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<ペンリレー>

発行日2016/11/10
つつみ整形外科  堤 祥浩
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マルハンカップ太平洋クラブシニア参戦記
 
  昨年6月、太平洋クラブ六甲コースで行われたマルハンカップ太平洋クラブシニア最終予選会を2打差で予選落ちし、伊丹空港で悔し涙を流して「来年こそは」と心に誓っていた。昨年11月にPGA会長の倉本昌弘プロが秋田大学にお越しになったとき「マルハンカップ太平洋クラブシニアを目指しています。来年、六甲で会いましょう!」と挨拶したところ、握手で「頑張って下さい」とエールを贈ってもらった。
  今年2月、ミズノクラブフィッター松本慎太郎様にクラブを作ってもらうため名古屋まで出かけていき、ミズノMPシリーズで、ドライバー、3W、5Wをオーダーメイドで作った。思い通りのドローの打てるウッドを手に入れることが出来た。
  今年は春からゴルフ全開で頑張ってきた。ゴールデンウィークは7連休で7ラウンドをこなした。4月28日診療終了後に22:00秋田駅東口発の夜行バスに乗り、翌4月29日朝6:50新宿駅前着。電車に乗って神奈川の太平洋クラブ相模コースへ行きプレー。14kgのキャディバッグとキャリーケースを持って新幹線で移動し神戸へ。4月30日は廣野ゴルフ倶楽部。私の誕生日である5月1日は太平洋クラブ有馬コースでマルハンカップの練習ラウンド。5月2日は太平洋クラブ宝塚コースでラウンド。その6番ホール138ヤードでホールインワンを達成。35年のゴルフ人生の中で初ホールインワンだったが、飛んでいったティーペグを拾おうと下を向いていて、カップインの瞬間を見ていなかった。同伴競技者の「消えたよ~、入ったんじゃない!?」の声で顔を上げた時には既にボールは見えなかった。グリーンに上がると、確かにホールカップの中にボールが沈んでいたが、入る瞬間を見ていなかったので何の感動もなく、とても残念なホールインワンとなってしまった。宝塚コースでのプレー後、再び14kgのキャディバッグとキャリーケースを引っ張って新幹線に乗り東京へ。5月3日は群馬の太平洋クラブ高崎コース、5月4日は太平洋クラブ軽井沢コース。再び新幹線で移動し5月5日は千葉の太平洋クラブ市原コースでプレー。羽田発の最終便で秋田へ帰秋。その後も毎週ゴルフをし続け予選会に備えた。
  その甲斐あって、5月29日(日)太平洋クラブ有馬コースで行われたマルハンカップ太平洋クラブシニアの予選会において、6位まで予選通過のところ、ギリギリ6位で通過することが出来た。前半1バーディー3ボギーの38で回り、周囲の情報から37が2人、38は3位タイとのこと。後半を40くらいで収めれば6位に入れるだろうと予想し後半のプレーに突入。スコアを気にして守りに入るととたんに体が動かなくなり、10番ロングで何てことのない8番アイアンでのサードショットを左に引っかけ、またなんてことない15ヤードのアプローチを2mショートし、登りのストレートのパットをショートしボギー。雲行きが怪しくなってきた。その後17番まで3つのボギーを加え、後半4オーバーで迎えた18番ホール。ボギーなら通る!と自分に言い聞かせて緊張しないよう暗示を掛けたにもかかわらず、ティーショットを左の斜面に打ち込みセカンドは出すだけ。150ヤードのサードショットも平坦なフェアウエーからの10cmも手前を打つドダフリで30ヤードちょっと進んだだけ。第4打も9番アイアンでやっと乗せただけ。10メートルのボギーパットも1メートルショート。これを外せばノーチャンスと思われたダボパットを何とかねじ込み後半6オーバーの42。トータル80になってしまった。私の組は3組目だったので上がった中では3位だったのだが、後ろに6組も残っており、どうなることかと心配でアテストテーブルの横を右往左往して上がってくる組のスコアを気をもんで見ていた。後半、風と小雨が降ってきたこともあり、後半の選手達のスコアが伸びず、最終組を残して5位に踏みとどまっていた。最終組には昨年本戦出場者2名がいるため、2人ともスコアが上回れば私の予選落ち。最終組が上がってきて、一人のスコアは78、しかしもう一人が84で、私の6位が確定。7月30・31日に太平洋クラブ六甲コースで行われる本選で、青木功、中嶋常幸、倉本昌弘ら往年の名選手であるシニアプロ達と、同じ土俵(グリーン)で戦えることになった。

