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<ペンリレー>

発行日2019/02/10
なべしま眼科クリニック  鍋島 隆司
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マグロとGT
 
 私の趣味の一つに釣りがあります。好きな釣り方はルアー釣りです。
  最も釣りたいと考えている魚(人生の目標:夢)は100kg overの黒マグロと50kg over の浪人アジ(ジャイアント・トレバリー:GT)です。
  黒マグロといえば大間のマグロが有名だと思います。マグロは回遊魚ですので常に大間近くの津軽海峡にいるわけではありません。対馬暖流に乗って日本海を北上し大間に到達するのです。従って対馬暖流が秋田沖を還流していることから黒マグロは秋田沖も回遊しています。黒マグロの釣果として有名なのは俳優の松方弘樹さんが山口県見島近海においてトローリングで釣りあげた2匹の300kg over の「松方マグロ」があります。築地市場において高値で取引されたことを記憶されている先生もいらっしゃると思います。このマグロも対馬暖流に乗って見島近海を回遊中に松方さんのルアーに食いつき釣り上げられたわけです。秋田県では、飛島近海(黒マグロの産卵海域の一つと推測されている)、入道崎沖、能代沖、秋田県と青森県の境界沖の久六島近海がマグロのポイントとして有名です。私は岩手県の大学病院勤務の時代からマグロを釣りたくて釣行しています。マグロの群れが捕食するシーンは強烈です。海面が突如として巨大な洗濯機の渦のごとく白波が立ち、海鳥の大群が上空から海面に突き刺さり、冷蔵庫のような大きさの黒マグロが全身をあらわにして水面から飛び出しイワシなどの小魚を捕食します。その場面に出くわすこと自体が非常にまれですが私は何度かその場面に遭遇し渦の中にルアーを投げ入れたことがあります。しかしながら未だマグロを釣り上げたことはおろか私のルアーをマグロが捕食したこともありません。マグロはどんなルアーでも釣れるわけではありません。そのときに捕食している小魚などのエサと大きさや形、色などが一致したルアーでなければ捕食してくれないのです。釣り業界ではマッチザベイトといわれる現象です。このように20年近く黒マグロを追い求めていますが夢は夢のままです。
  一方、もう一つの夢である浪人アジ:GTですが、アジ科では最も大きく成長する魚で最大では150cm、60kgにもなり世界最大では80kg over もキャッチされています。皆さんはアジといえば塩焼きや干物で食べる20cm 程度の魚をイメージされると思いますがGTは違います。魚の中でも引きが最も強く釣り上げるには釣り人の強靭な肉体が必要です。魚と人間の真剣勝負となります。GTは暖かい海域に生息し日本では奄美大島や種子島以南です。日本の釣り場として有名なのは奄美大島と沖縄です。世界に目を移しますとモルディブ、バリ島やコモド島(インドネシア)、グレートバリアリーフやクリスマス島(オーストラリア)、パプアニューギニア、ホルムズ海峡(オマーン)、フィジー、パラオ、アンダマン(インド、先日アメリカ人の宣教師が原住民に殺されたニュースがありました)、ザンジバル(タンザニア)などが有名な釣りポイントです。GT釣りは世界的にも人気があり、ヨーロッパやシンガポールなどの釣り人も訪れます。GT釣りのチャーター船は世界の釣り人と予約の競争となり、長期の休みが取得可能であり豊富な資金を持つ海外のセレブな釣り人との予約合戦は熾烈を極めます。そのうちで我々日本人が比較的予約を入れやすい環境にあるのがモルディブとコモド島とパラオです。日本人がオーナーの釣り船をチャーター可能だからです。私はモルディブには6回(1回は家族旅行ですが)、コモド島に3回、パラオに1回ほど釣りに行きました。いままで私が釣り上げた最大のGTはモルディブで釣った28.5kg のGTです。この魚は眼科医会報にも掲載していただきましたし、当院の待合室に写真の魚拓として展示しておりますのでご興味がおありの先生は見にいらしてください。
 次に大きな魚はコモド島で釣った25kgのGT(写真)です。コモド島はインドネシアの国立公園として保護されている島でコモドドラゴンが生息しています。隣のリンチャ島にも生息しています。コモド島は海岸線が非常に荒々しくビーチはごくわずかですがピンクサンドビーチという珍しいビーチもある美しい島です。GTは崖の下や岩礁、暗礁の周りに生息しており、周辺の海域は潮が速く激流でまるで渓流のように潮がぶっ飛んで流れています。コモドドラゴンで有名なコモド島ですが日本人の観光客はめったに来ることがなかった島です。以前に「世界の果てまでイッテQ!」というテレビ番組でイモトアヤコさんというテレビタレントが島を訪れ、コモドドラゴンと競走したことで日本でも一躍有名になり訪れる日本人が急増したそうです。イモトアヤコさんは現地でも有名で大変感謝されておりました。コモド島には漁民の集落しかなく、観光客はスピードボートで1時間ほど離れた隣の島のラブハンバジョという町に宿泊することになります。ここまでバリ島から飛行機で3時間半ほどかかります。この島に日本人は一人だけ住んでいます。観光ガイドの丸山さんという方で、いつも釣り船のチャーターでお世話になっており、我々が滞在している間は毎晩ご飯を一緒に食べておりますし、釣り船にもたびたび同乗してくれます。この方が昨年「世界の村で発見!こんなところに日本人」というテレビ番組で紹介されました。われわれは10年くらい前から実情を知っておりますので、あの番組は構成にかなり大げさな演出がなされていることがよくわかりました。
  我々の釣りの状況が「YouTube」にアップされておりますのでご興味がおありの方はご覧になってください。また、GTを釣ってみたい!と思われた方はご連絡をお待ちしております。
  未だ達成されていないマグロとGTの夢に向かって日々の診療と家族サービスを頑張り、夢に挑戦するため年に一度の遠征をしている釣り人生です。
 次のペンリレーは大学の後輩で「いなば御所野乳腺クリニック」院長の稲葉亨先生にお願いしております。
 
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