー>

発行日2019/05/10
秋田厚生医療センター  齊藤 崇
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「乾杯」がらみの話
 
  突然、粟﨑先生からバトンが回ってきました。レジデントキャンプなど臨床研修関係の仕事を長らく一緒にやってきたので、気安く引き受けましたが、これは研修とも普段の仕事とも全く関係のない話を書くコーナーなんですね、趣味らしい趣味もなく・・・無くは無いんだけども狭い上に深くあまり拡がらない好みの持ち主なので困ってしまいます・・・前にいくつか医師会報に書いたものを見てみると音楽ネタと食い物ネタだけでした。

  今日、県庁の社会福祉協議会身障部会に出席して、いつもお隣になる中通総合病院の草彅先生から、会議が始まるまでの空き時間、先生はボヘミアンラプソディーを何回観ましたかと訊かれました。先生は好きそうだからきっと何回も行ったんでしょうとおっしゃるのですが、実は1回も行っていないのです。クイーンは1973年デビュー、丁度私が大学に入った頃で、第一期黄金期なるものが1979年までらしいので大学卒業の年なんですけどね。別に嫌いというわけではなくいいと思うところもあるし、拒否する訳でもないのですが、正直、当時私の興味の外にありました。オジイサンになったのに、未だにSimple & Straight Rock’n Roll とか、ブルース、「少年パンク」という感じに心惹かれます・・・マズい、この流れで行くとまた早川義夫に行ってしまう・・・のでやめて、今思いついた「乾杯」の話に移ります。

  「研修」担当の仕事をしていると医学生や研修医達と飲む機会がやたらあるわけですが、長いことやっていると大分前から乾杯の様子が変わってきているのに気付きます。我々の世代は「とりあえずビール」派で、それこそ席について「お飲み物は?」となると「焼酎派」であっても「冷酒派」であっても一杯目は迎合してビール、後は追々という作法があるわけですが、最近だとそれこそ一杯目からみんなバラバラです。ビールでも銘柄が複数あると指定する面倒くさいヤツもいるし、当然ノンアルのヤツもいる。レモン酎ハイ、ウーロンハイ、角ハイと遠慮の無いことこの上なく、カシスオレンジなんて子もいる、というわけで10人以上いると全部揃うのに20分はかかります。昔はオイオイと怒るオジイサンもいましたが、今のおじさんは怒らず黙ってこっそりビールを飲んで待っていて皆に飲み物が揃った頃には2杯目を頼む羽目になります。最近は県の乾杯条例のおかげで乾杯は日本酒でということも多くなりましたが、業界にいる友人に聞いたらこれは秋田県が最初では無くて、都道府県の乾杯条例としては佐賀、鹿児島などに次いで7番目だそうです。佐賀は秋田と同じ日本酒だけ、さすがの鹿児島は当然のように焼酎のみ、それ以外の県は県産であれば日本酒でもビールでもワインでもいいんだそうです。

 「乾杯」といえばもう一つ、研修医のための催し等で他県にお呼ばれすることが時々あるのですが、そこで気付いたことは「練習」がないことです。先生だけじゃないの?と揶揄されたりもするのですが、私の知ってる秋田の宴席では結婚式などのフォーマルなものはもちろん違いますが、概ね、来た順に、まあ2,3人も集まれば「練習」が始まり、飲みながら皆が揃うのを待っているという『文化』(と思っている)がある訳ですが、他の県ではどうも違うことに気付いたわけです。確認しましたが、東京でも新潟でも福井でもなくて、京都、大阪、沖縄、お隣の青森、岩手、山形でもないそうです。大発見だと思ってたら「フライング乾杯」、「リハーサル」、業界によっては「ゲネプロ(稽古)」、「チューニング」、「シートノック」、「プローベ」とかいろいろあるらしいことも知り、どうも秋田では職種、職場の如何にかかわらず大昔からのことらしいことを最近知りました。乾杯と○○は「練習」が一番おいしいといったのははたして誰だったか・・・忘れてしまった・・・。

  研修といえば、秋田県臨床研修協議会主催の恒例行事「指導医ワークショップ」や1年目の初期研修医を全員集めて行う泊まりがけカンヅメ研修である「レジデントキャンプ」では各病院が地元の自慢の銘酒を持ち寄る習慣があります。最盛期は数十本ステージ脇の特設コーナーに並び、実に壮観で各病院の意気込みが表れているような気がしました。H16年当時、第1回の指導医ワークショップの時、由利組合総合病院の橋本正治副院長の呼びかけで始まったと記憶していますが(我々は「命の水」プロジェクトと呼んでます)、これも秋田ならではのもので、他県からのゲスト講師達が一様にギョッとした顔をします。同様な催しは全国各地でも行われており、時々応援に行ったりしますが、よそでは宴会場のバーコーナーに1、2本お酒が立っている程度です。要するに秋田県人は本当に酒が好きなんですね。

 次のバトンは以前からずっと秋田県の臨床研修関係のお仕事を一緒にやってきていて、この4月本荘から我々の病院に転任となったばかりの柴田聡先生にお願いします。
 
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