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<ペンリレー>

発行日2013/03/10
市立秋田総合病院  阿部 正人
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ジョギングと雪かき
 
 今から3年ほど前、社会人になって初めて作った(20数年前のことです)スーツを着てみた時のことです。腹の周りと、太ももの周りがパンパンであることに気付き唖然としました。学生時代に比べ、それ程体重は増えていないと思っていたのに ....。 正直、ショックでした。筋肉が脂肪に置き換わったためと思われました。そこで、いろいろ考えた末、朝のジョギングを開始することにしたのでした。
ジョギングというと、これまでは、とにかく、できるだけ速いスピードで、目標の距離を走るというものでした。今思うと、決して長続きすることはなく、根性を多少鍛えるくらいの効果しかありませんでした。
以前に、何度かジョギングを始めては挫折した経験がありましたので、まずは、長続きさせるために、ジョギングについていろいろ調べることにしました。
すると、以下の興味深いことがわかりました。

①ジョギングにより、脂肪の燃焼し、エネルギーに変換しやすい体質になる(=脂肪を燃焼する酵素が増える)。
また、全身の毛細血管も増える。
②人の脂肪は、どんなに極限状態になっても完全に使い切ることはないので、脂肪を効率的に利用できる体になれば、無限のパワーが得られることになる。
③脂肪の燃焼には、心拍数を上げすぎてはならず、年齢に応じて適切な心拍数がある。
[最大心拍数=220-年齢。 最大心拍数の65-85%で運動すること。]
④運動開始から15分以降で脂肪の燃焼が始まるので、1回に30分程度で十分。

そこで、これらをもとに、走る距離は設定せず、目標の心拍数を維持しながら、とにかく30分走ると言う目標を立てました。実際、この程度であれば、走りながら会話することができ、強度的にも、ほとんど、苦しさはなく、根性もいらないことがわかりました(但し、継続するための根気は必要です)。結果的に大雨や、大雪の日以外は、ほとんど続けることができました。かなりスローペースなので、ストレスなく走れ、膝にも負担がかかりませんでした。
 このようなジョギングを開始してから、徐々に脂肪も落ちて体重も落ちてきました。
そして、このジョギングの知識を、冬は雪かきにも応用することにしました。つまり、目標心拍数を維持しながら、雪かきをするように心がけました。すると、雪の多い日は、これまで、雪かきのためにジョギングはできませんでしたが、ジョギングと同じような脂肪の燃焼効果が得られることがわかりました。ここ数年は、特に雪が多いことから、ジョギングができない日も多かったのですが、順調に脂肪を燃焼することができました。

最近では、周りの人に、「最近、やせました? どこか、体でも悪いんですか?」などとよく言われます。あまりに、言われるので、自分でも、この体重の減り方は、病的なのだろうか、周囲からは具合悪そうに見えるのだろうか等と一瞬思ったりもしました。しかし、ジョギングや雪かきをしても特に疲れないし、パワーが落ちているという感じもないので、病気ということではないだろうと思っています。

19歳の時からこれまで、30年近く、筋トレを細々と続けてきました。 始めた当初は、とにかくパワーをつけたい、筋肉を大きくしようと夢中になっていました。現役時代に比べ、練習量、食べる量が大きく減り、現在はピーク時より体重は約15kg減で、パワー、瞬発力もともに落ちました。
しかし、膝や肩、腰などの故障もなく、体の状態としてはほぼベストに近い状態と思っています。今思えば、昔は、外見上は健康的でしたが、しばしば、腰や肩を痛め、風邪もよくひいており、よっぽど不健康であったと思います。

健康的になってきたと思っている現在、周囲から体のことを心配していただき、逆に、実は不健康であった若い頃は、健康と思われていたことはとても不思議な感じがします。

 また、世の中、何が幸いするかわからないとも思い、日々感謝する今日この頃です。
 
 ペンリレー <ジョギングと雪かき> から