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<ペンリレー>

発行日2008/03/10
秋田組合総合病院  小松 真紀
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2月の雪の日に思うこと
 
 昨年の秋、体重は100kg近く、肝機能が3桁という小学生に関わりました。体型は家族的要因も関係してそうでしたが、学校医のすすめもあり、食事指導、運動指導などのため5日間(秋休みを利用して)入院してもらいました。その間で体重は2.5kg減となり、継続することと冬休みの再診を確約しました。
 目に見えた効果が出る前に、挫折してしまうことは自らのこれまでの経験で良く知っているだけに、歯切れも悪く押しが弱くなってしまいます。そのためだけという訳ではないけれど、ちょうど腹回りも気になりだし、何とかしなければと思っていた時で、ビリー隊長の元へ入隊しようかとも考えましたが、世の中の話題性も薄くなりつつあり今更なので、単に走ることを思い立ちました。毎日だときついのでかなり低設定の週1回としました。走り始めるのは大抵夜10時を過ぎたくらいからです。今日こそはと決めてから体が動くまで時間を要します。ついには指令が伝わらず没になることも度々です。こんな遅い時間に走っていると怪しい者と間違われないかと心配しながら外へ出てみると、意外と同じように走っている人も結構多いことに気づきます。10kmくらい軽く走れそうな若者や、スローぺ一スの熟年の方など。その他にも塾帰りの中学生の集団なども見かけます。広面から駅東口へ向かい調子が良ければ手形から秋高方面へ。ここで選択に迫られます。足が持ちそうにない時は坂を上ることにします。距離は短くなりますが、登り坂も楽ではないので結局歩いてしまいます。カーブも多くあの坂を夜に反射板もつけず、しかも黒っぽいウエアーで通るのはかなりの命がけです。先ほどの分かれ道で足元が軽いとさらに遠回りし、新藤田を通って手形山トンネルを経由するコースを目指します。新藤田郵便局付近まで来るとこっちに来るんじゃなかったと後悔しながらも、家に帰るには進むしかないと諦め漸く横山金足線へさしあたります。ここは毎日病院への往復としている道ですが、車で通るのとでは違った感じもします。広面方面へ向かってトンネルヘさしかかると、その手前右側にトラックのトレーラーが置かれており、よく見るとその中では馬が2頭飼われています。こんなところで馬を飼うことが出来るんだ、と思いながら、この馬はめちゃくちゃ運動不足?とか馬もカゼをひくのかなど考えてしまいます。トンネルの壁の落書きに気をとられ、息切れもピークに達する中でトンネル内の排気ガス混じりの空気を大量に吸い込みながら、トンネルを抜けると市内の夜景が右手に見えてきますが、堪能している余力などもはや残っていません。後は下り坂を調節のきかなくなった足で転げ落ちるのみです。
 雪が降ったことを、天からの心遣いとありがたく解釈し週1の目標が月1以下というかほぼゼロですが、今回も長続きしないことはまだ認めてはいません。このペンリレーの原稿を書いたことを機に再始動しようと思っていたところで再び寒波がやってきてしまいました(これを書いているのは締め切り直前の2月13日です)。もう少し屋内に潜んでようというところです。
 それはさておいて、冒頭の小学生の彼は予定の冬休みには受診しませんでした。それでも彼だけでも続けていてくれるといいのですが。

 次回は同じ病棟でお世話になっている、当院産婦人科の佐藤朗先生にお願い致しました。

 
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