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<ペンリレー>

発行日2014/02/10
駅前整形外科医院クリニカ・オルト  湊 裕子
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ホテルの中に開業して
 
 
 親孝行な貴至先生からのバトンタッチ。久々のペンリレー登場です。秋田市中央市街地計画で、キャッスルホテル内の医療モール入所のお誘いを受けて、現在、2階で診療しております。3.11震災の1週間後の引っ越しでしたから、停電が長引き、物流も途絶え、暫く開店休業で、ちと焦ったものの、それならと開き直り、幕開けは憧れの放光の間で唄ったり踊ったりの開業パーティをしようと、暗い診療所でスタッフと唄と踊りの部活をしていました。
 一般の方のホテルのイメージはどんなでしょう。結婚式場、ディナーショー、パーティ、有名人の宿泊所、正装していく場所等々、少しばかり敷居の高い感じなのでしょうか。ホテルへの移転は様々なハプニングがありました。早速、常連の患者さん達から、今度の医院へは何を着ていけばいいのか、長靴のまま入れるのかなどの問合せがあったり、ホテル正面から入り、フロント受付に診察券を出す婆ちゃん。正面の背もたれの大きい椅子はディスプレイなのに座って握り飯を食べてるお母さん。入り口のガラス戸が透明すぎて突っ込み、額の血を押さえて入ってくる患者さん。診療所の場所が分からず、SPの様なホテルマンに手を取り案内されて、いい男だったわよ話すと興奮気味のおばさん。骨祖療法で思いきりくの字体型の爺さんがエスカレーターで降りていく様はスキーヤーの直滑降のポーズで、拍手してしまう程凄い。トイレ(大の方)が間に合わなかったから、下着を脱いでモモヒキに包んでトイレに置いてきたからなと平然と話す老人。トイレ清掃員の顔はどんなだったろう。ディナーショーは2、3万円もするから中を覗けないが、偶然、ロビーや廊下で出くわす幸運な人もいる。「私、郷ひろみ見ちゃったわ」「私はキミマロよ、タダで!」と団塊世代は凄まじい。という私も、出勤が早いので、玄関先で出発する彼らをよく見かける。タダで!早起きは三文の得。さすがに皇太子様をお迎えするときは、ホテルは貸切りとなり、外に内に何十人もの警備員が見張りに立つ。裏入り口から出入りする従業員も、「クリニカオルト勤務です」なんて言ったところで全く通用しない(当たり前か)。身分証明提示だ。任務を終了された皇太子様のお一人での夕食は何を召し上がるのだろう。和、洋、中、と用意された中からご自分で選択されるそうだ。バーには専用のグラスがあるというから愛飲家なのだろう。2階の医療モールは内科から時計回りに歯科、皮膚科、整形外科、神経内科、眼科、中央に薬局が位置している。病院の各科の様だが、それぞれの科がユニークな許可された範囲での自由診療などを取り入れたりして、病院の各科とは趣を異にしている。私も抗加齢医学会認定医の資格で、アンチエイジング診療もしている。心身の美を意識している点がホテル風なのかもしれない。
 次は親友の湊昭策先生へバトン。
 
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