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<ペンリレー>

発行日2006/12/10
おのば腎泌尿器科クリニック  佐藤良延
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山陰への一泊二日の旅
 
 開業して3年2ヶ月経った。勤務医の頃は交代で日曜・祝日の休暇、夏期休暇・年末年始休暇をいただいていたが、開業して医者一人で透析も行っているので、日曜日以外休みが全くなくなってしまった。望んで始めたクリニックだが、最初は何でここまで仕事しなくてはいけないのだろうと思った。しかし、最近は割り切って土曜の午後から日曜にかけてはできるだけ旅に出てストレスを発散しようと思っている(周りからは余計疲れるから止めろといわれているが・・・)。幸い空港まで車で30分で行ける場所にクリニックがあるので、土曜の透析が14時頃に終わると、急いで車で空港まで運転し、14時50分発の羽田行き飛行機に乗り込むことが多い。おかげで今年はANAのブロンズカードをもらった(海外旅行には決して行けないでの、ゴールドメンバーカードは絶対にもらえない)。いつも一泊二日の旅である。
 当院透析患者の緊急時の連絡のために、勝手ながらドコモの携帯電話が使えない状況は連続して2時間以内と決めている。つまり、2時間以上の飛行時間は避けなければならない。さらにあまりの田舎や山の上のような電波が届かない地域には泊まれない。このような制約がありながら、今年も何回か旅に出た。今回は8月に島根・鳥取に行った時の事を報告する。
 8月に中学生の息子と私の故郷の島根県松江市に墓参りに行った。いつものように14時50分発の羽田行きANA機に乗った。羽田で約2時間の待ち合わせ(この時間はもったいない。以前は約30分の待ち合わせで出雲空港行きJAL機に乗れたのだが、羽田空港ターミナルが二つに分かれたために乗り継ぎできなくなった)で米子空港行きに乗った。米子空港に着いたのは19時30分を過ぎ、バスで松江に着いたのは21時過ぎであった。ちょうど花火大会の日で、バスから宍道湖に打ち上げられる花火がみえた。松江に帰ってきたという実感である。遅い夕食をとろうと松江駅前の某全国チェーンレストランに行ってみたら、なんと20時閉店で、もうとっくに閉まっていた。さすがに田舎である。田舎といっても携帯電話はつながる(当たり前です)。しかたないのでコンビニ(さすがにコンビニはある)で弁当とビールを買ってホテル(すでに実家はない)で食べた。
 翌日ホテルで朝食。いつもホテルの朝食は洋食だが、松江では和食である。やはり宍道湖のシジミの味噌汁はかかせない。あご野焼き(とびうおのすり身)とご飯の組み合わせは最高で、あきたこまちでなくてもご飯がおいしくいただける。
 8時にホテルを出発し、歩いて10分ほどのお寺へむかった。住職・お庫裏さんにご挨拶をし、用事は終わった。今年は松江はこれくらいにし、その後松江駅から電車を乗り継いで境港へ行った。米子駅から境線に乗ると、電車は鬼太郎電車である。境港は漁港の町であるが、あのゲゲゲの鬼太郎を書いた水木しげるが育った町で、妖怪の町でもある。電車と駅はどこもゲゲゲの鬼太郎と妖怪だらけである。境港駅を降りると水木しげるロードという商店街があり、水木しげる記念館まで続いている。たった4万人弱の人口しかいない地方都市だが、観光客はいっぱいだった。徹底した妖怪ぶりに感動した。観光には大胆さが必要である。秋田に足りないものである。
 境港駅から米子空港までは10kmくらいはあるのだが、バス料金はたったの100円であった。ちなみに米子空港の駐車場は、飛行機利用者は無料である。観光に命をかけたこの町の人々の努力にさらに感動した。
 15時40分発の羽田行きに乗り、羽田から最終便で秋田に帰った。松江滞在3時間(睡眠時間を除く)、境港滞在3時間の短い旅であったが、今年の一泊二日の旅で最も思い出に残った旅であった。山陰に学会などでお出かけの際は、是非妖怪の町に立ち寄っていただきたいと思う。
 現在何とか土曜の午後から一泊二日で海外旅行できないか検討中である。ソウルも無理か? 2時間では行けないか? 行けたら再度報告したい。
 最後に、旅行中もしも当院の透析患者の状態が変化した場合には、必ず電話で連絡取れるようにしていますので、総合病院の先生方何卒よろしくお願いします。これくらいのわがまま勘弁して下さい。今のところ土・日の搬送はほとんどないはずですが…。この場をお借りしてお願いします。今後とも面倒見て
ください。
 次回は飯島ファミリークリニックの渡邊秀悦先生にお願いしました。
 
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