  6月、7月はストイックなまでにダイエットとトレーニングに励み、体重を7kg絞り、毎日のように庭のグリーンでアプローチとパッティングを練習し小技を磨いた。夜は当院向かいの「どうのさわナショナルゴルフクラブ」でショットの精度を極めていった。
  そして7月、いよいよ本戦の時を迎えた。太平洋クラブ六甲コースは、神戸の実家から車で50分ほどのところにあるため、81歳の父と73歳の母、弟、妹、叔父、叔母らに加え秋田から当院スタッフ2名、関西在住の友人らも応援に来てくれることになった。

  7月29日(金)診療は医局から応援をもらい代診の先生に任せ、朝一便の飛行機に乗り秋田をあとにした。昼前に六甲コースに到着し、受付を済ませツアーバッジを頂いた。プロもあこがれるツアーバッジは、これを見せれば大会中、駐車場、クラブハウスの出入りが自由で、スポーツドリンクやミネラルウォーターなどのドリンクも飲み放題。
  まずは昼食を摂ろうとクラブハウスレストランに入ると、あの世界のアオキ、青木功プロがマネージャーらとお茶を飲んでいた。青木プロの斜め前のテーブルに座り、天ざるを注文。食べ終わってから、恐る恐る青木プロに握手を求めたところ快く握手して頂けた。私の名刺をお渡ししたところ「おっ、整形外科の先生!?オレも左肩の腱板やっちゃってるんだよね~」と健康相談を受け、一気に距離が縮まり、肩の触診をさせてもらったり、写真を一緒に撮ってもらったりして、最後に「連絡頂戴よ」とマネージャーから名刺を頂いた。
  午後から9ホールの練習ラウンド。コースセッティングはバックティーから6830ヤードPAR72。グリーンは3.4mmカット、スティンプメーター9.1フィート、コンパクション22とトーナメントにしては遅いグリーン、止まりやすい状況。しかし、野芝のラフは深いところで8cm近くあり、ラフに入れるとアイアンで出すだけだな、と感じていた。練習ラウンドではショットの調子もよく、池ポチャ一発あるも4オーバーの40。これはひょっとしたら明日は70台も出るかもしれないぞ、と一人ほくそ笑んでいた。夜は一人でリラックスしたかったので神戸の実家には泊まらずホテルオークラ神戸に泊まった。ゴルフ前日に赤ワインで牛肉を食べると翌日70台が出るという験を担いでおり、三ノ宮のイタリアンで牛肉のタリアータをイタリア産赤ワインで頂いた。

  7月30日(土)初日、スタート2時間半前にコースに着くようタクシーを手配し、ゴルフ場に到着。まずはレストランへ。井戸木鴻樹プロ、奥田靖己プロ、芹澤信雄プロ、渡辺司プロ、崎山武志プロ、羽川豊プロなどテレビや雑誌で見たことのある有名プロが談笑しながら朝食を摂っていた。とてもこのプロ達の輪の中に入ることは出来ないので、一人で洋定食を食べながら、「あ~、こんな人たちと一緒にゴルフが出来るんだ~」と感慨深くも、「下手なアマチュアが迷惑かけたら悪いな~」と消極的な気持ちになり、一気に緊張が高まってきた。ドライビングレンジ、バンカー、パッティングと練習をルーティーン通り行い、準備万端でスタートホールへ向かった。
