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<ペンリレー>

発行日2011/08/10
外旭川病院  三浦 進一
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「ハマる」ということ
 
 良く言えばマニア、悪く言えばオタクである「ハマる」ということは、何かに熱中できるという生きがいにつながる大事なことではある。しかし、度を過ごすと病気の誹りを免れない。何時の頃からか、常に何かに「ハマっている」小生はやはり病気なのだろうか。そんなことに夢中になる暇があったら少しは仕事や部屋を片付けろと神様の声が聞こえてきそうだ。
 大学生の頃からいまだに続いているとすれば、LP、CD、ハイヴィジョン放送を含めたクラシック音楽のレコード、映像集めであろうか。コレクションの真髄は、テーマは何であれ、コンプリート・コレクションに尽きる。例えば俵孝太郎氏の、クラシック音楽の中で日本の学生オーケストラの録音を全て集めるといった類である。小生の目指したのは古今東西のクラシック音楽の名曲の、名演奏を、しかも現在入手しうる最も美しい映像や録音のいいものでという途方もないことであった。何が始末に負えないかというと、新譜やあらゆる放送媒体を観聴きしなければならないということ。当然ながら買いそびれ、聴きそびれがざらにあり、評論などでその真価を知り、最近はどんなに良い物もすぐ廃盤になるので、中古店で探し回るはめになるのだ。結局、未来永劫残すべきかどうかは人それぞれ価値観の違いから評価が定まらず、やはり自己満足だけで終わることを最近やっと覚悟したしだい。
 それに比べればテレビのドラマや連作の映画などにハマるのはテレビ好きの方ならよくあることで、期限付きなので罪は少ないであろう。小生も、「おしん(少女編)」などのドラマやNHKの大河ドラマ、シリーズになった洋画などの話題作をより良い映像で残すことに腐心してきた。最近は韓流ブームで、世の中年女性(失礼)が男優の追っかけになっているという話を聞く。小生もやはり韓流ドラマにハマリ、最初は「冬のソナタ」、次は「チャングムの誓い」で、日本での流行からかなり遅れてのハマリ方であった。今は「イサン」と「トンイ」であろうか。ただし、映像のコレクションは続けているものの、録画したというだけで安心し、いつでも観られるからとまだほとんどちゃんと視聴していないのは問題だ。東日本大震災で停電になった時には録画ができず、衛星放送での「イサン」の1話分が録画できなかったので、コンプリート・コレクションに欠落が生じ、がっかりしていたところ、何とNHKが特別に再放送してくれたので本当にうれしかった。しかしながら、どの放送局もそうだが、最近は「ただいま地震がありました」のテロップが頻繁に流れ、残念ながら永久保存版のコンプリート・コレクションは当分できそうもない。お願いしたいのは、震度1や、津波の心配の全くない小さな地震まで、長々と画面に出し続けないでほしいことだ。そして次は医事新報で紹介されていた「ホジュン~宮廷医官への道(1999年韓国)」にハマる予感がしている。
 そして今は「のだめカンタービレ」である。いつ秋田で放送されたのかも知らず、「べト7」が若者の間でバカウケしている原因くらいにしか認識していなかったのが、家の子供が友達から借りてきたDVDを観てクラシック音楽の指揮者千秋真一の成長譚と、漫画が原作なので、ギャグ満載で展開されるピアニスト、野田恵(のだめぐみ)との恋愛を交えた、音楽芸術における天才たちの不思議な世界についハマッてしまったのである。テレビ番組のヒットに気を良くして製作された映画版によるその後の展開も外国のオーケストラや有名なホールを使用していて楽しめた。もしまだご覧いただいてないクラシック音楽好きの方はぜひ一度ご視聴あれ。
 これまで生きてきて考えることは、「鉄道模型」と「天体観測」にハマらなくて良かったということだ。今も強い興味はありつつも、それにのめりこんでいれば、今この仕事をしていたかわからないし、結婚も含めて人生そのものがきっと全く別のものになっていたと思えるのである。
 長々と「オタク」のたわごとにお付き合いいただきありがとうございました。次は同じ泉外旭川班の「さんのへ耳鼻咽喉科クリニック」の三戸聡先生にお願いしました。小生よりずっとまともな趣味をお持ちのはずです。
 
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