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<ペンリレー>

発行日2019/04/10
いなば御所野乳腺クリニック  稲葉 亨
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ミヤマクワガタ
 
  この度ペンリレーの執筆について、なべしま眼科クリニック 鍋島隆司先生より拝命致しました、いなば御所野乳腺クリニック 稲葉亨と申します。2017年9月に開業しました当院の主な診療対象は乳腺疾患でありますが、乳がん検診から診断、乳腺良性腫瘍の治療・追跡、自院での化学療法を含めた薬物療法・他院での手術といった乳癌治療、化学療法に伴う脱毛に対するウィッグや乳癌術後の補正下着の相談・対応まで、乳房のトータルケアを目標に診療を行っております。お困りの患者さんがおりましたら迅速に対応致しますので宜しく御願い致します。
  鍋島先生は高校、大学の先輩であり日頃から大変御世話になっております。この場をお借りし感謝致します。ペンリレーの内容について、「何でもよい」とのお話がありましたので、ミヤマクワガタの飼育について書きます。
 2013年春、生まれ故郷の秋田市に戻り、2014年夏、知人からカブトムシを譲り受ける機会がありました。長男が「絶対飼う!」と意気込みましたので、あくまで私は「手伝う」スタンスで小学生時以来久しぶりに昆虫飼育にトライすることとなり、1期目40匹、2期目50匹の成虫を羽化させました。結局ほとんど私が管理を行いましたが・・・。さすがに多過ぎて飼育も大変でしたので幼虫、成虫を知人に譲り受けてもらいながら飼育しておりました。昆虫飼育に対してある程度の基礎固め(?)ができた2017年の夏、家族旅行で北海道を訪れました。富良野ラベンダー畑を歩いていた際、足元の一匹のクワガタのメスらしき昆虫が目に入りました。しかし、種類の区別が全く分からなかったのでそのまま放置しようかと考えましたが、またもや長男の「絶対連れて帰る!」の鶴の一声でコンビニ袋に入れてとりあえず連れて帰ることに。その日は富良野から札幌に移動し1泊の予定でしたので、web 検索し札幌市内の某店に突撃。その店主曰く「これはミヤマクワガタのメスですね」とのこと。さて、ミヤマクワガタとは?名前とオスの特徴的な風貌は何となく記憶にある程度。店内の実物を拝見させて頂いて、正直初めて実物を拝見。Wikipedia によると、頭部に冠状の突起「(頭部) 耳状突起」を有する、と記載があり、「ああ、あの特徴的な頭の突起のことか!」と年甲斐なく興奮してしまいました。店主より、ミヤマクワガタは暑い環境では生きられず、飼育がかなり難しい(「ミヤマ」とは「深山」と書くと後日判明) 、と。果たして自分達に飼育が出来るのか?と迷いが生じました。「どちらから?」と店主。「秋田から旅行で来ています」と返すと「ああ、そしたら秋田でクワガタ専門で店をやってる自分の友人がいるので行ってみてください。連絡しておきますので」。とりあえずやってみるか!の流れになり、富良野で拾ったメス1匹の他、オス2匹とメス1匹を購入し計2ペアとして飼育することとなりました。新聞紙を巻いた冷凍ペットボトルを入れて低温状態にした発砲スチロールの箱に1匹ずつ入ったプラスチックケース4個を入れ、秋田に戻りました。その後市内牛島にある専門店「○ルズ」に伺い、飼育のイロハを御教授頂きました。やはり温度管理が肝要とのことで、夏場は特に温度管理が大変で、多くの人がそれで失敗する、と。店内はエアコンで1年中24時間温度管理をしているとのことですが、一般家庭では電気料金を考慮すると、まず不可能です。よって大きな発砲スチロールの箱を用意し、冷凍ペットボトルを置いて温度を下げる方法を選択しました。またミヤマクワガタは成虫になるまでに概ね2年要する、と。「2年も毎日ペットボトル交換やんのかよ、おい・・・」と絶句しましたが、店主曰く「冬は気温が下がるのでやらなくていいですよ、夏だけね」と救いの言葉を頂きました。飼育ケースについては、中央に木の切り株を設置し約8割マットを充填した大きな飼育ケースに1日、長くても2日までオスとメスを一緒にしその後は別々にする、その後1-2ヵ月放置しその後卵、幼虫を回収する旨を御教授頂きました。いずれ20-22℃を維持する必要があり、毎日冷凍ペットボトルの交換を続け、10月某日新聞紙の上にマットを広げてみると計31匹の幼虫が誕生しておりました。幼虫1匹ずつ飼育するのが常套手段のようで、収集しておいたセブンイレブンの使用済み100円コーヒーカップに1匹ずつ入れ飼育を始めました。徹底した温度管理、1-2ヵ月毎のマット交換と霧吹きによるマットの湿潤維持を継続し、順調に育っております。予定では今夏に羽化する予定で、今から楽しみでなりません。先日数カ月ぶりにマット交換を行いましたが、1匹が天に召されておりました。残りの30匹は、是が非でも羽化させたいと思っております。
  次回は高校の同級生で、時々御一緒させて頂いております市立秋田総合病院消化器内科 辻 剛俊 先生にお願いしました。
 
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