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<ペンリレー>

発行日2012/03/10
片岡内科医院  片岡 英
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バーレーンにいってきました
 
 私の趣味であるサッカー観戦のお話をしたいと思います。
 私がサッカーにはまったのは高校生の時でした。サッカーJリーグが華々しく開幕し、その後日本代表のワールドカップに至る様々なドラマ(ドーハの悲劇からのフランスワールドカップ初出場など)を目の当たりにし、完全にサッカー観戦のとりことなっておりました。東京の大学に進学し、次第にスタジアムに足を運ぶようになり益々サッカーにはまっていきました。これまでJリーグ、日本代表、トヨタカップなど日本国内で行われたサッカーの試合を100試合程度観戦してきました。医師になり当初は忙しく足が遠のいておりましたが、次第に時間がとれるようになると週末や長期休暇を利用し、日本各地のスタジアムに足を運びその土地ならではの美味しいグルメをいただき、美味しいお酒をいただくのをちょっとした楽しみとしておりました。そのような中でなかでさらなる刺激を求めるようになり、より遠くのスタジアムへ、よりアウェーの状況を求めるようになってきました。そこで私がまだ秋田大学に在籍していた2008年夏季休暇を利用して、後輩の先生と初めて海外にサッカー観戦に行くことにしました。1週間の夏季休暇を利用しサッカー観戦ツアーに出ることを計画いたしました。その時ちょうど良いタイミングでサッカーワールドカップ南アフリカ大会のアジア最終予選が始まりました。これしかないと判断しアウェーの地へ乗り込むことを決めました。行先はバーレーンです。バーレーンは中東にあり、ペルシャ湾にうかぶ人口約120万人(秋田とあまり変わらない)小さな島国です。大きさは東京23区より少し大きい程度のようです。2008年9月4日、家族の多少の心配と本当にバーレーンまで行くのという冷たい視線に見送られ、中部国際空港発のエミレーツ航空ドバイ空港行きの飛行機に乗り込みました。約9時間のフライトを終えドバイ空港に到着し、現地のよく分からない飛行機に乗り換え1時間のフライトを経て決戦の地バーレーンに到着いたしました。バーレーン到着の第一印象はとにかく暑い。日本の真夏より5―10度くらいは高く(9月の平均最高気温はなんと41.8度)、日差しがとにかく強く、露出している肌が痛い。なるほど現地の人はほとんど長袖の白いワンピースのような服に白いスカーフみたいなものをまとっている。テレビでよく見る格好だ。暑いときに長袖のほうがいいということを身をもって知りました。暑さとともに困ったことが生じました、それは9月がラマダンだったということです。ラマダンで困ることは二つあります。ひとつ目にはどれだけ暑くても日中は人前では飲食ができないことです。旅行者や非イスラム教徒には適応されないと聞いていたましたが、カフェやレストランも閉まっているし飲みたくても飲めない状況に陥ってしまうのです。そのような状況なので日中はホテルのプールでゆっくりし、クーラーのきいた部屋で休み部屋でコーラを飲むことにしました(旅行者向けホテルのレストランはラマダンでも営業しておりそこでの飲食は可能でした。ただし電気を消し扉を閉め表向きは閉まっている雰囲気を作るようです)。二つ目には、アルコールが飲めないことです。レストランやバーでもお酒は提供せず、スーパーにもお酒はなくノンアルコールビールが置いてあるだけです。困った私はホテルの従業員にお願いしてみました。すると最初は「話にならないよ。ラマダンだよ、ムリムリ。」と言っていましたが、仕方ないなぁといってホテルのどこかからか瓶ビールを持ってきてくれました。言ってみるものです。彼に大量のチップを渡し、初日はホテルでビールを飲んで寝ることにしました。二日目はタクシーを貸し切り島内観光に出かけることにしました。世界的に有名な観光名所はないものの、世界遺産である14世紀に造られた「バーレーン要塞」、非常に巨大なガラスドームを要する「グランドモスク」などの歴史を感じさせる建造物は非常に壮大で感銘を受けました。また国土の大半が砂漠でありその存在自体も非常に日本人にとっては珍しく、道路に並走して走る石油パイプラインもこの国ならではの光景と思えました。そのほか砂漠のど真ん中にただ一本だけ立つ巨木「生命の木」、こちらも砂漠のなかに突如存在する「F1バーレーンサーキット」、日本にもおなじみのブランドショップもある巨大ショッピングモールなど、非常に充実した観光を楽しむことができました。ちなみにタクシーが途中で給油していたが、満タンにしても1000円以下であった。1Lあたり20円以下の計算である。さすがは産油国である、驚きの安さでした。さて夜は本来の目的であるサッカー観戦です。日中は暑すぎるので試合時間は21時30分開始でしたが、その時間でも暑さは全くと言っていいほど変わっていません。低く見積もっても35度はありそうです。座っているだけでも汗が噴き出てきます。日本から来たサポーターは全部で約30名程度です。私はいわゆるコアサポーターではないので、チャントといわれるサポーターソングを歌ったり、とび跳ねたりはせずゆっくりと試合を見入るほうです。しかし今回は、日本人30名vsバーレーン人約10000人。これは私がやらないで誰が応援するのかという愛国心が出現、汗が流れおちるのも気にせず歌い叫び続けました。結果は3対2で日本の勝利でした。ホテルで飲むビールの美味しかったことといったらありません。日本はこの勝利のあとも順調に勝ち点を重ね2010年南アフリカワールドカップに出場し、ベスト16という素晴らしい結果を手に入れることができました。微力ではあるがその快挙に貢献できたと勝手に思っています。それから数年がたち、私は大学勤務を終了し、父の医院を継承したため長い休みがとりにくいこともあって、このような海外サッカー観戦に行くことが難しい状況となっています。いまは、2014年ブラジルワールドカップは無理だよな?2018年のロシアは危ないかな?2022年のカタールなら何とか行けないかな?などと妄想している状態です。日本でまたワールドカップを開催してくれることを心待ちにしております。
 次回のペンリレーは、笹原秀明先生にお願いしました。
 
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