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<ペンリレー>

発行日2009/08/10
五十嵐記念病院  児玉 隆仁
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ベースを少々・・・
 
 五十嵐記念病院内科の児玉隆仁です。昨年2月に男鹿南秋医師会から編入(?)し目立たないようにひっそりしていたのですが、大学で同期の中通総合病院成田裕一郎先生に見つかってしまいました・・・
 成田先生から「ジャズの話をせい!」とのこと。実は私、趣味でジャズをやっております。楽器はベース。コントラバスとかウッドベースとかいわれている、バイオリンの形をした一番大きいやつです。ちなみにエレキベースは弾けません(一度だけウッドベースがなくて、エレキベースを縦にして真面目に演奏していたのに、笑われたことがある)。昨年は、どこでバレてしまったのか、秋田組合総合病院坂本名誉院長から「東北医師会連合会の懇親会で演奏してくれ」と頼まれてしまい、高名な先生方の面前で、しかも県医師会長である小山田先生のバックで、この暑苦しい顔で厚かましくも演奏してしまいました(小山田先生、後ろで変な音出してごめんなさい)。
 私のジャズとのかかわりは予備校生の頃に聞き始めたのがきっかけでした。サックスのかっこよさに憧れて、大学に入ったらサックスを吹きたい!(そして女にモテたい!)と思っていました。ところが入学したところ、ジャズ研は存在していたらしいのですが、ほとんど活動をしていない状況で一切勧誘もなし。思えば入学した昭和58年頃はクロスオーバーとかフュージョンとか呼ばれていた音楽が全盛で、ジャズはかなりマイナーでした。で、同期入学の佐竹というやつ(現在は千葉県在住)から、
 「音楽やりたいんだったら室内弦楽合奏団に入ってみないか?」
と誘われ入部したところ、先輩から
 「お前、指太いからコントラバスやれ」と・・・
 そんな殺生な・・・(モテそうにないし・・・)でもまあやってみるか、と音楽人生がスタートしました。
 実はそれまで楽器はリコーダーくらいしかやったことがなく、譜面を見た時、この世に「へ音記号」なるものが存在することを初めて知りました。
 ところで皆さん、コントラバスがバイオリンとは起源が違う、異なる楽器であることをご存じでしょうか?バイオリン、ビオラ、チェロは起源がいっしょでバイオリン属、いずれも5度調弦で弦4本、背中の裏板に丸みがあります。コントラバスはヴィオローネが起源、4度調弦で基本的に背中はフラット(実は丸いのもあるが)、しかも弦が4本のものだけでなく5本のものもあります。その昔は7本というのもあったそうです。
 最近はどう認識されているか知りませんが、コントラバスはあまり興味を持たれる楽器ではなかったと思います。ブラスバンドでもよく見かける楽器ですがほとんどがやる人がいなくて回されてしまう楽器、やりたくないのに嫌々やらされてしまうパートでしょう。では何故コントラバスが必要なのか?これは、あのガタイの大きい箱があること自体に意味があるのだそうです。他のすべての楽器の音を吸って、すべての楽器の音を含ませて共鳴させる、そしてコントラバス自体を鳴らせばさらに響きとして広げることができる。これは演奏中にコントラバスを弾かずに手や体で支えているだけでわかります。「じゃあ、置いておくだけでもいいじゃないか」というッッコミは無しで・・・
 やらされたはずのコントラバスでしたが、実際にやり始めるとその魅力にどんどん引き込まれました。へたくそでいい音はなかなか出ませんでしたが、鳴らした時の深みのある音、その心地よい響きを体に感じてしまうと、もう抜けられなくなっていました。音楽のセンスは持ち合わせておらず、ひたすら反復練習でカバーするしかありませんでした。
 そんな中、ジャズ研が医学部に実在することを知りすぐに入部。当時のジャズ研部員は私を含めて3人・・・トランペット、ドラムの先輩2人とサックスをやりたい私・・・
 「ベースがいなきゃ演奏にならないからお前、ベースだ」
 今度は二つ返事でOKでした。
 ひたすらベースの練習に明け暮れ、音楽:勉学=9:1の学生生活となりました。
 その後トロンボーン、サックス、ピアノ等々の学生が年を追うごとに入部するようになり、今年のジャズ研はなんと総勢40名を超える大所帯となっているということです。何故ジャズが今の若い学生さんたちに人気なのかわかりませんが、私が入部した頃を思い出すと隔世の感があります。
 さて、秋田大学医学部ジャズ研では「Out of Bounds」というOBバンドがあります。私はここでベースを弾かせてもらっています。今まで2枚のCDを、大潟村にある「河内スタヂオ」で録音しています。
 1枚目は「Here,We Have Been Through」というタイトルですが完売してしまいました。2枚目は「Stable Solid」というタイトルでまだ少し残っています。自画自賛になりますが「Stable Solid」はすべてオリジナル曲でいい演奏です。もし聴いてみたいと思われる先生がいらっしゃいましたら私までお問い合わせ下さい。
 また、このバンドで来たる10月11日(日曜)、秋田市大町にあるジャズライブハウス「The Cat Walk」でライブを行うことが決定しました。何年か振りのライブですので演奏はあまり期待できないのですが、もし宜しければ足をお運び下さい。
 最後に私お勧めのジャズCDをご紹介します。

「Witnessing」…Lars jansson Trio
 スウェーデンのピアノトリオです。非常に洗練された演奏でBill Evansを彷彿とさせます。
「Pasodoble」…Lars Danie lsson
 同じくスウェーデンのベーシストのアルバム。ジャズはちょっと苦手という方にお勧めします。
「Delivery」…北村英治
 大潟村「河内スタヂオ」で録音。オーディオ誌「Stereo」で高評価。
 オーディオ再生装置チューニングにどうぞ。
 次は私と医局で同門である長谷山医院の長谷山俊之先生にペンリレーをお願いしました。よろしく・・・
 
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