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<ペンリレー>

発行日2015/05/10
山王整形外科医院  湊 昭策
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私の楽しみ
 
 〚パナマのゲイシャ種〛この活字を見たときに皆は何を連想するのだろうか。<昔アラブの偉いお坊さんが…で始まり、しびれるような香りいっぱいのこはく色した飲み物、そしてモカマタリ>といえば西田佐知子が歌ったコーヒールンバ(1961年)を思い出す。昨年秋、ある記事で、スターバックスが一杯約2000円のコーヒー、250gで10000円の豆を売り出すという記事を見たとき、その値段の高さにびっくりした。しかし、ものすごく興味がわいてきた。全国47店舗で取り扱うという記事が載っていたので、さっそく問い合わせてみた。47店舗というから各県に1店舗と思いきや、何と東北では仙台の1店舗だけだということである。ますます興味がわき、手に入れたくなった。
 時も折り、秋田のいつもコーヒー豆を買いに行っているお店で、エスメラルダ農園産パナマのゲイシャ種が手に入るということを知った。1人50g限定で、2000円ということですぐ申し込んでみた。その後、しばらくして豆が入ったという知らせが来て、受け取りに行った。ついでに、いつも使っているコーヒーミル(昭和49年から同じものを使用)は香りが移るといけないので、わざわざ新しいものを購入し、かなり気合を入れてコーヒーを挽いた。挽き終わったら、かなり粗挽きだったので、もう一度挽き直し、ペーパードリップで飲んでみた。<とにかく美味い>としか言いようのない味であった。もう一度飲みたいと思った時はもうすでに豆は残っていなかった。娘たちと試飲したので一人一杯しか飲めず、また次の年まで待たなければならないという、残念な気持ちでいっぱいである。その後、ネットで調べたら2014年産エスメラルダ農園パナマゲイシャ種の生豆真空パック包装で1kg4万数千円で手に入ることが分かった。どうしようか迷っているところである。
 私のコーヒー歴は長く、中学生の時に味を覚え、高校生のときはほぼ毎日コーヒーを自分で淹れて飲んでいた。たばこは吸わないがコーヒーだけはしっかりと飲んでいた。その頃のコーヒーは秋田の土手長町(昔の秋田クラブ)の小路を挟んで向かい側にコーヒーを焙煎して売っている店があった。そこのおじさんと仲良くなり、いろいろな話を教えてもらいながら豆を挽いてもらった記憶がある。当時のコーヒーはブルーマウンテンというジャマイカ産のコーヒーの味が最高だという前提のもとに、いかにしてその味に近づけるかということで皆が色々な豆をブレンドして競い合っていたという記憶がある。いわゆるカクテルと同じようにバーテンダーならぬブレンダ―達が競い合って毎年コーヒーのブレンドコンテストもあったように記憶している。当時からモカブレンドとかコロンビアブレンドとかいろいろなブレンドで各店舗は独自の味で商売をしていたと思われる。私の高校時代は喫茶店が全国的にブームで、コーヒーを嗜むことが一つのトレンドであった。私はモカは重すぎてあまり好きではなかった。もっぱらキリマンジャロの香りが好きで、キリマンジャロの単品をいつも買って飲んでいた。一時、十二指腸潰瘍を患って、コーヒーを止めていた時期があるが、すぐにまた飲み始め、コーヒー歴は50年を超えている。最近はもっぱらスマトラのマンデリンという豆を気に入っている。フレンチローストかイタリアンローストで焙煎すると、後味に苦味がさっぱりしていて、何杯でも飲みたくなる。
 最近またコーヒーがブームになったことは非常に喜ばしいことだと思う。いろいろな機会にコーヒーの淹れ方とか挽き方、さらには焙煎の仕方についてたくさんの情報が入ってくる。それを一つ一つ試そうとするとワクワクしてくるが、毎日毎日そうそう飲めるわけでもなく、せいぜい1日3杯くらいである。これを組み合わせて楽しむためにはもっともっと長生きしなければ、と考えている。しかし、最近、カプセルでいろいろなおしゃれなエスプレッソも流行っている。我が家では妻専用であるが、たまに飲んでみるとこれまた変わった味がして面白い。コーヒーの上に細かい泡がたくさん乗っかっているのは始めは違和感があったが、今ではなんとなくおしゃれな感じがして香りが飛ばなくていいか、などと妙に納得している。コーヒーの奥の深さはその歴史をみると計り知れないものがあるが、今回は触れないで、ただただコーヒー万歳である。
 
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