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<ペンリレー>

発行日2018/02/10
秋田厚生医療センター  齊藤 礼次郎
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冬の楽しみ―湯けむり通信―
 
  アウトドア以外の趣味を持たない私にとって、冬場は熊のごとく冬眠し、脂肪を蓄えるしかない季節となっています。ここ数年はたまに行く温泉が冬の楽しみとなっており、私的に穴場?と思われる温泉宿をいくつか紹介しペンをリレーさせていただきます。

I.まずは定番、田沢湖方面のお勧めから。
①休暇村乳頭温泉郷
  今や行ってみたい温泉の上位にあげられる乳頭温泉郷ですが、人気№1の鶴の湯温泉は幹線道路から長い砂利道を走らなければならず、またなかなか予約が取れないなど敷居の高い宿になってしまいました。「休暇村乳頭温泉」は最も手前に位置し、幹線道路に面しているなど乳頭温泉郷の中ではアクセスが良い宿です。今は廃業してしまいましたが11月から5月まで滑られた乳頭スキー場の麓にあります。「休暇村」という公共的施設であることから施設も食事も比較的簡素で、温泉でまったりしっぽりという宿ではありませんが、私の一番のお気に入りは 乳頭温泉と田沢湖高原温泉の二つの源泉(白いお湯と透明に近いお湯)が一度に楽しめることです。内湯、露天風呂とも明るい開放感のあるお風呂で、雪に埋もれそうな冬の露天風呂は圧巻です。乳頭温泉が手軽に楽しめるこの宿が大好きでスキーの宿として利用してきましたが、最近はなかなか予約が取れず、また値段もそれなりに高くなってしまったことが少し悲しいところです。
「休暇村乳頭温泉郷」仙北市田沢湖駒ケ岳2-1 Tel.0187-46-2244

②駒ケ岳温泉
  田沢湖スキー場のすぐ下にある水沢温泉郷、そのはずれにある和室7室、洋室2室の小さな宿です。舗装路から細い砂利道を400mほど入ったところにあり、目立たない標識があるものの皆が道に迷う秘湯?です。駒ヶ岳の中腹より湧き出る源泉を地下パイプで新鮮な状態で引湯しているとのことで、とろみ感のあるいいお湯です。広々とした内湯と露天風呂のほか、川沿いに二つの「宿泊者専用貸し切り露天風呂(無料)」があります。それぞれ小さな岩風呂と木の浴槽のお風呂で、脱衣小屋の扉を中から施錠すると本館側にあるランプが点灯して使用中とわかる仕組みが小粋です。食事は山の芋鍋とお蕎麦が大変結構です。この宿のもう一つの売りは鶴の湯温泉の系列であり、夕食後にバスで鶴の湯に送迎してくれることです。日帰り入浴を受け付けていない夜間にほぼ貸し切り状態の鶴の湯のお風呂を楽しめることはうれしいサービスなのですが、夕食後にわざわざ鶴の湯までいくかどうかは各自ご判断を。なお、今年はカメムシ大発生とのことで部屋に置いてあるガムテープが大活躍でした。
「駒ケ岳温泉」 仙北市田沢湖生保内字下高野80-68 TEL.0187-46-2688

Ⅱ. 続いては横手から岩手県境を少し超えた西和賀町にある湯田温泉郷湯川温泉を紹介します。秋田市からはちょっと離れますが、高速を使えば1時間半程の道のりです。昔から岩手・秋田両県の湯治場として賑わってきました。湯あたりが柔らかく肌にやさしい温泉で、美肌効果が期待できます。お勧めの宿は、
①四季彩の宿 ふる里
  古い木造の建物を改築したシックでおしゃれな宿です。きれいで広い内風呂と露天風呂があり、そのほか有料ではありますが渓流貸切り露天風呂があります(未経験)。食事は会席料理で大変美味しく、岩手の地ビールと地ワインも嬉しいところです。この宿で小生の一番のお気に入りは半露天風呂の付いた客室です。冬でも雨の日でも寒くなく部屋付きのかけ流しの温泉が何回でも楽しめます。浴槽が大きな陶器でできておりザブーンと入る快感は最高です。普通、露天風呂付きの部屋は高根の花ですが、ここは左程高くなく、出来れば秘密にしておきたかった宿です。強いて言えば食事時の従業員の対応がマニュアル通り過ぎて趣がないことが難点でしょうか?
「四季彩の宿 ふる里」岩手県和賀郡西和賀町湯川52-17 TEL.0197-82-2226

