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<ペンリレー>

発行日2017/06/10
土崎レディースクリニック  松浦 亨
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秋田沖釣り情報2016年版
 
  深海釣りの永澤名人のご指名ということで、たいへん荷が重い感じだが、私はふだん秋田マリーナに船を置いて釣りをしているので、近況について書いてみたいと思う。
  知り合いには船が傷みやすいので陸上保管の方がいいよと言われるのだが、いつでも出港や帰港ができるため、あえて海上に係留し、主に単独釣行をしている。それが私の約20年前からの基本的な釣りのスタイルである。以前、出港中に海水冷却系統のトラブルからエンジンルームに大量に浸水して航行不能になりレスキューを呼んだ経験があった。以後、安全のために、また出漁時の釣りの状況を記録しておき今後の釣果向上に役立てるために航海日誌をつけている。
  昨年の航海日誌をまとめたので、今回秋田沖釣り情報2016年版として提供したい。
  H28年4月×日。本日船を降ろす。今シーズンの開幕である。試走にてエンジンはOKだが、デッキ左舷側の物入れに海水侵入がある。スカッパー(デッキの排水口)のカバーの取り付け部のねじ穴から海水が入ってくる模様。修理業者に修理依頼、後日修理。毎年乗り始めは色々なトラブルが起こりやすい。些細なことでも原因を確認し、解決しておくことが安全につながると思う。特に海水漏れには敏感になる。4月は計2回出港したが、いずれもボウズ(全然釣れないこと)。
  H28年5月。前半は主にアイナメ狙いで秋田マリーナから西北西へ約7マイルの第2ブイから第3ブイ付近の水深20?30mの海底が岩場の海域に出港。近年はえさ釣りよりもジグ(金属製の細長い板に針をつけたルアー)と鯛カブラ(イイダコのような形をした和製ルアー)が多い。以前、アイナメはこの時期によく釣れたが最近少なくなった印象。ただ釣れれば結構でかい、ビール瓶サイズ。後半は浜田?下浜沖を真鯛狙いで攻める。水温がまだ低いためか真鯛のアタリ(魚の反応)はなかった。5月の釣果はしめてアイナメ3、ワラサ(ブリより少し小さい60cmサイズ)1、カサゴ2、アジ20、サバ20、イワシ1、キス5。この時期のアイナメは皮つきのまま湯引きして刺身にするとかなりいける。また5月のキスは初夏の訪れを期待させられて心が弾む。
  H28年6月。以前から気になっていた海水冷却系統の塩害を防ぐため、帰港後水道水で海水冷却系統を洗うことができるシステムを取り付ける。帰港後の船の手入れに一手間加わったが、より安全性を目指したいのでよかったと思う。雄物川河口沖、下浜沖、道川沖に基本真鯛狙いで出港。ただ下旬は低気圧の接近などがあり、あまり出港できず。6月の釣果はしめてサワラ(ワラサではない)1、アジ56、イワシ3、キス5。マダイはまだ水温が低く、もう少し先になるか。アジは刺身、たたき、なめろう、干物、フライなどすべて美味しいが、何と言っても一番は体長10cm以下の豆アジの丸ごと唐揚げ、噛んだ時にアジの滋味が口腔や鼻腔に広がり、絶品。時にはあえて豆アジを狙って釣ることもある。そういえば、今月からマリーナのフィッシングダービーがスタートしたんだっけ。フィッシングダービーとはその日に釣った魚を1日最高3尾までマリーナスタッフ立ち合いのもとで検量し、あらかじめ決められた各魚種の重量区分から得点化し、6月から10月までの高得点の魚10尾分の総得点を競うものである。上位3名が入賞となる。今年から魚種が増えたためエントリーしやすくなった。ただし今月はやや型が小さく、数で稼ごうとする必死さがみえみえで、こっぱずかしくてエントリーせず。
  H28年7月。上旬は天候不良の日が多く、あまり出港できず。中旬、下旬は天候も回復し、天王沖や鯵ヶ沢(青森ではなく、秋田マリーナから西へ約8マイルの水深40?50mの魚礁帯)に出漁する。鯵ヶ沢では以前、大鯛がたくさん釣れたが、最近はいまひとつ。意外と近場の秋田港内にいいポイント(魚が釣れる場所)がある。ただし航路と重なりフェリーやタンカーなど大きな船が行き来するため、かなりの注意が必要。7月の釣果はしめてマダイ6、アジ42、キス44、ワラサ2、サバ5、カレイ1。今年のマダイは脂の乗りがよく、どう食べても旨い。キスの天ぷらはビールに最高。土崎の港祭りのお囃子が喉のゴキュゴキュを加速させる。今月も先月と同じ理由でフィッシングダービーにはエントリーなし。
