トップ会長挨拶医師会事業計画活動内容医師会報地域包括ケア介護保険について月間行事予定医療を考える集い学校保健関連

<ペンリレー>

発行日2018/07/10
秋田厚生医療センター  山本 翔子
リストに戻る
はじめてのおつかい
 
  みなさんは「はじめてのおつかい」という番組をご存知でしょうか。日本テレビ系で1991年から年に数回放送される特番で、最近では成人の日と海の日の年2回がお決まりとなっています。
  私は物心ついた頃からこの番組が大好きで、特に自分に子どもができてからは毎回欠かさず録画し、何度も見返しては感動の涙を流してきました。いつか我が子にもこんな風におつかいをさせる日がくるのだろうか・・・どんなタイミングで、どんなおつかいをさせようか・・・。でも、物騒な事件もあるし・・・。近頃では録画を見る度にシュミレーションを楽しむものの、まだきっかけがつかめずにいました。
  しかし、その日は突然やってきました。5月の土曜日、我が家の次男(2歳)は39度の熱が出て普段より早くお昼寝モードに。寝室に連れて行って寝かしつけていると、玄関で何やらこそこそ動く気配が・・・。確認すると、それは5歳の長男で、最近貯め始めたお小遣い(バケツ型の粘土の空箱に10円玉中心にジャラジャラ入ったもの)を持ってこっそりおやつを買いに行く気でいるのでした。目的地は直線距離にして100mほどのドラッグストアで、自宅マンションの窓から観察できる範囲であり、今日は次男は連れて行けないし・・・ええい!やってみろ!!ということで、鍵と財布(千円札1枚入り)、困ったときに人に渡すメモ(この子の名前は〇〇です。迷子になっていたら090-・・・へ連絡してください。)を持たせて、「弟が食べるゼリーを買ってきて」とお願いして送り出しました。
  さあ、いざ見送ってしまうと残された母は居ても立っても居られず、次男にジャンパーを着せてベランダから長男を観察・・・と思ったのに、果たしてどこにも彼の姿が見当たらずアタフタ(汗)。もしかしてマンションの玄関ドアが重たくて開かないのか?と、急に子犬をおつかいにやったような想像をして、部屋着から着替え、高熱の次男を抱いて玄関先まで探しに行くも見つかる訳もなく・・・。自宅に戻り「あと5分して見つからなければ、本格的に捜索だ。」と意気込んでいると、程なくしてドラッグストアからの道を駆けてくる長男の姿が!小躍りして喜ぶ母に抱かれ、次男の眠気は消え去り、息を弾ませ帰ってきた長男は得意になって弟にゼリーをあげていました。
  結局、兄は当初の目的であった自分のおやつは買わず、弟のためのゼリーというお題のみ完遂。それならお駄賃をあげねばと思ったら、例のバケツにちゃっかり釣銭約850円をしまい込んでいました。(750円は母が回収しました。)また、大喜びで記念のゼリーを食べた弟は、その30分後に咳きこみ嘔吐し、全てを亡きものにしたのでした。
  今回のおつかいで、長男は随分自信をつけたようです。私も彼の成長を実感し、とても嬉しかったです。とはいえ、それから早1ヶ月が経ちますが、まだ2回目のおつかいはさせていません。初回は勢いで送り出してしまったものの、やっぱり次回は夫にこっそり尾行してもらおうかなーと考えています。
  みなさんはご自身の・お子さんのはじめてのおつかい、覚えていらっしゃいますか。

  さて次は、感染管理のことから雑談までいつも優しくお話に付き合ってくださる、当院血液内科の北林淳先生にお願いしました。よろしくお願いいたします。
 
 ペンリレー <はじめてのおつかい> から