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<ペンリレー>

発行日2013/07/10
秋田組合総合病院  津田 栄彦
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お伊勢参り
 
一生一度はお伊勢参り。その昔、この遠い秋田の地からもはるばる伊勢神宮を目指して旅人は向かったのでしょうか。宮城県で生まれ、今は秋田で暮らしている私も特に寺社仏閣に興味があるわけではないので、普通であれば「一生に一度」行ったかどうかかもしれません。それがもう4回もお伊勢参りの機会がありました。なぜかというと、妻が伊勢の近くの多気の生まれだからです。妻の実家から車で40分ほどの距離で、帰省した際に連れて行ってもらいます。
伊勢神宮は大きく外宮と内宮という二つのエリアに分かれます。まず、外宮を参拝してその後に内宮を参拝するのが正式なコースのようです。私は賑やかな門前町のある内宮しか行ったことがありませんが、外宮も静かな落ち着いた感じでなかなかいいよと義父が話していました。
内宮には日本人の総氏神の天照大御神が祀られています。まず、五十鈴川にかかるヒノキで造られた宇治橋を渡り参拝がスタートします。玉砂利の敷き詰められた広い参道を歩いていくのですが敷地はとても広大で歩けど歩けどなかなか正宮にはたどり着きません。しかし、途中にお清めをする場で石畳を敷き詰めた五十鈴川岸の御手洗場や境内にある杉の大木など正宮に着くまでも見どころがたくさんあります。参道の一番奥にある長い石段を上ると天照大御神が鎮座する正宮があります。そこで二拝二拍手一拝。ガイドブックには国家の安泰を祈る場所で自分のお願いをするなとありますが、家族のこと自分のことをここぞとばかりにお願いしてしまいます。
お参りも大事ですが、私は境内の手前に伸びるたくさんのお店が立ち並ぶ通りの方が実は目当てだったりします。名前をおはらい町・おかげ横丁といいます。おみやげもの屋さんや飲食店が瓦屋根の風情のある建物で軒を連ねます。醤油が香ばしいみたらし団子や御存じ松坂牛の串焼きなどここかしこから、おいしそうな香りが漂っています。そしてなんといってもぜひ食べたいのが伊勢うどんです。秋田の誇る稲庭うどんのちょうど対極にでもあるかのような太くてコシのない麺に真っ黒いたまり醤油のタレがかけてあります。具はねぎだけというシンプルなうどんは江戸時代のお伊勢参りの旅人も食したようで、当時の旅人の気持ちになって食べるのもおもしろいかもしれません。他には中部、近畿の駅のお土産でよく見かける赤福の本店もあります。店の入り口にある朱塗りの大きなかまどが印象的で番茶を入れるお湯を沸かします。おいしいお茶を飲みながら食べる赤福餅はまた格別です。
伊勢の近くには志摩や鳥羽などの風光明媚な観光地もあります。三重を訪れるといつも感じますが、食べ物が美味しく、リアス式の海岸線や湾に浮かぶ島々はどことなく生まれ育った宮城に似ているなと。人も温かくとても良いところです。
今年は20年に一度の式年遷宮の年。お伊勢参りブームでテレビや雑誌もよく取り上げていますが、みなさんもぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
 次は紳士で敬愛する恩師の市立秋田総合病院 消化器科の千葉満郎先生にお願いします。
 
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