  H28年8月。上旬、中旬は「Mポイント」での鯛カブラによる真鯛釣りが多かった。特に海底に変化があるわけではないが、なぜか魚が釣れる。昨年、沖に出る時に小魚の群れを見つけ、たまたま竿を出したら、真鯛が釣れた場所である。GPSにマークを入れながら何回か船を流したところ、ある範囲で魚が釣れることが判明した。ここを自分勝手に「Mポイント」と命名した。自分だけのポイントを見つけることもマイボート釣りの醍醐味だ。ほら、やっぱり今年も釣れた。鯛カブラとは特殊なテクニックは何も必要なく、ただリールをゆっくりと同じ速度で巻き取るだけでいい、中高年の身体にはたいへん優しい釣り方だ。釣れること釣れること、思わず頬がえびす様のように緩む。下旬は台風9号の接近と台風10号の通過もあり、あまり出港できず。8月の釣果はしめてマダイ18、ワラサ2、ヒラメ2、マゴチ1、ホウボウ3、アジ19。ホウボウは真鯛釣りの外道(目的以外の魚)だが、刺身でも煮つけでもおいしいことを発見。今後はホウボウ釣りをメインにしてもいいかも知れないと思ったくらいだ。マダイが結構釣れたので、今年は入賞できるかもしれないと思い、とうとうタガが外れたように大きいのも小さいのも含めてフィッシングダービーにエントリー。10月までがんばろう。
  H28年9月。上旬、中旬は例年だと男鹿沖へ遠出する時期だが、今年はMポイントが中心。今日こそ遠くまで行ってみようと思うのだが、途中にあるMポイントで竿を出すと魚が釣れるため、遠くまで行くのがめんどうになる。この緩さがマイボート釣りなのかも知れない。ただ下旬になると波が高くなる日が増え、秋田港内での釣りが多くなる。9月の釣果はしめてマダイ11、サワラ3、ヒラメ1、スズキ1、ホウボウ2、ワラサ1、アジ55、カマス5。カマスが釣れ始めると、とうとう秋が来たという気分。カマスの身は水っぽいため、干物にすることが多いが、淡白でクセのない白身は天ぷらがよく合うと思う。フィッシングダービーにも、どしどしエントリー。得点、エントリー数ともに10位以内に入っている。それはそれで気分がいい。
  H28年10月。フィッシングダービー最終月。意気込んでいたところ、前半は台風18号の北上や波風が強い日が多くほとんど出港できず。それでもマリーナに出かけ、日がな一日船や釣り道具の手入れをして過ごす。それもまたよし。後半はうねりが高いものの、出港できる日が多かった。フィッシングダービーの入賞を目指し追い込みをかける。10月の釣果はしめてマダイ4、ヒラメ1、ワラサ1、サワラ2、ホウボウ2、アジ20、カマス2、イワシ30。イワシは手開きにし、生姜醤油で刺身にて食す。美味し。つみれもまた美味し。フィッシングダービーの最終結果は総合得点第9位、総エントリー数何と第2位であった。つまりマリーナスタッフの労力も顧みず、恥も外聞もなく小さい魚もいっぱいマリーナの事務所に持ち込んで検量してもらっているということ。軽油の値引きという副賞をもらった。入賞はできなかったものの、満足。
  H28年11月。この時期になると、日常的に波風が強くなり、出港出来る日がかなり少なくなる。それでも悪天候の合間をみて出港。釣り場もほぼ秋田港内に限られる。11月の釣果はしめてサワラ2、アジ41、サバ1。サバは大きく脂も乗っていたので、アニサキスに注意しながら、しめ鯖にする。関サバにも負けない味である。
  H28年12月。波風だけでなく、雪にて視界不良となり、ほとんど出港できない。ただ出港できれば、ブリに巡り会えるチャンスはある。近場にはハタハタが釣れるポイントがある。しかし今月は1回しか出港できず、ブリにもハタハタにも巡り会えず。12月×日船を陸上に揚げて今年の竿納めとした。また来年に期待しよう。
  以上、2016年航海日誌より編集。
  次回は以前、源流釣りで苦楽をともにした友人であり、今でも時々一緒に釣りをする、秋田赤十字病院産婦人科の佐藤宏和先生にお願いしました。釣り、農作業、パラグライダー、音楽…。さて、何で攻めて来るでしょうか。楽しみにしております。
 
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