  初日は10:20インコーススタート、大利根カントリー倶楽部所属の中根初男プロと韓国の金鐘徳プロとの組み合わせ。10番ホールのティーグランドでは、アナウンス嬢により一人一人選手紹介があってからティーオフしていく。オナーは中根初男プロ、529ヤードのロングホールのディーショットを290ヤードくらい飛ばして残り240ヤード地点、金プロは260ヤードで残り270ヤード地点、3番目に打つ私は待っている間も心臓バクバクで、アドレスでどこを向いているのか分からず、頭真っ白のままリズムも何もなくドライバーを振ったところ、ドフックして180ヤード左のラフ。急いで走ってセカンド地点に行ったところ、ラフが深くアイアンで出すだけ。しかもラフの抵抗に負けてボテボテと転がって100ヤードも進まず、中根プロのセカンド地点にも届かず。サードショットはフェアウエーウッドで残り90ヤードの左ラフ。第4打をピッチングでやっと乗せて2パットのボギー発進となった。2番ホールへ向かう途中で中根プロが「そんなに慌てなくても大丈夫ですよ」と声を掛けてくれたが、プロに迷惑を掛けてはいけない、との一心で、その後もミスショットしては走り、リカバリーショットを素振りもせずに打ってまたミスしたり、お先にパットを外したりと、普段とは全く違う精神状態でゴルフをやってしまい、何が何だか分からないまま、ショットの記憶も無いまま終わってしまった。イン43、アウト46、トータル89と出場90選手中89位という不本意な成績で初日が終わり、メンタルの弱さでやれるはずだったことが出来なかった悔しい気持ちでいっぱいになった。
  初日の夜は、応援に来てくれたみんなと三ノ宮のレストランで食事をした。父、母、弟、妹、秋田から応援に来てくれた当院スタッフ2人、関西在住の友人らと一緒に楽しい夜をすごし、リラックスして眠ることが出来た。

  7月31日(日)最終日は成績順の組み合わせとなり、尾崎建夫プロ(ジェット尾崎)、アマの長尾福治郎選手との組み合わせとなった。ジェット尾崎はご存じ、ジャンボ尾崎の弟、尾崎直道選手の兄である。
  朝、クラブハウスのレストランで、学生時代にお世話になった大阪茨木の川島泰司プロと待ち合わせていた。25年ぶりの再会。隣のテーブルに茨木一門の山本善隆プロが「おはようさん」とやってきた。川島プロが「善隆さん、隣ええかな?」と話しかけてくれ山本善隆プロとテーブルを御一緒させてもらい、名刺をお渡しして御挨拶させてもらった。シニアゴルフの裏話をいろいろ聞かせて頂いた。しばらくして「あ~、今日はアマ2人とだよ~」とジェットさんが隣のテーブルにやってきた。「すんません、そのアマチュアのつつみです」と挨拶したところ「ん~、整形の先生?オレの顔も整形してくれる?」と朝からボケてくれるジェットさん。スタート前から笑わせてもらったので、少し緊張がほぐれた。
  スタート前の練習をするためでドライビングレンジに向かう途中で、私の師匠である4スタンス理論の横田真一プロが実況中継の解説者として来ていた。私は昨年1月に4スタンス理論に出会い、年数回は東京のYOKOTA GOLF BASEで横田プロのキャディをしている筒井健介プロにレッスンを受けている。昨年7月横田プロが南秋田CC に来たときにプロアマで一緒にラウンドして以来の再開。「お久しぶりです!!今日はジェットさんと一緒になりました」「先生、頑張って下さい!!」と握手を交わした。名前は出さなかったものの、私のことをテレビ中継の中で紹介してくれた。
  成績下位の選手はインコースからのスタート、通称「裏街道」で10番ホールからのスタートとなる。オナーはもちろんジェットさん(以下敬称略御容赦)。往年の飛ばしは衰えておらず、軽いフェードで280ヤード地点へ。続いてアマの長尾選手。緊張したのか右へOB。3番手の私は、ジェットとはもう挨拶済みだし、昨日ほどの緊張もなく、ティーショットは落ち着いて、フェアウエーセンター230ヤード地点へナイスショット。セカンドも落ち着いてフェアウエーウッドで残り110ヤード地点へ。ジェットは残り250ヤードから5番ウッドで見事に2オン。私のサードも9番でナイスオンし、惜しくもバーディーのがしのタップインパー。ジェットは6mのパットを見事沈めてイーグル発進。
  11番410ヤードミドルでもジェットはセカンド残り140ヤードのラフからウェッジで1mに寄せてバーディー。私は3パットしてしまいボギー。
  12番354ヤードの短いミドル。270ヤード地点に池があるので、ジェットは5番ウッドで刻み。もちろん私はドライバーだが、ナイスショットしてもジェットの手前20ヤード地点。私はセカンドをミスしてボギー、ジェットはウェッジで5mに乗せてバーディー。