②萬鷹旅館
  ここのお勧めは何といっても「すっぽん」です!この地では温泉を使ったすっぽんの養殖が盛んのようで、多くの宿がすっぽん料理を提供していますが、湯田ですっぽんといえばここです。最初に訪れたのは平鹿病院勤務中の大雪の日で、外科の日帰り宴会でした。ワイン博士の歯科医の先生をお誘いして「すっぽんとワインの会」なるものを催し、そのおいしさに感動したもののワインのせいで〆の雑炊までは到達しませんでした。その後リベンジと称し妻と二人で再訪しましたが、コラーゲンたっぷり&上品な味に感激し、通常の温泉宿と変わらないお値段に再感激でした。ただお風呂が小さかったこと、2階の部屋の部屋食のためか宿の人がその都度「すみませーん!」と呼ばないと来てくれなかったことが少し残念でしたが、日帰りですっぽんを食べるだけでも十分に価値があります。
「萬鷹旅館」西和賀町湯川52-108-1 TEL.0197-82-2304

③大盛館 栖峰
  和室7室の小さな宿で、あまりヤホーや楽ちんにも載らないため、知る人ぞ知る名宿です。純和風のきれいな建物で、行燈の灯かりがやさしく照らす館内はお香の香りが漂うような隠れ家的雰囲気となっています。貸切ではありましたが、こんな静かな宿に申し訳なくも医局旅行の一行、日帰りを含め30人ほどで訪問してしまいました。前述のワイン博士のお勧めの宿で、料理は最高。名物料理がキンキの姿焼で、各自に30㎝近いキンキが一尾ずつ付いたのには仰天させられました。またまたワインと料理のマリアージュを楽しみましたが、中でも生雲丹とシャンパンや白ワインとの相性は抜群であり「んめー!」の一言。お部屋、お風呂とも広くきれいで、もう一度静かに訪れたいのですが、未だ実現していません。
「大盛館 栖峰」西和賀町湯川52-72-11 TEL.0197-82-2133

④番外編:スーパーオセン湯本本店
  湯川温泉に行ったら是非立ち寄りたいのが生鮮食品から日用品まで、岩手県が誇る超激安スーパー「スーパーオセン湯本本店」です。湯川温泉からは車で15分くらいの湯本温泉にある地元の小さいスーパーですが、軍艦マーチが流れている店内はいつも買い物客でごった返しています。お花、野菜、果物、肉、魚。これらすべてが品数豊富、激安です。中でも鮮魚売り場は「何でこんな山の中にこんなに新鮮な魚があふれているのだ!?」と超仰天です。社長が三陸に漁船を所有しているとの噂もあり、太平洋側から新鮮な海産物を大量に仕入れてくるらしいです。さんまやマグロはもちろんのこと、他ではあまり見ない貝類や蟹等が大量に激安で売られている光景は、食いしん坊の私にはまるでパラダイスです。県境を越えてわざわざ買いに来るお客さんも多く、横手の有名料亭もここから仕入れている程の品質、品揃えです。この中で要チェックは牛乳瓶に入って売られている生雲丹です。通常、雲丹は品質保持のためミョウバン水に入れて売られるものらしいですが、この牛乳瓶に入った雲丹はミョウバン水なしでぎゅうぎゅうに詰められています。ただしこの牛乳瓶生雲丹はレアもので、タイミングが合わないとなかなか入手できませんのであしからず。
「スーパーオセン湯本本店」西和賀町湯本30-78-1 TEL.0197-82-3636

  以上、ここ数年で私が行って気に入った温泉宿などを紹介してみました。冬の温泉巡りのご参考になれば幸いです。なお、全く個人的感想であり情報も変わっている可能性が多々ありますので、まずはHPをネットで覗いてみてください。湯田はお勧めですよ!
  次回のペンリレーは医局の後輩であり、激下手な私のゴルフの師匠でもある市立秋田総合病院乳腺内分泌外科の片寄喜久先生に再登場願います。
 
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