秋田市医師会報

＜ペンリレー＞	発行日2013/05/10
秋田組合総合病院　　松本　聖子
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これで癒されてます！

約3年ぶりに回ってきたペンリレー。前回は確か日赤病院に切迫早産で緊急入院した時、「脱稿してしまう!!」と焦って病室で原稿を書いていました。今回は何を書こうか迷いましたが、私の「癒し」の一つを紹介したいと思います。
私の癒しはクラシックコンサートに行くことです。’一応’楽器を習っていたこともあり、小さい時から親に連れられて見に行っていました。小さい頃はその価値にあまり気付かず、「連れて行かされている」感覚でしたが、大人になってクラシックの良さに気付き、今は両親に感謝しています。大学生時代は「時間はあるがお金がない」という状況でしたので、厳選して見に行っていましたが、最近は時間さえ合えば、子供を連れて見に行くようにしています。
　私が初めて秋田に来た20数年前は、名の知れた指揮者やソリストは滅多に来ませんでしたが、最近は有名な人も来てくれるようになり嬉しい限りです。しかし、ピアニスト程にはヴァイオリニストはなかなか来秋してくれません。秋田のヴァイオリン人口が少ないため人気がないからかもしれませんが、お隣の岩手に比べてかなりヴァイオリンソロコンサートは些少です。（クラシックコンサート自体、岩手県のほうが多いですが。）
　そんなことを憂いていた折、2004年にヴァイオリニストの渡辺玲子さんが秋田県立国際教養大学（AIU）の特任教授（当初は確か助教授）に就任し、状況はだいぶ変わりました。渡辺玲子さんはニューヨークを拠点として活動されているヴァイオリニストですが、音楽に造詣の深かった故中嶋嶺雄学長の人脈により、はるばる秋田まで来てくださいました。当初は数回講義をするだけなのかと思っていましたが、渡辺さんは「秋田の人々にもっと音楽を」という素敵な考えをお持ちで、年に数回、しかも’格安’でコンサートを開いてくれます。先日行われたクリスマスコンサートでは、プログラムの一部を事前アンケートで決める、という面白い趣向で行われたりもしました。
でもそれだけではありません。私の一番のお気に入りは、渡辺さんの公開講義です。一つ一つ曲の解釈や音楽史をお話しされながら弾いてくださるのですが、トークも面白いし、説明を受けてから聴くヴァイオリンは感慨深いものがあります。アトリオンで開かれたこともありましたが、一番感動したのはAIUの講義室で開かれた時です。そんなに広くはない木造の素敵な講義室で、間近にトークとヴァイオリンの演奏が聴けてとても幸せな気分でした。一般公開なので基本的に日本語での講義ですが、外国の学生もいるので時折英語でのディスカッションが入り、何とも国際的な雰囲気でそれもまた楽しいです。次回の開催を楽しみに待っているところですが、今のところAIUの講義予定に記載はないので、残念ながら今年度はないのかもしれません。
だらだらと書いてしまいましたが、以上が私の「癒し」の一つです。ご興味のある方は是非コンサートに足を運んでください。
次回は秋田組合病院のスーパー外科医、遠藤和彦先生にお願いしたいと思います。

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