トップ会長挨拶医師会事業計画活動内容医師会報地域包括ケア介護保険について月間行事予定医療を考える集い学校保健関連

<ペンリレー>

発行日2013/02/10
秋田組合総合病院  小西 奈津雄
リストに戻る
私のささやかな楽しみ
 
 学生の頃から続いている私のささやかな楽しみのひとつにドライブがある。一口にドライブ好きと言ってもいろいろなタイプがある。車を運転(操る)こと自体が好きな人、アウトドア関係など目的地に楽しみがある人、途中の景色などを楽しんだり移動の過程が好きな人などなど。私はスポーツカー好きでもないし、いずれかと言えば過程を楽しむタイプかもしれない。もともと中高生のころから自転車で郊外にでかけたりするのは好きだったこともあり、車に乗るようになるとたいした用事が無くてもぶらっと車で出かけることが楽しかった。
 大学生のときに初めて手にした車はSUZUKIのアルトであった。今から30年くらい前の話ではあるが、当時もアルトはダイハツ・ミラと並んで日本が世界に誇る軽自動車の雄であった。もっともあの頃の軽自動車は今の豪勢な軽自動車とはまるで違い実用本位の商業車である。エアコンなどは高嶺の花で、無くて当然、夏は暑く、窓を開ければ蜂が飛び込んでくる始末である。カーオーディオも贅沢品で、安いラジカセを買って後部座席に積んでいた。そんな車であったが妙な愛着があった。冬道でスタックしても自分でバンパーを持ち上げて脱出したりすることも可能であった。アルトでは主に県内の国道を走破した。夏や秋の天気の良い午後には授業をサボって急にドライブに行くこともあった。今にして思えばすごく狭い車内空間だったと思うがその妙なタイトさがまた良かったような気がする。
 社会人になって次に乗ったのがHONDAのプレリュードである。この車は憧れの車でどうしても欲しかった。高出力エンジンに4輪操舵・リトラクタブルヘッドライトなどのギミックが当時の若者のやんちゃ心を鷲掴みにしたのである。まぁ、当時のスポーツカー(厳密にはスポーツカーではなく“スペシャリティ・カー”というカテゴリーであったが)のスペックは今の車に比べたら可愛いものであったが。そういえば、ちょうどカーオーディオもデジタル化し始めてカセットからCD+MDの時代に移行してきた頃である。プレリュードは5年間、10万km以上乗った。今でもすごく好きな車であるが、車高が低くFFであるがゆえ、大雪の冬には1シーズンに何度となく駐車場内でスタックし、仕事に遅れそうになったりするものでやむなく買い換えすることになった。
 そのタイミングで発売になったのがTOYOTAのRAV4V(5ドア仕様)であった。今でこそ、この手の初〜中級SUVは各社から販売されているが、当時はRAV4がその走りであった。いつもながらTOYOTAの先見の明には驚かされる。サイズも大きすぎず小さすぎず、それなりの車高と4駆システムを有し、スタイルも若干ワイルド(笑)系。本格的な悪路走破性はないが冬道くらいは楽勝である。この車では東北地方全域まで脚を伸ばすようになった。またいろいろなパーツを社外品に交換したりすることを覚えたのもこの車からである。この車も5年で10万kmを超え、ぼちぼち物足りなくなってきた。
 プレリュードのようにすごく欲しい車も見当たらず、どうしようかと悩んでいたところ、盛岡でふと立ち寄ったのがJEEPのディーラーだった。かつてJEEPはHONDAと提携して国内でチェロキーを販売していた。この時期にチェロキーが国内で爆発的に売れ、今も中古市場に出回っている。そのディーラーで出逢ったのが発売直後の2代目JEEP GRAND CHEROKEE(99年型WJ)であった。そのグラマラスなボディラインと先進の四駆システムに打ちのめされてしまい、数ヶ月後、私の4代目の愛車となった。
 このJEEPとの出逢いはその後の私の人生を大きく変えた。JEEPを通じて実に多くの人たちと知り合うことができたからである。それは10年以上を過ぎた今も続いている。JEEPに乗るようになり関東はもちろん関西まで車で出かけるようになった。そこでは飛行機や新幹線では味わえないいろいろな景色を見ることができた。99年型WJも7年過ぎ18万kmのときに自損事故で廃車になった。車は亀のようにひっくり返ったが、5枚のドアはすべて開き、自分もかすり傷一つ無かった。改めてアメ車の頑丈さに驚いた。
 そして次に買ったのが中古の03年型WJである。そう、すでにWJはモデルチェンジしていたため中古車しかなかったのである。高崎の中古車ディーラーまで日帰りで出かけ、買ったのが現在も乗っている5代目の愛車である。まさにJEEP馬鹿である。この車もすでに13万kmを走破しているが、いつか機会があれば九州まで行ってみたいと思っている。

次回は秋田組合病院 麻酔科の岩崎洋一先生に依頼しました。
 
 ペンリレー <私のささやかな楽しみ> から