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<ペンリレー>

発行日2010/09/10
きびら内科クリニック  鬼平 聡
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ふるさと日光のお勧めスポット
 
 今回のペンリレーでは少し自分のふるさとを紹介したいと思います。私の生家は栃木県の日光市です。今は胸をはって日光市といえるのですが、これは市町村合併のおかげで、合併前は今市市という地名でした。これは「いまいちし」と発音するのですが、最近こそ死語になりつつあるものの、10~20年前には「いまいち」というありがたくない形容詞がはやったおかげで、全国的に笑いものにされていた時期もありました。最も自己紹介の時に、それで笑いがとれるというメリットもございましたが・・。
 「いまいち小学校、いまいち中学校を卒業し、…」という自己紹介、また鬼平(きびら)という聞き慣れない名前を耳にすると大抵の方は名前を覚えてくれます。ただよいニュースばかりならよいのですが、一族の悪いニュースがでた場合には悲惨です・・。
 旧名の今市という場所は、旧日光市街地より6kmほど東南東にあり、東京方面からくると、日光方面と鬼怒川温泉への分岐点にあたります。日光といえば杉並木がとても有名ですが、そのベストスポットは旧今市市内にあり、私の生家から歩いて5分ほどでその杉並木の中に入ることができます。この今市地区の杉並木が他の杉並木よりも景観的に優れているのは、杉の健康維持のため、車道を杉並木の外側、南側に設置し、並木道の旧道を昔の未舗装のままにしてある点でしょう。
 杉並木の木立の中は真夏でも涼しい風が吹き抜け、杉木立の足元には可憐なガクアジサイが咲き、散歩にうってつけです。杉並木の中は樹齢約400年の古い大木が並び、旧道の両側には小川も流れ、涼しさを引き立てています。杉並木自体が歴史的な景観ですが、その並木の数本には戊辰戦争で打ち込まれた大砲の弾痕が今でも残っております。杉並木の北側には冷たい湧き水の流れる小川があり、そこには大小様々な水車が並ぶ水車公園もあり、小川のせせらぎ、ひぐらしゼミの涼しげな鳴き声も楽しめます。水に手を入れればその冷たさに驚かされます。
 続いて日光の隠れ観光スポットをいくつかご紹介します。そのひとつは三代将軍徳川家光公の霊廟である大猷院です。ここは日光最大の観光スポット東照宮の左奥約500mに位置しておりますが、東照宮だけを見物されて大猷院を素通りされていく方が多く、東照宮の人だかりとはうってかわった静かな場所となっております。家光公の霊廟であるため、家康公の霊廟である東照宮よりもサイズは控えめなのですが、過度の華美を避けながら、しかし洗練された建物の美しさは、決して東照宮にひけをとるものではありません。雑踏をさけながら、静かに江戸時代の美術工芸の極致を堪能できます。
 日光の東照宮を右手にみながら国道を西へと上っていくと、その昔、クルマの走り屋たちの聖地として有名だったいろは坂があり、坂を上るとその先に満々と青い水をたたえた中禅寺湖がみえてきます。さらに中禅寺湖湖畔の国道を奥へと進むと、湯ノ湖という周囲3kmほどの小さな湖にたどりつきます。湯ノ湖湖畔には湯元温泉があり、その源泉の一部が湖に流れ込むため、水温が高めで水草が繁茂し、水の色も中禅寺湖の青に比べ、緑色と色合いが明らかに違います。湯ノ湖はその南東部から落差50mの湯滝となって流れ落ち、湯川となります。私のお勧めの散策コースはこの湯滝展望台駐車場に車を停め、湯滝の眺めを楽しんだあと、湯川にそって歩く散策路です。奥入瀬渓流とやや似た眺めですが、奥入瀬渓流のせっかくの眺めを台無しにしている(個人的見解です)無粋な車道とはるか離れた静かな散策ルートです。傾斜もゆるやかで、年配の方にも負担にはならないでしょう。ゆるゆると流れる湯川に沿って、30分も歩くと急に視界がひろがり、広大な戦場ヶ原を見渡すことができます。戦場ヶ原の奥には、なだらかな稜線と丸い頂上をもつ男体山(2484m)が堂々とそびえ立っています。戦場ヶ原の中の木道脇には様々な高山植物や、赤いワレモコウ、ワタスゲ、アザミなどが咲いており季節ごとに花の彩りを楽しむことができます。戦場ヶ原を抜けて、さらに針葉樹林を抜けていくと、湯川が流れ落ちていく竜頭の滝となりますが、この滝はまるで水の滑り台のようで、210mもあるとても長い滝です。滝の上にかかる橋からは、竜頭の滝が流れ込んでいく青い中禅寺湖、その左手の男体山を一望することができます。滝沿いの緩い坂道をおりていくと、滝壷の展望所である龍頭之茶屋にたどりついてゴールです。路線バスで湯滝展望台のマイカーまで戻ることができ、2~3時間の下りのみの気軽なルートで、最高の森林浴ができること請け合いです。
 最近は、残念ながら日光観光へ出かける機会も少なくなってしまいましたが、おすすめスポットをいくつか御紹介させていただきました。
 次回のペンリレーは、大学時代からのエコー仲間、クルマ仲間である熊谷内科医院 熊谷 肇先生にお願いしております。

 
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