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<ペンリレー>

発行日2018/05/10
市立秋田総合病院  柏倉 剛
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今日飛ぼうか
 
  いつの頃からか、飛行機に乗るのが好きになりました。浪人後に大学受験のために南の島に飛んだのが、初めての飛行機だったのですが、大学に合格し秋田に来てからは、実家が栃木ということもあり、専ら新幹線を利用していました。最近、飛行機に乗ることが増えたきっかけは、駐車場の利便性、時間短縮、チケット変更の容易さからだろうと思います。
  なぜ好きかというと、機窓からの景色を眺めるのが好きだからです。ドアクローズして飛行機が動きはじめ、滑走路に移動しはじめるあたりからワクワクしてきます。飛行機はバックできないので、トーイングカーという車に押されて滑走路に向かいます。滑走路には大きな数字が書いてあります。航空業界では、東西南北の方角を数字で表記します。方角を360°の円と考え真北が0(360)で表記は36となり、真東が90°で表記は09となり、真南は同様に180 °(18)となります。秋田空港の場合は西側が10、東側が28と書かれています。季節や風向きにより飛び立つ方向が変わります。離陸後はどんどん高度を上げていきます。皆さんが一番利用するであろう羽田便の場合、離陸から約10分間、高度をあげていきます。約10000メートル上空に到達すると高度を維持し、シートベルトサインが消えることになります。離陸直後は空港周辺の雄物川や海、山々などを楽しみます。普段は曇天の多い秋田ですが、雲の上にはきれいな青空が広がってきます。そのまま高度を維持するのは10分くらいで、その後、緩やかに羽田に向けて降下していきます。進行方向にむかって右(A側)の窓からは仙台市内、仙台空港、霞ヶ浦や成田空港が見えますし、左(K側)の席からは鳥海山や猪苗代湖を楽しむことができます。
  羽田空港にはAからDまで4つの滑走路があります。多くの場合、秋田便が到着するのはC滑走路です。これは方向から言うと34から16方向(南東から北西方向)に位置しております。この滑走路への着陸がとても好きです。なぜなら秋田と違い羽田周辺は天気がいいことが多く、都内の高層ビル群やスカイツリー、横浜など色々なものを見ることができます。最近ハマっているのは富士山を見ることです。かなり天気が良くないと難しいのですが、飛行機が東京湾をかすめて房総半島に向かう際にはK側の席から眺めることができます。また、房総半島上で滑走路に向けて方向を変えた際にはA側の席からみることができます。こちらのほうが当然大きく見えるので、天気のいい日にはこちら側がオススメです。A側の席での利点はもうひとつあります。並行してあるA滑走路に侵入する飛行機を見ることができることがあります。通常、機窓から飛行機を見ることは難しいのですが、タイミングがあえば、かなり長時間に渡ってみることができます。
  最近は機内でインターネットが利用できるようになりました。スマホアプリでお勧めがあります。Flightrader24というアプリでネット環境があれば、機内でも飛行中の飛行機をみることができます。今どこを飛んでいるのか確認することができますし、近隣の飛行機もわかるので、先程述べたような着陸時に並行して飛んでいる飛行機がどこから来たのかも確認することができます。お勧めですので、是非利用してみてください。
  帰りの便もとても楽しいです。帰りの便も羽田空港はC滑走路から出発することが多く、滑走路34から16方向に飛びたつことが多いのですが、出発する滑走路の手前でなかなか飛び立たないことがあります。混雑していて待つことが多いのですが、時に34に着陸する飛行機待ちのことがあります。この時はK席が断然オススメです。着陸する飛行機をかなり近くで大きく眺めることができます。
  秋田空港へは28から10方向に着陸することが多いのですが、時にその逆、海側から着陸することがあります。この着陸も大好きです。着陸時にA席側だと大森山、秋田市内、男鹿半島を見ることができますし、K席側だと道川やこれから降り立つ秋田空港をみることができます。個人的には海側から着陸する時のA席が大好きです。
  ところで、飛行機には欠航のリスクがあると思いますが、いかがでしょうか?いままで自分は欠航の経験がありません。たまたまだとは思いますが、新幹線では昨年の夏に豪雨により運休してしまい、盛岡からタクシーで秋田に戻ったこともあります。
  飛行機の欠航率ってどのくらいかご存知でしょうか?平成28年度では羽田便1.1% (ANA 0.9%, JAL 1.4%)、伊丹便1.6% (ANA 0.9%, JAL 2.2%)、千歳便3.3% (ANA 2.2%, JAL 4.3%)だったようです。やはり千歳便の欠航率が高いようです。これは秋田の問題よりもむしろ千歳空港の問題のほうが大きいようです。また、伊丹便や千歳便は小さい機体であり、特にANA便はプロペラ機です。このため天候に左右されやすいのだと思います。
  今年はアムステルダムに行く予定があり、たっぷりと機内を楽しめそうです。しかし、国際線はご飯が終わった頃に強制的に窓を閉められてしまうので少し悲しいです。今回の旅では皆が寝静まった頃にちょっと窓を開けて神秘的な空を眺められることを祈っています。
 
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