  13番174ヤードのショート。アゲンストの風、ピン奥のため、私は5番ウッドを選択しナイスオン。ジェットは6番アイアンくらいでナイスオン。私のバーディートライは惜しくも入らずタップインパー。ジェットもオンラインだったが2cmショートしてタップインパーとなり連続バーディーが途切れてしまった。
  14番ホール557ヤードのロング。ジェットはナイスショットで280ヤード。私のティーショットはドローがかかり切らず右のクロスバンカーへ。セカンドは出すだけ、と決めて8番アイアンを持って行ったのだが、切り返しのタイミングが早くなりハーフトップ。バンカーのアゴに当たって逆戻り。3打目を再びクロスバンカーから打つはめとなったが今度はナイスアウト。しかし結局5オン2パットでダブルボギーとなってしまった。ジェットはスプーンで2オンを狙うも右手前のラフ。残り30ヤードのアプローチを寄せきれずパー。
  15番424ヤードのミドル。280ヤード地点左側に池があるのでジェットは5番ウッドでティーショット。しかし、フェードがかかりすぎて右のクロスバンカーへ。私はドライバーでナイスショットしたがまだ残り200ヤード。セカンドオナーの私は5番ウッドで花道へ。ジェットはクロスバンカーからガードバンカー越えのピンをデッドに狙っていったものの僅かにショートしガードバンカーへ。ニアサイドのバンカーから何とか1ピンに寄せるもパーパットが入らずボギー。私は花道からの20ヤードを10cmに付け、お先にのパーで、16番368ヤードのミドルをオナーでティーショットを打つことになった。ジェットより先に打つ緊張感のためか左に引っかけてあわやOBだったが深いラフに助けられセーフ。セカンドショットはラフからラフへ。サードで何とか乗せたものの2パットのボギー。ジェットはティーショットを5番ウッドで刻んで、フェアウエーからウェッジでピンそばにつけるもバーディー逃しのパー。
  17番210ヤードのショート。打ち下ろしではあるがややアゲンストだったため、私は3番ウッドを選択。ジェットはユーティリティーで打ったが、左のピンをデッドに狙いに行ったショットは、わずかに引っかけてニアサイドのバンカーへ。私は3番ウッドでグリーンセンター狙い。きれいにドローがかかりイメージ通りにピン奥10mにナイスオン。ジェットはニアサイドバンカーから寄せようとしてショートしバンカーに逆戻り。第3打でようやくグリーンに乗せたがボギーパットも入らずダボ。私は無難に寄せて2パットのパー。18番435ヤードミドルホールで、またまたジェットを差し置いてオナーで打つ栄誉(オナー)を得た。この模様は、You Tubeで動画配信されているので、ゴルフマニアの方は是非ご覧を。URL:https://www.youtube.com/watch?v=jWYONPkxcYs (18分38秒から私がオナーでティーショットを打ち、続いてジェットが打つところが見られる。)(ちなみに初日の1番ホールのティーショットの模様はhttps://www.youtube.com/watch?v=Rqj7vA0gGdA で配信されており、20分30秒から私のティーショットが写っている。)
  18番のティーショットは私は引っかけて、あわや左の池ポチャが深いラフに助けられ5m手前で止まりセーフ。ジェットは残り150ヤード地点のフェアウエーへナイスショット。私のセカンドは220ヤード以上あり池越えになるため、一旦右のフェアウエーに出すことにし7番アイアンでレイアップ。ジェットはショートアイアンで手前のカラー、ピンまで7m。私のサードショットは残りピンまで75ヤード、アゲンストを計算して52°のアプローチウェッジでフルショット。ピン横1mにキャリーし2バウンドからバックスピンでピン左1mに付けるスーパーショット。1000人を超えるギャラリーから「ウォー!!」という大歓声と大拍手、鳥肌が立った。ギャラリーに手を挙げながらグリーンに上がっていく様は、まさにプロゴルファー気分。ジェットはカラーから2パットのパー。私は緊張するスライスラインのパーパットを読みながら、朝に川島プロから頂いた言葉「アマチュアやし、失うものないねんから、ショートだけは絶対にせえへんように」を思い出し、薄めに強く打ったのだが、パンチが入って向こう側1mまでオーバー。返しは上りのフックできっちり入れてボギーとし、前半は42ストロークと私の中では許容範囲内で収まってくれた。
