トップ会長挨拶医師会事業計画活動内容医師会報地域包括ケア介護保険について月間行事予定医療を考える集い学校保健関連

<ペンリレー>

発行日2008/01/10
工藤整形外科医院  工藤 卓弥
リストに戻る
NHKのすすめ
 
 最近、ハードディスクレコーダーを購入して、いろんなテレビ番組を録画しては、自分の好きな時間に見るのが楽しみとなっている。そこで、今、私がはまっている番組の中で特にNHKのものに絞って話してみたいと思う。
 まず、なぜNHKの番組を選んだかと言うと、これはあくまで個人的意見なのだが、他の民放番組に比べると、よりまじめでわかり易く、画質も優れ、さらに問題に対する関わり方が、私にとって大変好印象だったからである。
 一方、NHKに対しては悪いイメージも少なからず持っている。例えば、職員の不正行為や視聴料の徴収率の低下などである。
 しかし、そのことを差し引いても、NHKはいい仕事をしていると私は思っている。そこで、最近気になっているNHKの三つの番組を挙げてみた。
 1つ目は「NHKスペシャル」である。
 この番組は、今、旬の社会現象を現場のリポートや専門家の分析を交え、わかり易く伝える内容のものが多く、この間、放映された「激流中国」シリーズでは、2008年の北京オリンピックに向けて大きく動きだしている隣国中国が、急激な経済発展と社会主義体制の歪みの中で生じてきている様々な問題や格差をいろんな視点から伝えており、今までイメージしてきた中国像とは全く違う印象を持つと同時に、中国に対して脅威を感じて驚かされた。
 また、日本の食料自給率の低下をリポートした内容のものは、今まさに自分の身の回りの食の安全が危機的状況にあり、世界のグローバル化の波が日本の米作農家に襲いつつある現状を伝えていた。この他にも医療問題を扱ったものや、文化的、科学的内容のものもあり、映像的にもインパクトのある大変興味をそそられる番組である。
 2つ目は「爆笑問題のニッポンの教養」である。
 お笑いと科学が好きな私にとってこの企画はかなり面白く、多くの最先端の科学的知識をわかり易く教えてくれる。ただ単に科学的情報をわかり易く伝えると言うのでは、NHKのサイエンスゼロといった番組もすばらしいが、それに加え、この番組では、爆笑問題の太田光氏が最先端の研究をしている科学者や専門家に対して、彼独特のこだわりや切り口で質問をしたり、持論を展開したりして、丁々発止のやり取りを行い、互いに好奇心を刺激し合い、科学者や専門家の考え方と本音を引き出している。
 3つ目は「視点、論点」である。
 この番組は、早朝に10分間だけ放映されていて、いろんな分野の専門家や知識人がそれぞれの知識を生かし、今、伝えたいテーマを短時間にまとめて、わかり易く、視聴者に向かってスピーチする単純な構成のものである。そのため、内容が濃く伝い手の熱意が強く感じられて、いつも見るたびに妙に納得させられてしまう。
 最後に、日頃から活字媒体を通して知識、情報、教養を得ることが少ない私にとって、これらの番組が大いに有意義なものとなっていることは確かである。そして、これからも、このような番組が続いていくことを願っている。
 次のペンリレーははらだ小児科医院の原田健二先生にお願いしました。
 
 ペンリレー <NHKのすすめ> から