  後半のアウトコースへは、プロの大会なので食事休憩無し、トイレ休憩とドリンクタイム、おにぎり・バナナでエネルギー補給したらすぐに1番ホールへ向かう。1番は513ヤードのロング。ジェットは290ヤードのビッグドライブでセカンドはユーティリティーの距離。軽い左ドッグなのでティーショットは右がセオリーなのだが、私は引っかけて左ラフ。ウッドでのセカンドショットは無理と判断。6番アイアンで刻むもラフに負けてヘッドが返り、左へド引っかけ、転がってOBに入ってしまった。打ち直しは8番アイアンに持ち替えて残り200ヤード地点へ。5番ウッドでグリーンそばまで持って行き、寄せて入れるもOBが響いてダブルボギー。ジェットは難なく2オンし2パットのバーディー。
  2番はもともと319ヤードと短いミドルなのだが、最終日はフロントティーの290ヤードにティーを持ってきて飛ばし屋にワンオンチャレンジをさせる設定となっていた。ジェットはもちろんワンオンねらいなので、「先打って~」と私が先に打たせてもらった。フェアウエー右サイド残り80ヤード地点へナイスショット。さてジェットのワンオンチャレンジ。これまで以上に気合いの入ったドライバーショットは軽いドローでピンの左10ヤード地点のラフへ。砲台グリーンで左足上がりの斜面のラフで難しいライだったが、ウェッジでポンと上げて1.8mにつけバーディー。私もアプローチウェッジで2オンしたのだが、バーディーパットを狙いに入ってしまい大きくオーバー。返しも入らず3パットのボギーとしてしまった。
  3番174ヤードのショート。上りのアゲンストなので私は7番ウッドを選択したがミスして右ラフ。アプローチで1mに付けるも入らずボギー。ジェットは6番アイアンでピンそば5mにナイスオン。バーディー逃しのタップインパー。
  4番382ヤードのミドル。右が崖でOBになっていて絶対に右に行っては行けないホール。ジェットがめずらしく右ふかしてしまいOB。私のティーショットはちょっとあたりが薄く、残り180ヤードを残してしまい7番ウッドでセカンド。うまくピン左6mに乗ってバーディー逃しの2パットパー。ジェットはOB打ち直し後の第4打を4mに付け1パットでねじ込みボギーに留めた。さすがプロ。
  5番は422ヤードと長いミドル。フェアウエーに出るまで200ヤードあり、さらに左が崖でOBになっており、飛ばないドローヒッターの私には距離的にもターゲットの取り方にしても難しいホール。とにかくOBだけは打つまいと決め、思い切って右の隣ホールからドローを回してきて右ラフにとどめ、セカンドではグリーンを狙わず3オン狙い。サードでピン奥デッドに狙ってちょっとオーバー。5mのパーパットは惜しくも入らなかったものの、ジェットから「いいストロークしてるねぇ」とお褒めの言葉。思わずニヤリ。ジェットは無難に2オン2パットでパー。
  6番550ヤードのロングホール。ジェットはとことん2オン狙いでディーショットはドライバーをブンブン振ってくる。それでいてフェアウエーを外さない。セカンドをスプーンで打つもやはり550ヤードは長くガードバンカーへ。私はティーショットはまずまずだったのだがセカンドをミス。サードが170ヤード以上も残してしまった。ピンが右奥なのでウッドで突っ込んでいったら風が変わってキャリーでオーバー。難しい下りのアプローチが乗らず、寄らず、入らずで素ダボを打ってしまった。ジェットはバンカーからうまく寄せるもバーディーパットは入らずパー。
  続く7番は初日200ヤード設定だったのが、最終日は170ヤードのティーグランドから打たせる設定となっていたショートホール。池越えのショートホールというか、池が左からグリーンに食い込んできており、グリーンセンターまで170ヤードだが、池を十分越えるのにも170ヤードキャリーが必要という難ホール。ジェットは7番アイアンでナイスオン。ピンは左奥の池越えだったので、私は大きめに7番ウッドでティーショット。左ピン横のカラー。ピンまで10ヤードをピッチングでピッチエンドラン、あわやチップインのナイスアプローチでお先にパー。ジェットはバーディーパット入らずタップインパー。
  8番399ヤードのミドルは、上りのストレートなホール。ジェットは280ヤードオーバーのナイスショットで残り100ヤードちょっと。私は左へ引っかけてラフ。ガードバンカーが大きく口を開けているので敢えてウッドでグリーンを狙わずアイアンでレイアップ。サードショットに賭けるも寄らず入らずでボギー。ジェットはウェッジで簡単に寄せてバーディー逃しのパー。
  そしていよいよ最終の9番415ヤードのミドルホールにやってきた。泣いても笑ってもトーナメントはこのホールでおしまい。ジェットはアゲンストの中270ヤード飛ばすも左ラフ。私はアゲンストのなか、ドライバーで精一杯打っても220ヤードなのだがフェアウエー。ピンは奥。グリーン右手前にバンカー、左手前が池、花道は約15ヤードあるかないか、残り距離は200ヤード余り、左の池だけは避けたい、右のバンカーなら寄せてパーもあり得る、そんな思いでスプーンを持ち、右のバンカーからドローのイメージでスタンスをとり最後のショットを放つと、狙い通りにバンカーからドローして戻ってきたボールは花道でツーバウンドしてピンへ。見事6mに2オン。ジェットは残り150ヤードの左ラフからウェッジで打つもラフからのショットのためピンには絡まず、私のボールの後ろ2m。ちょうどラインを見せてくれるところに止まった。先にジェットのバーディートライ。わずかにショートするもタップインパー。そして、最後に私のバーディーパットが残った。ジェットにラインを見せてもらっているとはいえ、慎重にラインを読みなおし、2カップ右からのフックラインと読んだ。その通りに打ち出した瞬間「あっ弱い」と思ったが下り傾斜に助けられカップに向かって転がり続ける。あとひと転がりからはスローモーション。「入れ!!」と叫ぶ私、応援にきていたギャラリー。入った瞬間のガッツポーズ。ジェットとハイタッチ。最後の最後に劇的なバーディーで締めくくることができた。
  私たちの組は最終組の1つ前。ちょうど最終組が上がってくる頃に、夏の積乱雲から雷の音がしはじめ雨がぽつりぽつりと落ちてきた。通常なら18番グリーン上で行われる表彰式は急遽クラブハウス内で行われることになった。優勝は13アンダーでプラヤド・マークセン選手。今年50歳になりシニア初戦での優勝となった。表彰式後のフェアウェルパーティーでは、奥田靖己プロ、新井規矩雄プロ、山本善隆プロ、崎山武志プロらのテーブルで名刺を配って挨拶をしてきた。PGA会長の倉本昌弘プロに再会の挨拶をし、来年の大会に再び参戦することを誓って帰って来た。本当に夢のような3日間だった。

  最後に、私の夢を叶えるためにサポートしてくれた当院のスタッフ、代診の応援を出して頂きました秋田大学医学部整形外科学教室島田洋一教授、レッスンして下さった横田真一プロ、筒井健介プロ、鎌田崇司プロ、応援に駆けつけてくれた両親、兄弟はじめ応援して頂いた皆様方すべてに感謝します。ありがとうございました。
  来年もこの感動を再び味わえるよう、オフシーズンには肉体改造に取りかかろうと思っています。これからも皆様の応援、御協力のほどよろしくお願い致します。
  駄文、長文お読み頂き、誠にありがとうございました。
  ペンリレーのバトンは、秋田大学医学部ゴルフ部の後輩で秋田市医師会山王八橋班で一緒の、えのきこどもクリニック榎 真美子先生にお願いしました。真美子先生、また今度一緒にラウンドしましょう。
 
 ペンリレー <マルハンカップ太平洋クラブシニア参戦記> から